借地権の売却相場は、一般的に更地価格の40〜70%程度が目安とされています。

借地権割合や売却方法、契約条件などによって価格は変わるため、土地価格と借地権割合をもとに目安を計算することが重要です。

借地権は土地を所有しているわけではないため、通常の不動産とは価格の考え方が異なります。

借地権の価額は、その借地権の目的となっている宅地の自用地としての価額に、当該価額に対する借地権の売買実例価額、精通者意見価格、地代の額等を基として評定した借地権の価額の割合(以下「借地権割合」という。)がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長の定める割合を乗じて計算した金額によって評価する。
引用:国税庁「財産評価基本通達 第2節 借地権(27)

本記事では、借地権の売却相場の目安・計算方法・売却方法ごとの価格差を、具体的な数値例を交えて解説します。
費用や税金、高く売るポイントもご紹介するので、売却価格の目安にお役立てください。

Contents
  1. 結論|借地権の売却相場は更地価格の40〜70%が目安
  2. 借地権の売却相場を計算する方法
  3. 借地権の売却価格は「売却方法」によって大きく変わる
  4. 借地権の価格に影響する主な要素
  5. 借地権が売れやすいケースと売れにくいケース
  6. あなたの借地権に最適な売却方法は?
  7. 借地権の査定価格が妥当か判断するポイント
  8. 借地権の売却にかかる費用と税金
  9. 借地権をできるだけ高く売却するポイント
  10. 借地権売却に強い不動産会社の選び方
  11. 借地権売却におすすめの不動産一括査定
  12. 借地権売却の流れ
  13. 借地権売却に関するQ&A
  14. 借地権の相談は実績のある不動産会社へしよう|まずは相場の把握から

結論|借地権の売却相場は更地価格の40〜70%が目安

借地権の売却相場は更地価格の40〜70%が目安です。
ただし売却方法や契約条件、立地によって実際の価格は変わります。

借地権の売却相場である借地権評価額は以下の計算式で求められます。

借地権評価額(目安) = 更地価格 × 借地権割合

(例:更地価格3,000万円×借地権割合60%=約1,800万円)

借地権割合は、土地に対し借地権が占める価値の割合です。

まず相場の全体像をつかみ、詳細な計算方法や価格差の要因を確認していきましょう。

借地権の売却価格は更地価格に借地権割合を掛けて目安を算出できる

借地権価格の計算式は「借地権価格=更地価格×借地権割合」です。

更地価格:建物や権利状態がない土地の価格
借地権割合:土地の価格のうち借地権が占める割合

たとえば更地価格2,000万円で借地権割合60%の場合、借地権の価値は1,200万円にんります。
(例)2,000万円×60%=1,200万円

ただし計算式はあくまで「目安」です。
実際の売却価格は、売却方法・地主との関係・残存期間などの要素によって変動するので注意が必要です。(参考:国税庁「No.4611 借地権の評価」)

住宅地の借地権割合は30〜70%が目安で地域によって異なる

借地権割合は地域ごとに異なります。

借地権割合は地域ごとに国税庁が設定し、住宅地では30〜70%、商業地では70〜90%と高くなる傾向があります。(参考:国税庁「路線価図・評価倍率表」)

国税庁の借地権割合はあくまで税務上の評価基準であり、実際の売却価格は市場動向や地主との交渉条件によって変動します。

借地権割合 地域の傾向 主なエリア例 特徴
70% 都市部の住宅地 東京23区・大阪市中心部など 土地需要が高く借地権価値も高い
60% 都市近郊の住宅地 政令指定都市・主要都市周辺 住宅需要が安定している地域
50% 郊外の住宅地 都市周辺のベッドタウン 住宅地で最も多い一般的な割合
40% 地方都市の住宅地 地方中核市など 土地需要がやや低い地域
30% 地方・郊外の住宅地 人口が少ない地域 土地需要が低く借地権価値も低め

売却方法や契約条件によって実際の売却価格は大きく変わる

借地権は売却方法や契約条件により、変化します。

一般市場では相場価格で売却が可能ですが、買取であれば相場の7割程度になる場合もあります。

また表面上の売買価格が同じでも契約により、境界確定や契約不適合責任などで負担が大きくなる可能性もあるでしょう。

要素 内容 価格への影響
借地権割合 国税庁の路線価に基づく借地権割合(30〜70%など) 割合が高い地域ほど借地権価格も高くなる
更地価格(土地相場) 同エリアの土地価格や路線価 土地価格が高いほど借地権価格も高くなる
売却方法 地主売却・第三者売却・専門業者買取など 第三者売却は高くなりやすく、業者買取は低くなる傾向
地主の承諾条件 譲渡承諾料や条件の有無 承諾料が高い場合は実質的な売却価格が下がる
契約内容 旧法借地権・普通借地権・定期借地権など 契約期間が長いほど価値が高くなりやすい
残存契約期間 借地契約の残り年数 残り期間が短いほど価格は下がる傾向
建物の状況 建物の有無や老朽化状況 老朽化や解体費が必要な場合は価格が下がる
立地条件 駅距離・用途地域・周辺環境など 立地が良いほど需要が高く価格も上がる
地主との関係性 交渉のしやすさや承諾の可否 地主が協力的なほど売却条件が良くなりやすい

相場はあくまで基準であり、実際の売却価格とは異なる点には注意が必要です。

借地権の売却相場を計算する方法

借地権の売却価格は以下の式に当てはめて計算します。

借地権価格=更地価格×借地権割合

それぞれの価格を確認するには「土地価格の確認」「借地権割合確認」「借地権価格算出」の3ステップがあります。

借地権価格算出フロー図

以下では計算手順を具体的に説明します。

土地の評価額(更地価格)を調べる

借地権価格の基準となる土地価格を調べる際は、4つの価格を使い分けが必要です。

指標 公表機関 主な用途 特徴
公示地価 国土交通省 土地取引の指標 毎年1月1日時点の標準地価格。土地価格の基準となる代表的な指標
基準地価 都道府県 土地価格の補完指標 毎年7月1日時点。公示地価を補完し全国の地価動向を把握できる
路線価 国税庁 相続税・贈与税の計算 道路ごとに設定された価格。一般的に公示地価の約80%が目安
固定資産税評価額 市区町村 固定資産税の算定 公示地価の約70%が目安。固定資産税や都市計画税の基準
実勢価格(取引価格) 不動産市場 実際の売買価格 需要や交渉によって変動。実際の売却価格に最も近い指標

更地価格とは、建物や権利関係が一切ない更地として評価した場合の土地の価格です。
それぞれの土地価格はひとつの価格で判断しないようにしましょう。

国税庁が公表している借地権割合を確認する

借地権割合は、国税庁「路線価図・評価倍率表」で確認します。

STEP 1
国税庁サイトにアクセス

国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」ページを開く
借地権割合は国税庁が地域ごとに公表している

STEP 2
都道府県を選択

対象の土地がある都道府県を選ぶ
年度ごとにデータが公開されている

STEP 3
市区町村・地区を検索

該当する市区町村・町名を選択して路線価図を表示
対象の道路に面した土地を確認する

STEP 4
路線価の表示を確認

道路上に表示された「数字+アルファベット」を確認
数字=路線価、アルファベット=借地権割合

STEP 5
借地権割合を読み取る

例:215D → 借地権割合60%
A〜Gの記号で割合が決まる

路線価の数字の右隣にあるアルファベット(A〜G)が借地権割合の記号です。
記号に対応する割合は以下の通りです。

記号 割合
A 90%
B 80%
C 70%
D 60%
E 50%
F 40%
G 30%

・路線価図の閲覧には対象地の住所や地図上での位置確認が必要
・借地権割合はあくまで税務上の評価割合であり、実際の売却価格とは異なる

土地価格と借地権割合から借地権価格を算出する

更地価格と借地権割合が分かれば、借地権評価額の目安を計算できます。

借地権価格の算出は、「借地権価格 = 土地の更地評価額×借地権割合」が基本です。

【計算例】
面積150㎡・路線価10万円/㎡・借地権割合70%
更地価格:150㎡ × 100,000円 = 1,500万円
借地権評価額:1,500万円×70% =1,050万円

上記の場合は、1,050万円が売却価格の目安となります。

実際の売却価格はここから売却方法・地主条件・残存期間などの要素で上下します(参考:国税庁「No.4611 借地権の評価」)。

あくまで目安という点を忘れないでください。

借地権の売却価格は「売却方法」によって大きく変わる

借地権は売却方法で価格が変化します。

売却方法 価格目安 難易度 売却スピード
地主売却 低〜中 早い
第三者売却 中〜高 普通
同時売却 遅い

借地権売却は通常の不動産売却と異なり、地主の承諾が必要です。

以下では「地主売却」「第三者売却」「底地権者との同時売却」の3つの売却方法を比較します。

地主に売却する場合は更地価格の40〜60%程度が相場

地主に借地権を売却する場合は、更地価格の40〜60%程度が相場です。

地主への売却は、承諾が不要で手続きがシンプルな点が特徴です。

項目 内容
メリット ・地主の承諾が不要で売却手続きが進めやすい
・交渉がまとまれば比較的早く売却できる
・第三者売却よりトラブルが起きにくい
デメリット ・買い手が地主に限定されるため価格が低くなりやすい
・地主に買取義務がないため売却できない場合がある
・交渉条件によっては価格が大きく下がる可能性がある

ただし借地人から売却を申し出る場合は地主が有利になり、更地価格の約50%になる場合があります。

地主側から購入の打診があった場合は、更地価格の約60%が目安になるでしょう。

・買い手が地主のみのため、価格交渉力が低く買い叩かれやすい
・地主が購入を希望しない場合は使えない

第三者に売却する場合は更地価格の60〜70%程度が相場

不動産会社を通じ第三者に売却する場合は、更地価格の60〜70%での売却が相場です

第三者売却は市場価格で売却できる可能性が最も高く、複数の買い手から競争原理が働くためです。

フロー図:相談 → 査定 → 地主承諾確認 → 売却活動 → 売買契約 → 引渡し

ただし第三者への売却には地主の承諾が必要です(参考:借地借家法第19条)。

また地主の承諾が得られた場合は、売却価格の約10%の譲渡承諾料を支払う場合が一般的です。

仲介による売却は高値になりやすいですが、売却期間が長くなる可能性がある点に注意してください

底地権者と同時売却する場合は更地価格に近い価格になることがある

地主(底地権者)と借地人が同時売却すると、借地権単独の売却より大幅に高い価格が期待できます。

借地権+底地権のシンプルな構造図

底地権:地主が持つ「土地を貸して地代を受け取る権利」
借地権:借地人が持つ「地代を払って他人の土地を利用し、自分の建物を建てる権利」

両方をセットで売却すると買い手は完全な所有権を保持し、自由に建て替え・転売活用が可能になり銀行ローンも使用が可能です。

借地権と底地を同時に売ることで、買主は制限のない「通常の土地」として購入できます。

ただし地主の協力が前提となり、必ず実現するとは限りません。
売却を検討している場合は、地主との日ごろからの関係づくりが重要です。

借地権の価格に影響する主な要素

借地権の売却価格は契約期間や地代、立地など複数の条件によって変化します。

要素 内容 価格への影響
借地契約の残存期間 借地契約の残り年数 残り期間が長いほど価値は高くなる
地代や更新料の条件 土地の使用料、や契約更新時に支払う一時金 維持費が高いほど実質価格は下がる
地主の承諾条件 譲渡承諾料や条件の有無 承諾料が高いほど実質価格が下がる
立地条件 駅距離・周辺環境・用途地域など 立地が良いほど需要が高く価格も上がる

同じ地域でも、立地や接道で価格が大きく変わります。

以下で詳しく解説します。

借地契約の残存期間

借地契約は残存期間が長いほど借地権の価値は高く、短いほど価格は下がる傾向があります。

借地契約の残存期間

たとえば残存期間が35年を下回ると、住宅ローンを利用できる金融機関が減少します。

買主が現金購入しか選択できなくなるため、需要が落ち込み売却価格が大幅に下落する可能性があります。

また更新可能性の有無も重要です。
地主が更新に前向きか、過去に更新実績があるかによって借地権の価格は変化するでしょう。

地代や更新料の条件

借地権の価格は、地代と更新料などの費用条件によって左右されます。

借地権は取得後も費用が発生するため、年間地代や更新料の負担が重いほど価値が下がるためです。

地代や更新料の条件 年間地代 更新料 価格への影響
軽い 低い 低額・なし 上がりやすい
平均 中程度 相場通り 相場並み
重い 高い 高額・不明確 下がりやすい

地代が高いと保有コストが増え、収益性が低下します。
また更新料が高額・不明確な場合は将来の支出リスクとなり、価格は下がります。

借地権の売却時は更新時のタイミングや周辺の地代相場と合わせて考えましょう。

土地の立地と市場需要

土地の立地条件は借地権価格に影響します。

土地の立地と市場需要
都心部や交通利便性の高いエリアは需要が高く、残存期間が短くても一定の価格水準を維持できる傾向があります。

地方では借地権割合が示す価格水準に届かない場合もあるため、注意が必要です。

・人気エリアでも借地権は所有権物件より割安になりやすい。
・地方では買い手がつかないケースも存在する

地主の売却承諾条件

地主との関係が良好であれば、借地権価格や譲渡承諾料の交渉は有利に進めやすいです。

地主承諾の流れ

借地権売却では地主への事前相談、承諾が欠かせません。

もし地主が承諾を拒む、承諾が得られない場合は、買取業者や専門家の利用が必要になる可能性があります。

売却前に地主と十分に協議するのが重要です。

借地権が売れやすいケースと売れにくいケース

借地権の売却難易度は、契約内容や立地によって異なります。
売れやすいケースと売れにくいケースを把握し、売却戦略を立てましょう。

項目 売れやすいケース 売れにくいケース
立地 都市部・駅近など需要が高い 郊外・地方で需要が少ない
契約期間 契約の残り期間が長い 残存期間が短い
地主の承諾 地主が売却に協力的 地主が承諾しない・条件が厳しい
地代 地代が相場より低い 地代が高い
建物の状態 建物が利用できる状態 老朽化して解体費がかかる

残存期間が長い借地権は売却しやすい

契約の残存期間が長い借地権は売却しやすい傾向があります。

残存期間が長いほど住宅ローンも利用しやすいため、買い手がつきやすいです。

残存契約期間 売れやすさ 理由
30年以上 売れやすい 利用期間が長く住宅用地としての価値が高い
20〜30年 比較的売れやすい 住宅ローン利用や建替えの検討が可能な期間
10〜20年 やや売れにくい 利用期間が限られるため購入者が減る
10年未満 売れにくい 利用価値が低く価格も大きく下がる傾向

残存期間が短いと、ローン利用が難しく価格が下がる傾向があります。

売却を考えているなら残存期間が長いうちの売却がおすすめです。

人気の住宅地にある借地権は買い手が見つかりやすい

人気のあるエリアに位置する借地権は、買い手が見つかりやすい傾向があります。

借地権は所有権物件に比べて価格が6割〜8割程度に設定され、購入できる人が増えるからです。

STEP 1
立地条件
STEP 2
駅距離・商業施設・都市規模・人口
STEP 3
土地需要
STEP 4
借地権の売れやすさ
STEP 5
借地権価格

 

ただし地方では所有権の物件も手が届きやすく、借地権物件は売却期間が長くなる可能性があります。

地主が売却を承諾しない場合は売却が難しくなる

地主が売却を承諾しない場合は第三者への売却は困難です。

第三者への売却には原則として地主の譲渡承諾が必要です(参考:借地借家法第19条)。

借地権売却の承諾プロセス図

地主が承諾しない場合は、借地権専門業者による買取や専門家への相談が可能です。

ただし買取では価格が下がる傾向があるため、注意してください。

地代や契約条件が不利な借地権は価格が下がる

周辺相場より地代が高い場合や不利な条件がある借地権は、価格が下がる傾向があります。

契約条件 条件の内容 価格への影響
地代 地代が高い 維持費が高いため価格は下がりやすい
契約期間 残存期間が短い 利用期間が限られるため価格が下がる
地主の承諾条件 承諾料が高い・条件が厳しい 実質的な売却価格が下がる

不利な条件がある借地権は買い手に敬遠されやすいです。

契約書の内容を確認し、不利な条件がある場合は地主との条件変更交渉を検討してください。

あなたの借地権に最適な売却方法は?

借地権の売却方法は「地主への売却」「第三者への売却」「底地権者との同時売却」の3つがあります。

最適な売却方法は、重視する点によって異なります。
以下のフローチャートでご自身の借地権に最適な売却方法を見つけてください。

売却方法判断フロー図

ゴール1:手続きが簡単な地主売却

地主が借地権の買い取りに前向きな場合は地主への売却がおすすめです。

シンプルな地主売却の流れ図
地主売却では地主へ支払う承諾料や、買主探しが必要ありません。

ただし地主売却では、相場より低い価格を提示される傾向があります。
事前に不動産会社で相場感を確認した上で、必要があれば交渉を行いましょう。

ゴール2:市場価格で売却できる第三者売却

地主が買い取りに応じない場合は、不動産会社を通じた第三者への売却を検討しましょう。

地主買取不可時の第三者売却の流れ
第三者への売却価格は更地価格の60〜70%程度が目安です。

第三者売却には地主の譲渡承諾が必要です。
早めに地主へ売却の意向を伝え、承諾を得る手続きを進めましょう。

ゴール3:最高価格が期待できる同時売却

高値で売却したい場合は、地主と協力した同時売却が有力な選択肢です。
同時売却であれば、更地価格と同程度まで売却価格が上がる可能性があります。

同時売却の構造図

ただし地主と借地人の双方が売却に合意する必要があり、交渉の難易度は高めです。

借地権売却の経験がある不動産会社に仲介を依頼し、地主との協議をサポートしてもらうのをおすすめします。

借地権の査定価格が妥当か判断するポイント

借地権の査定価格が妥当かを判断するには、複数の不動産業者から査定を取るのが重要です。

借地権の査定は不動産会社によって金額に大きな差が出やすいです。

複数社の見積もりを取り、以下のチェック項目を比較しましょう。

チェック項目 確認ポイント
更地価格 土地の相場や路線価をもとに査定しているか
借地権割合 国税庁の借地権割合が反映されているか
売却方法 地主売却か第三者売却かで価格差を見ているか
地主条件 承諾料や承諾条件が査定に含まれているか
契約内容 残存期間や地代条件を考慮しているか
建物状況 建物の老朽化や解体費を見込んでいるか
立地需要 駅距離や周辺需要を加味しているか
査定比較 複数社の査定額と根拠を比較しているか

借地権割合と土地価格が査定価格に反映されているか

借地権割合と更地価格が査定額に反映されているかを確認します。

借地権割合は国税庁が定める客観的な指標であり、計算による評価額が借地権本来の価値(ベースライン)です(参考:国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」)。

また土地価格は市場動向に左右されるため、現在の時価になっているかを確認しましょう。

借地権価格=更地価格×借地権割合

土地価格(更地価格) 借地権割合 計算式 借地権価格の目安
3,000万円 60% 3,000万円 × 60% 1,800万円
2,500万円 50% 2,500万円 × 50% 1,250万円
2,000万円 40% 2,000万円 × 40% 800万円

不動産会社によっては早期売却を狙い、低すぎるまたは高すぎる査定を出す場合があります。

査定価格が評価額より大幅に低い場合は、算出根拠を確認しましょう。

借地契約の残存期間が査定価格に反映されているか

次に契約期間が価格評価に含まれているかを確認してください。

借地契約では残存期間が短いほど価格が下がりやすい傾向があります。

借地契約 残存期間 関係図

査定価格の説明に「残存期間○年のため△%減」などの根拠が示されているか確認してください。

地主承諾料などの条件が査定に反映されているか

第三者売却を想定した査定価格には、地主への譲渡承諾料などが考慮されているかを確認してください。

借地権売却時には以下の費用がかかる場合があります。

費用項目 費用の目安 内容
地主承諾料 借地権価格の10%前後 借地権を第三者へ売却する際に地主へ支払う承諾料
仲介手数料 売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税(上限) 不動産会社に仲介を依頼した場合の成功報酬
印紙税 1万〜6万円程度 売買契約書に貼付する収入印紙の税金
解体費用 100万〜200万円程度(建物規模による) 建物を解体して更地で売却する場合に発生
譲渡所得税 利益に対して約20%または39% 売却益が出た場合に課税される税金

また譲渡承諾料が未考慮のまま高額査定が示された場合は、注意が必要です。
実際の手取り額は「売却価格 − 各種費用・税金」で計算してください。

複数の不動産会社の査定価格を比較する

査定価格の妥当性を判断するために、複数の不動産会社の査定価格を比較しましょう。

借地権の査定は会社によって大きく差があり、1社のみでは相場感が分かりにくいです。
最低でも3社以上に査定依頼をし、比較してください。

【複数社の査定価格比較イメージ】

不動産会社 査定価格 査定方法 価格差の理由
A社 1,800万円 更地価格 × 借地権割合 一般的な借地権評価を採用
B社 1,650万円 地主買取を想定 買い手が地主のみのため価格を低めに設定
C社 1,950万円 第三者売却を想定 市場で売却できる可能性を加味

金額だけを見るのではなく「なぜその金額になったのか」を比較しましょう。

一括査定サービスを利用すれば、一度の入力で複数社に同時依頼が可能です。

借地権の売却にかかる費用と税金

借地権売却では、承諾料や仲介手数料の費用と税金がかかります。

各費用・税金の詳細は以下のとおりです。

費用項目 費用の目安 内容
地主承諾料 借地権価格の10%前後 借地権を第三者へ売却する際に地主へ支払う承諾料
仲介手数料 売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税(上限) 不動産会社に仲介を依頼した場合の成功報酬
印紙税 1万〜6万円程度 売買契約書に貼付する収入印紙の税金
解体費用 100万〜200万円程度(建物規模による) 建物を解体して更地で売却する場合に発生
譲渡所得税 利益に対して約20%または39% 売却益が出た場合に課税される税金

 

譲渡承諾料は第三者売却時に地主の承諾を得るために支払う費用です。

相場は売却価格の約10%ですが、地主との交渉結果や契約内容、地域によって異なります。

例:借地権売却価格1,500万円の場合 → 譲渡承諾料の目安は約150万円

地主への直接売却の場合、承諾料は不要です。

古家を解体する場合の解体費用(約100万〜300万円)

建物を解体し更地で引き渡す場合は、解体費用が発生します。
費用は建物の構造と規模によって変わります。

建物構造 解体費用の目安(坪単価) 30坪の場合の目安
木造 3万〜5万円/坪 約90万〜150万円
軽量鉄骨 4万〜6万円/坪 約120万〜180万円
鉄骨造 5万〜7万円/坪 約150万〜210万円
RC(鉄筋コンクリート) 6万〜8万円/坪 約180万〜240万円

解体費用は原則として借地人(借主)が負担します。

ただし契約書に更地返還の記載がない場合は、解体不要で引き渡せるケースもあります。

売買契約時に必要な仲介手数料(物件価格 × 3% +6万円)

仲介手数料は第三者売却などで不動産屋へ支払います

仲介手数料は宅建業法で上限が定められ、物件価格をもとに計算します。
不動産会社が受け取れる報酬額は上限が規制されています。

物件価格 上限の計算方法 上限額の目安(税込)
800万円以下 特例:一律30万円(税抜) 33万円
800万円超 価格×3%+6万円(税抜) 価格による

物件価格が3,000万円の場合:
3,000万円 × 3% + 6万円 = 96万円(税抜)
消費税10%を加算 → 105万6,000円(税込)

上記は上限額であり、交渉によって減額できる場合もあります。

売買契約書に必要な印紙税(1万〜6万円程度)

売買契約書には印紙税の納付が必要です。

印紙税の税額は物件価格によって税額は変化します。

契約金額(記載金額) 軽減後の印紙代 (参考:通常の税率)
10万円超 〜 50万円以下 200円 400円
50万円超 〜 100万円以下 500円 1,000円
100万円超 〜 500万円以下 1,000円 2,000円
500万円超 〜 1,000万円以下 5,000円 1万円
1,000万円超 〜 5,000万円以下 1万円 2万円
5,000万円超 〜 1億円以下 3万円 6万円
1億円超 〜 5億円以下 6万円 10万円

契約書は売主・買主それぞれが1通ずつ保管するため、2通分(各自1通)の収入印紙が必要です。

2027年3月31日までは軽減措置が適用されています。
ただし借地権のみの売買契約書は、軽減措置の対象外となる点に注意が必要です。

借地権売却で発生する譲渡所得税(利益の約20〜39%)

借地権売却で利益(譲渡所得)が生じた場合、譲渡所得税が発生します。

譲渡所得=売却価格−(取得費+譲渡費用)−特別控除
譲渡所得税=譲渡所得×税率

税率は保有期間が5年以下かどうかで異なります。

所有期間 所得税 住民税 合計税率
短期譲渡(5年以下) 30% 9% 約39%
長期譲渡(5年超) 15% 5% 約20%

マイホームとして利用していた借地権付き建物を売却する場合は、「居住用財産の3,000万円特別控除」を利用できる可能性があります。

以下の記事で詳しく説明していますので、参考にしてください。

借地権をできるだけ高く売却するポイント

借地権を少しでも高く売却するには、以下のポイントを押さえておきましょう。

【高く売却するためのチェックリスト】

土地の更地価格や相場を事前に調べている
地主との関係を整理し承諾条件を確認している
契約期間(残存期間)を確認している
借地権に強い不動産会社へ相談している
複数の不動産会社に査定を依頼して価格を比較している
査定価格の根拠(更地価格・借地権割合・需要)を確認している
売却にかかる費用(承諾料・仲介手数料・税金)を把握している

必ず高く売れる方法はありませんが、高く売れるためのポイントはあります。

以下で詳しく解説します。

借地権の取引実績がある不動産会社に依頼する

借地権売却は、過去に取引実績のある会社に依頼するのが重要です。

借地権取引の実績がある不動産会社であれば、適正価格での査定と地主交渉のサポートが期待できます。

借地権は通常の不動産売却と異なり、地主との交渉・借地借家法への理解・特殊な権利関係の整理が必要です。

項目 一般不動産売却 借地権売却
権利の内容 土地と建物の所有権 土地を借りて利用する権利(借地権)
売却の自由度 所有者の判断で自由に売却可能 地主の承諾が必要な場合が多い
価格の決まり方 土地価格や市場需要で決定 更地価格 × 借地権割合が目安
売却難易度 比較的売却しやすい 地主条件や契約内容により難易度が上がる
主な費用 仲介手数料・印紙税・譲渡所得税 仲介手数料・印紙税・譲渡所得税・地主承諾料
契約条件 特別な契約条件は少ない 地代・契約期間・承諾条件などの影響を受ける

借地権の取り扱いに慣れていないと、価格が適切に評価されない場合があります。

借地権の取引実績がある不動産会社に依頼しましょう。

地主との関係が良好な状態で売却手続きを進める

地主との関係が良好であれば、高値での売却が叶いやすいです。

地主との関係性が良好だと、承諾料などの交渉も有利に進む可能性が高いです。

地代の滞納や地主とのトラブルがある状態での売却交渉は、難航する傾向があります。

借地権売却と地主承諾の関係図

売却を検討しているなら、日頃から地主との関係を良好に保つようにしましょう。

借地契約の更新時期を確認して売却タイミングを検討する

借地契約の更新直後のタイミングは売却価格が高くなりいやすいです。

買主が当面の更新料を負担しなくて済むため、売り出しのタイミングに有利でしょう。
また残存期間が長い時期ほど高値で売却できる可能性が高いです。

契約残存期間と売却価格の関係図

売却のタイミングを計画的に選ぶようにしてください。

・残存期間が長く残っている
・売却時期は更新直後がおすすめ

底地権者との同時売却を検討する

売却価格を最大化する方法で効果的なのが、地主と協力した同時売却です。
更地価格と同程度まで売却価格が上がる可能性があります。

借地権+底地権のシンプルな構造図

地主が前向きでない場合でも、交渉次第で同意を得られるケースがあります。

借地権売却の経験が豊富な不動産会社に相談し、地主への提案をサポートしてもらうのがおすすめです。

ただしタイミングや関係性など、必ず実現できるわけではないので注意してください。

借地権売却に強い不動産会社の選び方

借地権に強い不動産会社は、借地権取引実績や経験を確認して選びましょう。

借地権売却は一般の不動産取引とは異なるため、大手が最適とは限りません。
以下では具体的な選び方をご紹介します。

借地権の売却実績がある会社を選ぶ

過去に借地権の売却実績がある、不動産会社を選ぶのが重要です。

借地権売却は地主との交渉など特殊な手続きがあり、通常の不動産とは異なる知識と経験が必要です。

比較項目 実績がある会社 実績が少ない会社 チェックポイント
借地権の取扱件数 売却事例を具体的に提示できる 実績が曖昧、または少ない 過去の借地権売却事例を確認する
査定の根拠 借地権割合・更地価格・地主条件を踏まえて説明できる 価格の根拠があいまい なぜその査定額になるのか質問する
地主との交渉力 承諾料や譲渡条件の調整に慣れている 交渉経験が乏しく売却が停滞しやすい 地主交渉の経験有無を確認する
売却方法の提案力 地主売却・第三者売却・同時売却を比較提案できる 提案が一択になりやすい 複数の売却方法を提示できるか確認する

会社のWebサイトや担当者へ、借地権の売却実績や取引件数を確認してください。

地主との交渉経験がある会社を選ぶ

借地権売却では地主との交渉経験がある会社を選びましょう。
地主との交渉を円滑に進められると、価格や売却スピードに直結する傾向があります。

借地権売却の交渉プロセス図
地主との交渉が難航すると、承諾を得るまでに数カ月以上の時間がかかる可能性があります。

「譲渡承諾交渉の経験があるか」「地主との協議をサポートしてもらえるか」を事前に確認して選びましょう。

複数社に査定依頼して売却価格と提案内容を比較する

複数の不動産会社に査定を依頼し、売却価格と提案内容を比較しましょう。

1社のみの査定では相場感を把握しにくく、低い価格を提示されても気づけないリスクがあります。

最低3社以上に査定を依頼し、売却価格だけでなく提案内容を比較するのが重要です。

比較項目 一般的な不動産会社 借地権に強い不動産会社
査定価格と根拠 周辺の取引事例のみをベースにし、各種費用(名義変更料など)が反映されていないことがある。 借地権の特性や契約条件を反映した現実的な価格を提示し、根拠も論理的。
地主交渉サポート 「売主様から地主へ承諾をもらってきてほしい」と売主任せになりがち。 間に立って承諾料や条件面の交渉をサポートしてくれ、関係悪化を防ぐ。
売却戦略の提案 第三者(不動産買取業者など)への売却一択になりやすい。 同時売却や地主買取など、価格優先で売却方法を提案してくれる。

金額の高低だけでなく、交渉サポートと売却手法の選択肢を比較して依頼先を決定しましょう。

借地権売却におすすめの不動産一括査定

借地権売却では最低2〜3社への査定依頼が重要です。

一括査定サービスを使えば、一度の入力で複数社から査定を受けられます。

ただし、すべてのサービスが借地権に対応しているわけではありません。

借地権売却におすすめの一括査定サービスは以下の3サービスです。

比較項目 すまいステップ すまいバリュー HOME4U
サービスの特徴 優良企業のみを厳選。担当者の質を重視。 超大手6社への直接依頼。権利調整のプロ集団。 NTTデータ運営。審査が厳しく、老舗・実力店が多い。
提携会社数 全国2,000社以上 超大手6社 約2,500社
対応エリア 全国 全国 全国
借地権対応の有無
同時売却の調整
地主交渉サポート
査定スピード ◎〜△(バラつきあり)
向いている人 地主交渉を経験豊富な営業担当者に任せたい人 相続が絡む「複雑な借地権」を抱えている人 相談先がわからない地方物件や古い家の人

 

すまいステップ|借地権売却に強い担当者で安心

すまいステップ
項目 内容
サービス名 すまいステップ
運営会社 株式会社Speee
サービス内容 厳選された優良不動産会社・担当者に限定した不動産一括査定サイト
利用料金 完全無料
提携会社数 全国2,000社以上
対応物件 マンション、一戸建て、土地、ビル、店舗、倉庫など
所要時間 最短60秒(Webフォーム入力)
比較可能数 最大4社
対応エリア 全国
公式HP https://sumai-step.com/
特徴 所有権移転率No.1:査定後の実売却に至った割合で1位を獲得(参考:すまいステップ 公式サイト
エース級の担当者限定:売買経験5年以上、100件超の実績などの基準をクリアしたプロが対応
スピード成約:業界平均より約1ヶ月早い売却スピードの実績

すまいステップは担当者の質に特化した不動産一括査定サイトです。

査定担当者に「宅建士保有」「売買仲介実績100件以上」などの独自基準を設け、不動産比較サイト調査(参考:すまいステップ 公式サイト)では所有権移転率で第1位を獲得しています。

すまいステップが借地権売却で選ばれる理由

  • 厳選された優良企業のみで借地権案件の経験が豊富
  • 借地権価格の算定や交渉など交渉力を持った担当者に出会いやすい
  • 悪質な勧誘を行う企業を排除しているため安心して利用できる
  • 査定から所有権移転までの平均日数が約106日と短期間での成約率が高い

すまいステップがおすすめな人

すまいステップは地主との交渉を経験豊富な営業担当者に任せたい人におすすめです。

「売買経験5年以上」「累計100件以上の実績」などの基準を満たした担当者のみが紹介されるので、複雑な権利関係の調整にも対応しやすいのが特徴です。
借地権特有の名義書換料や更新料の相場観を熟知した、各社を代表する「エース級」の担当者とマッチングされやすいため、トラブルを未然に防げます。

すまいValue|大手6社運営で初めての借地権売却も安心

すまいValue
項目 内容
サービス名 すまいValue(すまいバリュー)
運営会社 大手不動産会社6社の共同運営
(三井のリハウス、住友不動産販売、東急リバブル、野村の仲介+、小田急不動産、三菱地所ハウスネット)
サービス内容 大手6社にまとめて査定依頼できる不動産一括査定サイト
利用料金 完全無料(不動産会社からの手数料で運営)
提携会社数 6社(いずれも業界上位)
対応物件 マンション、一戸建て、土地など
所要時間 最短60秒(Webフォーム入力)
比較可能数 最大6社(大手6社すべて)
対応エリア 全国対応(全国835店舗 ※2024年度時点)
公式HP https://sumai-value.jp/
特徴 ・トラブルなしで取引できたと回答したユーザー95.5%
・成約件数:年間11万件以上(2024年度実績)
・成約スピード:71.3%が3か月以内に成約
・FP相談や相続支援などの付帯サービスが充実
(参考:すまいValue 公式サイト

すまいValueは、大手不動産仲介会社6社が共同で運営している一括査定サービスです。

自社のユーザーアンケートでは、95.5%が「トラブルなく安心して取引できた」と回答があり、大手仲介会社に直接依頼できる安心感が評価されています。

すまいValueが借地権売却で選ばれる理由

  • 不動産仲介のトップ企業6社が共同で運営し、権利関係の解決力が高い
  • 膨大な成約データに基づいた「精度の高い査定」で早期売却の可能性が高い
  • 借地権売却に強い士業との連携がスムーズ
  • 圧倒的な集客力で第三者への売却に強い

すまいValueがおすすめな人

すまいバリューは相続が絡む「複雑な借地権」を抱えている人におすすめのサービスです。
大手6社は、社内に法務・コンプライアンス専門部署や、提携する税理士・弁護士ネットワークを完備。
相続税の支払い期限までの売却や親族での揉め事などデリケートな問題に対し、法的に正しい手順でワンストップのサポートが受けられます。

HOME4U|借地権に強い専門会社とのマッチング力

HOME4U
項目 内容
サービス名 HOME4U(ホームフォーユー)
運営会社 株式会社NTTデータ・スマートソーシング(NTTデータグループ)
サービス内容 不動産一括査定サービス(日本初)
利用料金 完全無料
提携会社数 約2,500社(大手から地域密着型まで)
対応物件 マンション、一戸建て、土地など
所要時間 最短60秒(Webフォーム入力)
比較可能数 最大6社
対応エリア 全国対応
公式HP https://www.home4u.jp/sell/
特徴 ・日本初の一括査定サイト(2001年~)
・NTTデータグループ運営で情報管理が安心
・抵当権付き物件の相談実績も豊富
・厳選された優良不動産会社のみと提携

「HOME4U(ホームフォーユー)」は、マンション・戸建て・土地の売却に対応した一括査定サービスを無料で提供している一括査定サービスです

2001年にサービスを開始し、運営歴は20年以上と日本で最も早く一括査定を提供した実績がある、信頼性の高いサービスです。

HOME4Uが借地権売却で選ばれる理由

  • NTTデータグループ運営の圧倒的な安心感
  • 借地権に強い「専門会社」とのマッチング力
  • 国内初の一括査定サイトのため、蓄積データが多い
  • 宅地建物取引士などの専門スタッフがサポート

HOME4Uがおすすめな人

HOME4Uは、相談先がわからない地方物件や古い家の人におすすめのサービスです。
全国約2,300社のネットワークがあり、地方や特殊な権利関係に強い地域密着型の会社にもアプローチが可能です。

借地権売却の流れ

借地権売却の流れは、不動産会社への相談や査定の後に地主の承諾確認があるのが特徴です。

借地権売却の流れ

以下で全体の流れを把握し、スムーズな売却を進めましょう。

不動産会社に査定を依頼する

まず複数の不動産会社に査定を依頼し、売却価格の目安を把握します。

一社だけでは価格の妥当性や信憑性がわからないため必ず複数査定を依頼しましょう。

STEP 1
不動産会社を選定

借地権の取扱実績がある会社を複数選ぶ。最低2〜3社に依頼するのが基本。

STEP 2
査定を依頼

机上査定または訪問査定を依頼する。まずは机上査定でOK。

STEP 3
査定価格の提示

各社から査定額と売却プランが提示される。価格だけでなく根拠を確認する。

STEP 4
内容を比較・検討

査定価格・売却方法・条件を比較する。手取り額で判断する。

STEP 5
依頼先を決定

最適な不動産会社と媒介契約を結ぶ。高すぎる査定には注意する。

複数の不動産会社への査定には一括査定サービスを活用すると効率的です。

査定価格だけでなく、借地権売却の実績や地主交渉のサポート体制も確認した上で、媒介契約を結ぶ会社を選びましょう。

第三者売却の場合、地主からの譲渡承諾が必要です(参考:借地借家法第19条)。

STEP 1
売却方針の決定

地主売却か第三者売却かを決める。第三者売却の場合は承諾が必要。

STEP 2
買主候補の選定

第三者売却の場合は購入希望者を見つける。条件を固めてから交渉するのが基本。

STEP 3
地主へ事前相談

売却の意向や条件を伝える。いきなり本交渉せず事前に打診する。

STEP 4
承諾条件の交渉

譲渡承諾料や契約条件を調整する。相場は借地権価格の10%前後。

STEP 5
承諾書の取得

地主から正式な承諾書をもらう。書面での取得が必須。

STEP 6
売買契約の締結

承諾後に売買契約を締結する。承諾なしでの契約はトラブルの原因。

地主が承諾しない場合は、借地権専門業者や専門家への相談を検討しましょう。
価格は下がる可能性がありますが、早く物件売却を行えるのが特徴です。

買主を探して売買契約を締結する

次に不動産会社を通じて買主を募集します。

STEP 1
買主を探す
STEP 2
条件交渉
STEP 3
地主承諾
STEP 4
売買契約締結

買主が見つかったら、売買条件を交渉し、売買契約を締結します。
契約書には売買価格・引渡し条件・地主承諾の有無などを明記します。

借地権の売却は権利関係が複雑です。
署名前に、細部まで契約内容を確認しましょう。

決済と引き渡しを行う

最後に売買代金を支払い、借地権・建物の引き渡しを同時に行います。

STEP 1
最終確認

契約内容・金額・必要書類を確認する。承諾書や契約書の内容を事前にチェック。

STEP 2
残代金の支払い

買主から売主へ残代金が支払われる。銀行で同時に行われることが多い。

STEP 3
各種費用の精算

仲介手数料や承諾料などを支払う。事前に金額を把握しておく。

STEP 4
権利の引き渡し

借地権を買主へ移転する。承諾済みであることが前提。

STEP 5
鍵・書類の引き渡し

建物の鍵や関係書類を渡す。同時に完了するのが一般的。

STEP 6
取引完了

すべての手続きが完了。この時点で売却成立。

決済手続き前に準備しておくもの(一例)
・権利書(登記識別情報)
・印鑑証明書
・住民票
・地主の譲渡承諾書などの必要書類

借地権売却に関するQ&A

借地権の売却は手続きが複雑な上、税務や法律の知識も必要です。

以下ではよくある疑問をまとめました。

第三者への売却には原則として地主の譲渡承諾が必要です(参考:借地借家法第19条)。

ケース 地主の承諾 内容
地主へ売却する場合 不要 土地所有者本人が買主のため承諾は不要
第三者へ売却する場合 必要 借地借家法により地主の承諾が原則必要
地主が承諾しない場合 例外あり 裁判所の許可(借地非訟)により売却可能

地主の承諾がどうしても得られない場合は、借地権専門業者への買取依頼や専門家への相談が効果的です。

契約条件に特別な記載がある、もしくは地主への直接売却であれば承諾の手続き自体が不要になります。

借地権はどのくらいの期間で売却できる?

売却期間は3か月から1年以上と、売却方法や物件の条件により異なります。

売却方法 売却期間の目安 特徴
地主売却 1〜3ヶ月程度 交渉がまとまれば比較的早く売却できる
第三者売却 3〜6ヶ月程度 買主探しや承諾取得に時間がかかる
同時売却 6ヶ月以上 地主との調整が必要で時間がかかりやすい
専門業者買取 2週間〜1ヶ月程度 価格は低くなるがスピード重視で売却可能

地主の承諾がスムーズに得られ、立地の良い物件の場合は3〜6か月程度で売却できる場合もあります。

一方で地主との交渉に時間がかかる場合や買い手が見つかりにくいエリアでは、1年以上かかることもあるでしょう。

借地権の査定は無料で依頼できる?

不動産会社への査定依頼は原則無料で行えます。

査定方法 費用 特徴
机上査定(簡易査定) 無料 データや相場をもとに短時間で価格目安を算出
訪問査定 無料 現地調査を行いより正確な査定価格を提示
一括査定サイト 無料 複数の不動産会社に同時に査定依頼できる
不動産鑑定士による鑑定 有料(数十万円程度) 法的効力のある正式な評価が必要な場合に利用

査定を依頼しても売却を強制されず、複数社の査定を比較してからの判断が可能です。

ただし詳細な法的調査や測量が必要な場合は、別途費用が発生します。

事前に費用の有無を不動産会社に確認しておきましょう。

借地権の売却相場は、どのエリアでも「借地権割合」と同じになりますか?

必ずしも同じにはなりません。
路線価図の「借地権割合」は基準であり、実際の売却とは異なります。

都心部・駅近など好立地:需要が高く、借地権割合に近い価格で売却できる場合がある
郊外・需要が低いエリア:買い手がつきにくく、借地権割合の評価額を下回る場合がある

複数の不動産会社に査定依頼し、エリアの相場を把握してください。

借地権の相談は実績のある不動産会社へしよう|まずは相場の把握から

借地権の売却相場と計算方法・売却方法ごとの価格差・高く売るポイントについて解説しました。

記事の重要ポイント

【1】相場と価格の決まり方

  • 価格の目安は「更地価格 × 借地権割合(30〜70%)」で算出する
  • 実際の価格は「残存期間・立地・地代条件・地主との関係性」で変動する

【2】売却方法と高く売るコツ

  • 売却方法は「地主・第三者・同時売却」の3パターンがある
  • 高値が期待できるのは「同時売却」
  • 地主との関係性が売却結果に大きく影響する

【3】売却の進め方と注意点

  • 承諾料(相場10%)などの費用が査定に含まれているか確認
  • 借地権の実績と地主交渉力がある会社を選ぶ
  • 必ず3社以上を比較して判断する

借地権の売却は通常の不動産より複雑です。
ただし正しい知識と準備があればスムーズに、高い売却価格も狙えるでしょう。

まずは複数の不動産会社に査定を依頼し、借地権価値の把握から始めてください。