借地権売却の相談先は、「不動産会社」「借地権専門会社」「弁護士」の3つです。

通常の不動産売却と異なり、地主承諾や承諾料の交渉が必要になるため、相談先を間違えると売却の長期化や、条件面で不利になる可能性があります。

国土交通省「土地総合情報システム(不動産取引価格情報)」によると、借地権付き物件の売却期間は所有権付き物件より長くなる傾向です。

本記事では、借地権売却の相談先ごとの特徴・状況別のおすすめ相談先・相談前に確認しておくべきポイントをわかりやすく解説します。

本記事を読み、自分の状況に合った相談先を見つけてください。

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株式会社WALLMATE不動産(ウォールメイト不動産)

売買仲介業・不動産開発事業などを手がける不動産会社が運営

免許番号

宅地建物取引免許:国土交通大臣(2)第 9362 号
住宅宿泊管理業者登録:国土交通大臣(02)第 F00179 号
一級建築士事務所登録:東京都知事 第 65262 号 
不動産特定共同事業許可番号:東京都知事第183号
Contents
  1. 結論|借地権売却の相談先は「不動産会社・借地権専門会社・弁護士」の3つ
  2. 借地権売却の相談先ごとの特徴
  3. 借地権売却のおすすめの相談先は状況によって変わる
  4. 借地権売却に強い不動産一括査定おすすめ3選
  5. 借地権に強い不動産会社の見分け方
  6. 借地権売却の相談で失敗しやすいケース
  7. 借地権売却を相談する適切なタイミング
  8. 借地権売却の相談から売却までの流れ
  9. 借地権売却を相談する前に確認しておくべきこと
  10. 借地権売却の相談でよくあるQ&A
  11. 借地権売却は相談先で失敗しないためにも比較してから進めよう!|まとめ

結論|借地権売却の相談先は「不動産会社・借地権専門会社・弁護士」の3つ

借地権売却の相談先は、地主との関係・売却スピード・法的トラブルの有無によって異なります。

相談先 向いているケース 主な役割 弱い点 最初に相談すべき人
不動産会社 地主との関係が良好で通常売却を進めたい 査定・買主探し・売買契約の実務 借地権の対応力に会社間で差がある 地主承諾の見込みがあり、通常の売却活動を始めたい人
借地権専門会社 承諾料や地主交渉が難しい 地主交渉・承諾料調整・専門的な売却支援 会社数が限られる 承諾料で揉めている、地主との関係が複雑な人
不動産買取業者 早く現金化したい 直接買取による早期売却 仲介売却より価格が低くなりやすい 相続や資金化を急ぐ事情がある人
弁護士 承諾拒否や契約トラブルがある 法的交渉・借地非訟・調停 売却仲介はできない 地主が承諾を拒否、契約内容で争いがある人

地主との関係が良好で通常売却を進めたい場合は不動産会社、承諾料や地主交渉が難しい場合は借地権専門会社、早く現金化したい場合は買取業者、承諾拒否や契約トラブルがある場合は弁護士が候補になります。

最初から1つの相談先に決めるのではなく、自分の状況に近い相談先を比較して選ぶことが重要です。

注意

借地権売却では、相談先を間違えると売却価格の低下や地主交渉が進まず売却が長期化する可能性があります。

まずは「地主との関係」「承諾料交渉の有無」「売却スピード」「法的トラブルの有無」で相談先を分けて考えましょう。

通常の借地権売却は不動産会社への相談が基本

地主との関係が良好で承諾の見込みがある場合、不動産会社への相談が基本です。

不動産会社は、査定や買主探し、売買契約の実務を進める相談先です。査定・買主探し・契約手続きまで売却実務を一括して任せられ、効率よく進められます。

分類 状況 理由
向いているケース 地主との関係が良好 承諾取得がスムーズに進みやすい
向いているケース 地主承諾の見込みがある 通常の売却活動で対応できる
向いているケース 借地契約書や地代の状況が整理できている 査定時に正確な評価を受けやすい
向いているケース 通常の仲介売却を進めたい 市場で買主を探し、高値売却を目指せる
向いているケース 買主を市場で探したい 一般市場での売却活動に対応できる
向いていないケース 地主が承諾を拒否している 法的な対応が必要になる可能性がある
向いていないケース 承諾料で揉めている 交渉経験の豊富な専門会社の方が有利
向いていないケース 過去に地主とトラブルがある 交渉がこじれやすく専門的な対応が必要
向いていないケース 借地権の扱いに慣れていない会社しか見つからない 地主対応が不十分なまま進むリスクがある
向いていないケース 法的な争いになっている 弁護士への相談が先に必要

ただし、借地権売却では地主承諾や承諾料の調整が必要になるため、通常の所有権物件しか扱っていない会社では対応が難しい場合があります。

不動産会社へ相談する場合は、借地権の売却実績や地主交渉の経験を必ず確認しましょう。

  • すべての不動産会社が借地権取引に対応できるわけではない
  • 経験の少ない会社に依頼すると、地主対応が適切に進まない場合がある
  • 相談前に借地権の取扱実績を確認する

地主交渉や高値売却は借地権専門会社への相談が有効

承諾料の交渉など条件調整が必要な場合は、借地権専門会社への相談が有効です。

借地権専門会社は承諾料の相場や交渉の進め方に精通し、地主交渉の実績が豊富です。

【相談例】

  • 地主が承諾料として売却価格の20%以上を要求している
  • 過去に地代トラブルがあり地主との関係が複雑
  • できるだけ高値で売却したい

一般不動産会社と借地権専門会社では以下のような違いがあります。

項目 一般不動産会社 借地権専門会社
承諾料の相場感 会社によって差がある 相場を把握したうえで交渉できる
地主交渉の経験 経験が少ない会社もある 交渉実績が豊富
買主ネットワーク 一般市場が中心 投資家・底地権者へのルートあり

次の状況では、専門会社への相談が有効です。

状況 専門会社に相談すべき理由 確認すべきこと
地主が承諾料として高額な
金額を求めている
相場をもとに根拠のある条件提示ができる 過去の承諾料交渉の実績と交渉の進め方
地主との関係が悪い 第三者として間に入り、冷静な交渉を進められる 地主交渉の対応範囲と連携体制
第三者へ高く売りたい 一般市場だけでなく投資家・底地権者への売却ルートがある 買主ネットワークの具体的な内容
底地権者や投資家への
売却も検討したい
専門的な売却ルートを持っている 過去の投資家・底地権者への売却事例
借地権の査定根拠が分からない 借地権特有の算定方法で根拠のある査定を受けられる 査定額の算出根拠と前提条件
通常の不動産会社に断られた 借地権取引を専門に扱っているため対応できる 買取対応の可否と対応範囲

借地権専門会社は、借地権特有の地主承諾、承諾料、借地契約、買主ネットワークに強みがあります。

特に、第三者売却で高値を狙いたい場合や、地主との条件交渉が必要な場合は、一般的な不動産会社よりも具体的な提案を受けられることが多いでしょう。

専門会社によって対応範囲や価格は差があるため、複数社に問い合わせて依頼先を決めるのが重要です。

承諾拒否や契約トラブルは弁護士への相談が必要

地主が売却を拒否するなど法的な問題が発生した場合は、弁護士への相談が必要です。

承諾拒否や契約トラブルを弁護士に相談し、法的な問題を整理したうえで、不動産会社や借地権専門会社と連携して売却活動を進めましょう。

弁護士への相談が必要なケースは以下のような場合があります。

ケース 法的対応の手段
地主が正当な理由なく
売却承諾を拒否している
借地非訟(借地借家法第19条)を裁判所に申し立てる
承諾料が極端に高い 借地非訟(借地借家法第19条)を活用し、裁判所が承諾料の妥当額を判断する
契約内容の解釈をめぐって
争いになっている
法的交渉・調停
過去のトラブルで地主との
交渉が困難な状態
弁護士が代理人として交渉に介入する

弁護士へ相談すべきなのは、売却そのものではなく、法的な争いや承諾拒否の解決が必要な場面です。

売却価格の査定や買主探しは不動産会社、地主との法的な交渉は弁護士というように、役割を分けて相談しましょう。

  • 弁護士は法的問題の解決が役割で、売却仲介は行わない
  • 弁護士への相談=裁判ではなく、交渉・調停で解決するケースもある
  • 法的問題の解決後は不動産会社と連携して売却活動を進める

借地権売却の相談先ごとの特徴

借地権売却では相談先によって対応範囲が異なります。

相談先 できること 向いている人 弱い点
不動産会社 査定・売却活動全般 通常の売却 借地権対応力に差がある
借地権専門会社 地主交渉・売却支援 交渉が必要な売却 会社数が少ない
買取業者 直接買取・早期売却 急ぎの現金化 価格が市場より低くなりやすい
弁護士 法的交渉・裁判手続き 契約・承諾トラブル 売却仲介は不可

相談先の役割を混同すると、必要な対応が遅れる可能性があるため、相談先を選ぶときは、「何を相談したいのか」を先に整理することが重要です。

売却価格を知りたいなら不動産会社、地主交渉を進めたいなら借地権専門会社、法的トラブルを解決したいなら弁護士、早く現金化したいなら買取業者が候補になります。

不動産会社は借地権売却の窓口として売却活動を進める

不動産会社は、査定から売買契約の締結までの全般業務を行います。

手続きの段階 対応内容
査定 借地権の売却価格の目安を算出する
売却活動 買主の募集・価格交渉のサポート
契約手続き 売買契約書の作成・締結
引き渡し 権利移転の手続き全般

ただし借地権対応の経験の有無は、会社によって大きく異なるため注意が必要です。

国土交通省の「2024 年土地保有・動態調査(2023 年取引分)調査結果の概要」によると、年間の不動産登記は約152万件(2023年)ありますが、その大半は所有権移転です。

借地権売却は土地ではなく「権利の譲渡」であり、一般の不動産市場では少数の取引にとどまります。

経験の少ない会社に依頼した場合、地主への説明タイミングや承諾手続きの進め方を誤り、売却が長期化するリスクがあります。

査定時に以下のチェックリストを用い、借地権の売却実績を確認してください。

借地権売却の実績はありますか?
地主承諾の交渉経験はありますか?
承諾料の相場を説明できますか?
借地契約書の確認ポイントを説明できますか?
第三者売却と買取の両方を比較できますか?
地主への売却も選択肢として提案できますか?
弁護士や司法書士と連携できますか?
売却価格だけでなく手残り額まで試算できますか?
注意
借地権売却では、不動産会社の知名度よりも、借地権取引への対応経験が重要です。

相談時には、過去の借地権売却事例や地主交渉の進め方を具体的に確認しましょう。

借地権専門会社は地主交渉や借地権取引に強い

借地権専門会社は、地主交渉や借地権取引に強みがあります。

項目 一般不動産会社 借地権専門会社
地主交渉 対応可能だが経験に差あり 交渉経験が豊富
借地権取引件数 年間数件程度が多い 借地権を専門に多数扱う
買主ネットワーク 一般市場が中心 投資家・底地権者とのつながりあり

承諾料の交渉実績を多数持つため、地主との交渉でも相場をもとに根拠のある条件提示が可能です。

確認項目 見るべきポイント
借地権売却の実績 年間取扱件数と具体的な成約事例
地主交渉の対応範囲 承諾取得・条件調整・代理交渉の可否
承諾料交渉の経験 過去の交渉実績と交渉の進め方
底地権者や投資家への
売却ルート
一般市場以外の買主候補への提案力
買取対応の有無 自社買取が可能かどうか
査定額の根拠 算出方法と前提条件の説明力
弁護士や司法書士との連携 法的問題が発生した場合の対応体制
売却後の手残り額 承諾料・手数料・税金を差し引いた最終手取り

借地権専門会社は、一般的な不動産会社よりも借地権の扱いに慣れている一方で、会社ごとに対応範囲や得意分野が異なります。

地主交渉まで対応できるのか、買取も可能なのか、第三者売却に強いのかを確認したうえで依頼先を決めましょう。

借地権専門会社が向いている場合

  • 承諾料の条件交渉が難航している場合
  • 地主との関係が複雑で一般会社では対応が難しい場合
  • 投資家・底地権者への売却を検討している場合

不動産買取業者はスピード重視の売却に向いている

不動産買取業者は、早ければ数週間〜1か月程度で売却が完了できます。

項目 仲介売却 買取
売却価格の目安 市場価格(高くなりやすい) 市場価格の70〜80%程度
売却期間の目安 平均3〜6か月 数週間〜1か月程度
買主 一般市場で募集 業者が直接購入

仲介売却では平均3〜6か月かかるのに対し、業者が直接購入するため期間を大幅に短縮できる点が特徴です。

不動産買取業者が向いている場合

  • 相続などで早急に現金化が必要な場合
  • 売却期間をできるだけ短くしたい場合
  • 手続きをシンプルにまとめたい場合

買取業者は早期売却に向いていますが、買取価格は仲介価格の70〜80%程度になる傾向があります

早く売れることだけで判断せず、承諾料、手数料、税金を差し引いた売却後の手残り額を比較しましょう。

確認項目 確認する理由
買取価格 手残り額を算出するための基準になる
仲介売却した場合の想定価格 買取と仲介の価格差を比較できる
売却完了までの期間 希望する時期に間に合うか確認できる
地主承諾への対応範囲 買取業者側で承諾交渉を進められるか分かる
残置物や建物状態への対応 追加費用の有無を事前に把握できる
手数料の有無 買取の場合は仲介手数料が不要な場合がある
最終手残り額 実際に手元に残る金額を正確に把握できる

弁護士は承諾拒否や契約トラブルなど法的問題に対応する

法的問題が生じた場合は交渉・調停・裁判にも対応できる弁護士への相談が最適です。

ケース 相談先
地主が正当な理由なく
承諾を拒否している
弁護士(借地非訟の申立て)
契約内容の解釈をめぐる
トラブル
弁護士
地主との関係が良好な
通常売却
不動産会社

弁護士は法的問題の解決が役割で、売却仲介は行いません。

交渉・調停で解決した場合は不動産会社と連携して売却活動を進めましょう。

弁護士へ相談するときは、以下のチェックリストを用いて資料や情報を整理しておくとスムーズです。

借地契約書を用意した
地主との交渉経緯を整理した
地主が承諾しない理由を把握している
承諾料の提示額を確認している
地代や更新料の未払いがないか確認した
売却予定価格や買主候補の情報を整理した
借地非訟を検討すべきか確認したい内容をまとめた

借地権売却のおすすめの相談先は状況によって変わる

借地権売却の相談先の選び方は、「地主との関係」「売却スピード」「法的問題の有無」など状況によって変わります。

状況 最初に相談すべき先 理由 次に確認すること
地主との関係が良好 不動産会社 通常の売却活動で対応できる 借地権売却の実績があるか確認する
地主承諾の見込みがある 不動産会社 査定と売却活動を並行して進められる 承諾料の相場と手残り額を試算する
承諾料で揉めている 借地権専門会社 承諾料交渉の実績と相場感がある 交渉実績と対応範囲を確認する
地主が売却を拒否している 弁護士 借地非訟など法的手続きの判断ができる 法的整理後の売却活動を誰と進めるか決める
早く現金化したい 買取業者 数週間〜1か月で売却完了が可能 仲介査定との価格差と手残り額を比較する
できるだけ高く売りたい 借地権専門会社 投資家・底地権者への売却ルートがある 複数社の査定額と売却方法を比較する
相続した借地権を整理したい 不動産会社 売却・保有・返還の選択肢を整理できる 相続登記の状況と借地契約の残存期間を確認する
通常の不動産会社に断られた 借地権専門会社 借地権取引を専門に扱っている 買取対応の可否と査定額の根拠を確認する
借地契約の内容で揉めている 弁護士 契約内容の法的解釈と交渉を代理できる 法的整理と売却活動の役割分担を決める

複数の要素が重なっている場合は、1つの相談先だけでなく、不動産会社と弁護士、借地権専門会社と司法書士など、連携できる体制を選ぶことが重要です。

地主との関係が良好なら不動産会社に相談

地主が売却に好意的で承諾の見込みがある場合、不動産会社へ相談しましょう。

地主との関係 おすすめ相談先
良好(承諾の見込みあり) 不動産会社
条件交渉が必要 借地権専門会社
紛争・承諾拒否あり 弁護士

地主との関係が良好であれば、承諾取得はスムーズに進むことが多いです。

ただし、口頭で前向きな姿勢を見せていても、実際の売却では承諾料や名義変更条件を文書で確認する必要があります。

相談時には、地主承諾の取り方や承諾書の準備までサポートできる会社かを確認して選ぶことが重要です。

不動産会社への相談が向いている人

  • 地主から売却の内諾を得られている
  • 承諾料の条件で大きな争いがない

地主との条件交渉が必要なら借地権専門会社に相談

承諾料の金額、地代の改定、更新料、建替え承諾などの条件交渉が必要な場合は、借地権専門会社への相談が向いています。

借地権売却では、地主との条件調整が売却価格や買主の見つかりやすさに直結します。借地権専門会社は交渉実績が豊富なため、条件面での対応力に差が出やすいです。

項目 一般不動産会社 借地権専門会社
承諾料の相場把握 △ 会社によって差あり ◎ 相場感を持った交渉が可能
地主交渉の経験 △ 経験に差あり ◎ 豊富な交渉実績

借地借家法第19条により、借地権を第三者に譲渡する際は地主の書面による承諾が必要です。

地主が最初に提示する承諾料は相場より高い可能性があります。

交渉経験のない会社が対応すると最初の提示額をそのまま受け入れるリスクがある点は注意が必要です。

借地権専門会社への相談が向いている人

  • 承諾料の金額で地主と折り合いがつかない
  • 過去に地代トラブルがあり地主との関係が複雑
  • 売却条件全般の交渉で専門的なサポートが必要

地主とトラブルになっているなら弁護士に相談

承諾拒否、契約解除、地代増額、更新拒否などの法的な争いがある場合は、先に弁護士へ相談してください。

地主とすでにトラブルになっている場合、不動産会社が無理に交渉を進めると関係がさらに悪化する可能性があります。

ケース 相談先
地主が正当な理由なく
承諾を拒否している
弁護士(借地非訟の申立て)
契約内容の解釈をめぐる
トラブル
弁護士
地主との関係が良好な
通常売却
不動産会社

売却承諾を地主が一方的に拒否した場合では、裁判所を利用した申立てが可能かを弁護士が判断できます。

地主とのトラブルが法的問題に発展した場合、弁護士のみが正式な代理人として、地主との法的交渉・調停・裁判を担うことが可能です。

弁護士へ相談したからといって必ず裁判になるわけではなく、交渉や調停によって解決できるケースも少なくありません。

弁護士へ相談して法的な整理ができた後に、不動産会社や借地権専門会社と連携して売却活動を進める流れが安全です。

早く売却したいなら買取業者も選択肢

急いで現金化したい場合は、買取業者への相談も有効な選択肢です。

項目 仲介売却 買取
売却価格の目安 市場価格(高くなりやすい) 市場価格の70〜80%程度
売却期間の目安 平均3〜6か月 数週間〜1か月程度

仲介売却の平均販売期間は3〜6か月程度ですが、買取業者は社内審査で購入可否を決定するため、数週間〜1か月程度で売却が完了する場合もあります。

ただし、借地権の買取では市場価格の70〜80%程度になる傾向があり、通常の仲介売却より価格が低くなるため、スピードと価格のどちらを優先するかを整理することが重要です。

買取業者を選ぶ場合も、借地権の買取実績や地主承諾への対応範囲を確認しましょう。

  • 仲介査定を複数社に依頼し、相場価格を把握してから比較する
  • 価格よりも売却スピードを優先すべき状況かを確認する

借地権売却に強い不動産一括査定おすすめ3選

借地権売却では、査定額や売却方法の提案内容を比較するために、最低2〜3社へ査定を依頼することが大切です。

一括査定サービスを利用すれば、一度の入力で複数社へ査定を依頼できますが、サービスによっては借地権に対応していない場合もあるため、対応可否を確認して選びましょう。

借地権売却におすすめの一括査定サービスは以下の3サービスです。

比較項目 すまいステップ すまいValue HOME4U
サービスの特徴 優良企業のみを厳選。担当者の質を重視。 超大手6社への直接依頼。権利調整のプロ集団。 NTTデータ運営。審査が厳しく、老舗・実力店が多い。
提携会社数 全国2,000社以上 超大手6社 約2,500社
対応エリア 全国 全国 全国
借地権対応の有無
同時売却の調整
地主交渉サポート
向いている人 地主交渉を経験豊富な営業担当者に任せたい人 相続が絡む「複雑な借地権」を抱えている人 相談先がわからない地方物件や古い家の人

査定額が高くても、地主承諾や承諾料交渉に対応できるとは限りません。実績・交渉経験・手残り額の説明があるかを合わせて確認しましょう。

すまいステップ|借地権売却に強い担当者で安心

すまいステップ
項目 内容
サービス名 すまいステップ
運営会社 株式会社Speee
サービス内容 厳選された優良不動産会社・担当者に限定した不動産一括査定サイト
利用料金 完全無料
提携会社数 全国2,000社以上
対応物件 マンション、一戸建て、土地、ビル、店舗、倉庫など
所要時間 最短60秒(Webフォーム入力)
比較可能数 最大4社
対応エリア 全国
公式HP https://sumai-step.com/
特徴 所有権移転率No.1:査定後の実売却に至った割合で1位を獲得
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スピード成約:業界平均より約1か月早い売却スピードの実績

すまいステップは、一定の実績基準を満たした、質の高い担当者のみを紹介する不動産一括査定サイトです。

査定担当者に「宅建士保有」「売買仲介実績100件以上」などの独自基準を設け、不動産比較サイト調査(参考:すまいステップ 公式サイト)では所有権移転率で第1位を獲得しています。

また、評価の低い会社を排除する『イエローカード制度』や、税制・売却相場を解説した専門家監修の記事が提供されているのも特徴です。

すまいステップの強みや選ばれる理由

  • 成約につながる高精度の査定価格の提示が可能
  • 売買経験5年以上エース級のプロからアドバイスを受けられる
  • 強引な勧誘を防ぐ制度があるので安心して利用できる
  • 査定から所有権移転までの平均日数が約106日と短期間での成約率が高い

すまいステップがおすすめな人

すまいステップは地主との交渉を経験豊富な営業担当者に任せたい人におすすめです。

「売買経験5年以上」「累計100件以上の実績」などの基準を満たした担当者のみが紹介されるので、複雑な権利関係の調整にも対応しやすいのが特徴です。

またコンプライアンスを重視した会社が選ばれているため、地主との関係を壊さない丁寧な対応を求める方にも適しています。

すまいValue|大手6社運営で初めての借地権売却も安心

すまいValue
項目 内容
サービス名 すまいValue(すまいバリュー)
運営会社 大手不動産会社6社の共同運営
三井のリハウス、住友不動産販売、東急リバブル、野村の仲介+、小田急不動産、三菱地所ハウスネット
サービス内容 大手6社にまとめて査定依頼できる不動産一括査定サイト
利用料金 完全無料
提携会社数 6社
対応物件 マンション、一戸建て、土地など
所要時間 最短60秒(Webフォーム入力)
比較可能数 最大6社
対応エリア 全国対応(全国835店舗 ※2024年度時点)
公式HP https://sumai-value.jp/
特徴 トラブルなく取引できたと回答したユーザーは95.5%
成約件数は年間11万件以上(2024年度実績)
71.3%が3か月以内に成約
FP相談や相続支援などの付帯サービスがある
参考:すまいValue 公式サイト

すまいValueは、大手不動産仲介会社6社が共同で運営している一括査定サービスです。

借地権売却では地主との交渉や権利関係の整理が必要になるケースもありますが、大手仲介会社へ直接査定を依頼できるため、複雑な案件でも相談しやすいのが特徴です。

自社のユーザーアンケートでは、95.5%が「トラブルなく安心して取引できた」と回答しており、大手仲介会社に直接依頼できる安心感が評価されています。

またFPや税理士による相談会や不動産知識を解説した「すまいValueマガジン」などのサポートも充実しています。

すまいValueの強みや選ばれる理由

  • サイト自体を不動産仲介のトップ企業6社が共同で運営している
  • 膨大な成約データに基づいた「精度の高い査定」で早期売却の可能性が高い
  • 大手各社が独自に提供する売却サポートメニューがそのまま適用される
  • 利用者アンケートでの信頼度95.5%(参考:すまいValue 公式サイト

すまいValueがおすすめな人

すまいValueは地主との交渉に不安がありつつ、高値売却を目指す方におすすめのサービスです。

すまいValueを運営する6社はいずれも大手不動産会社で、組織力や法務体制が整っています。

個人の不動産会社では対応が難しい「気難しい地主」や「寺社・法人」との交渉も円満な合意ができる可能性が高いです。

HOME4U|借地権に強い専門会社とのマッチング力

HOME4U
項目 内容
サービス名 HOME4U(ホームフォーユー)
運営会社 株式会社NTTデータ・スマートソーシング(NTTデータグループ)
サービス内容 不動産一括査定サービス
利用料金 完全無料
提携会社数 約2,500社
対応物件 マンション、一戸建て、土地など
所要時間 最短60秒(Webフォーム入力)
比較可能数 最大6社
対応エリア 全国対応
公式HP https://www.home4u.jp/sell/
特徴 2001年から運営されている不動産一括査定サイト
NTTデータグループ運営で情報管理体制に強みがある
抵当権付き物件の相談実績もある
大手から地域密着型まで幅広い不動産会社と提携している

HOME4U(ホームフォーユー)は、マンション・戸建て・土地の売却に対応した不動産一括査定サービスです。

全国の不動産会社と提携しているため、借地権売却に対応できる会社を効率よく探せます。

2001年にサービスを開始した日本初の不動産一括査定サービスで、20年以上の運営実績を持つ信頼性の高いサービスです。

HOME4Uの強みや選ばれる理由

  • NTTデータグループ運営、Pマーク取得の信頼性
  • 業界初(2001年〜)の業界最長実績
  • 悪質な不動産業者を排除するパトロール制度
  • 宅地建物取引士などの専門スタッフがサポート

HOME4Uがおすすめな人

HOME4Uは、どの不動産会社に相談すべきかわからない初心者にこそおすすめのサービスです。

提携先の質が高く、借地権の取扱実績がある会社と効率よくマッチングできます。

大手だけでなく地域密着型の優良企業とも提携しているため、エリア特性が強い借地権でも対応可能です。

借地権に強い不動産会社の見分け方

借地権に強い不動産会社を見分けるには実績・経験・ネットワークの有無を確認しましょう。

確認ポイント 確認方法(査定時の質問例) なぜ重要か
借地権売却の実績 「年間何件扱っていますか」 経験の有無が対応力に直結する
地主交渉の経験 「承諾料交渉の実績はありますか」 承諾取得の成否が売却を左右する
投資家・底地権者ネットワーク 「借地権専門の買主ルートはありますか」 一般市場より売却の選択肢が広がる

3つのポイントを確認すれば、借地権の対応力がある会社かどうかを見極めやすくなります。

借地権の売却実績がある会社を選ぶ

借地権売却の実績がある会社は、取引特有の手続きに慣れており、スムーズな対応が期待できます。

項目 通常の不動産売却 借地権売却
取引相手 一般買主 地主・投資家・底地権者など
地主への手続き 不要 承諾取得・承諾料の調整が必要
契約条件の複雑さ 比較的シンプル 借地契約の内容確認が必須

借地権売却には地主承諾の取得・承諾料の調整・契約条件の確認など、通常の土地売却にない手続きが発生します。

市場に流通する借地権付き物件の割合は限定的で取引数が少ないため、取引経験がある不動産会社は多くありません。(参考:国土交通省「2024 年土地保有・動態調査(2023 年取引分)調査結果の概要」)

そのため、単に不動産売却の実績があるだけでなく、借地権売却の実績がある会社を選ぶことが重要です。

相談時の確認ポイント

  • 「借地権の売却実績は年間何件ですか」と件数を確認する
  • 「借地権専門の部署や担当者はいますか」と体制を確認する
  • 具体的な成約事例を説明できるかを確認する

地主との交渉経験がある会社を選ぶ

地主との交渉経験が豊富な不動産会社を選べば、承諾取得や条件調整がスムーズになります。

地主へのアプローチでは方法やタイミングが重要になるため、交渉実績のある会社に相談することで売却成功の可能性を高められます。

交渉項目 内容
売却承諾 地主に売却の許可を得る。地主の性格・関係に応じた進め方が必要
承諾料 売却時に発生する費用の調整。相場感がないと不当な条件を受け入れる恐れがある(目安:売却価格の10〜15%)
名義書換料 借地権売却時に地主へ支払う費用。見落とすと想定外のコストが発生する

特に承諾料は売却価格の10〜15%程度が目安とされていますが、地主によっては20%以上を求められるケースもあります。

そのため、相場を踏まえて交渉できる不動産会社に相談することが大切です。

相談時の確認ポイント

  • 「承諾料の交渉実績はありますか」と具体的な経験を確認する
  • 「地主との交渉でトラブルになった場合の対応方法は何ですか」と確認する
  • 名義書換料など見落としやすい費用への対応経験を確認する

底地権者や投資家とのネットワークがある会社を選ぶ

投資家・底地権者へのネットワークを持つ不動産会社を選ぶのもポイントです。

買主タイプ 目的 会社のネットワークが必要な理由
一般買主 住宅購入 一般市場で探せる
底地権者(地主) 土地権利の一元化 直接交渉が必要なケースあり
不動産投資家 収益目的 専門的な売却ルートが必要

借地権付き物件は、金融機関によっては融資を制限する場合があります。

融資が制限されると一般の買主がつきにくいため、投資家や地主とのネットワークがある不動産会社が頼りになります。

投資家・底地権者への独自ルートを持つ会社は複数の候補先へ同時に打診が可能です。

一般市場以外のネットワークがある不動産会社を選びましょう。

借地権売却の相談で失敗しやすいケース

借地権売却の相談では、相談先の選定ミスや順序を間違えると失敗する可能性があります。

失敗ケース 起こる問題 避ける方法
借地権経験のない不動産会社に
相談する
手続きの遅延・地主との関係悪化 借地権の年間取扱件数と地主交渉の経験を複数社で比較する
地主への交渉前に話を進めて
しまう
買主決定後に契約が白紙になる 売却活動と並行して地主承諾の見込みを早めに確認する
相場を知らずに買取を選ぶ 適正価格より大幅に低い価格で売却する 仲介査定を複数社に依頼し、買取価格と比較してから判断する

特に、地主承諾や承諾料の確認を後回しにすると、買主が見つかった後に取引が進まなくなることがあります。

早い段階で借地権に詳しい会社へ相談し、必要に応じて弁護士や司法書士とも連携しましょう。

借地権経験のない不動産会社に相談する

借地権取引の経験が少ない会社への相談は、手続きの遅延や地主との関係悪化につながるリスクがあります。

借地権の取引では、地主に支払う承諾料(名義書換料)などの交渉が不可欠です。

承諾料は法的な決まりがないため、経験の少ない担当者が無理な交渉をすると、交渉が決裂する可能性があります。

地主への打診は伝え方・タイミング・順序が承諾取得の成否を左右します。

借地権経験の有無を複数社で確認、比較してください。

  • 査定時に「借地権の年間取扱件数」を複数社で比較する
  • 「借地権専門の担当者がいるか」を合わせて確認する
  • 「重要事項説明書に借地権の記載実績があるか」を確認する
注意

査定額が高くても、実際に売却できるとは限らないため、借地権の対応実績を確認しましょう。

地主への交渉前に話を進めてしまう

地主への交渉前に話を進めると、買主の決定後に契約が白紙になる可能性があります。

民法第612条により、借地権を第三者に譲渡する際は地主の承諾が必要と定められています。

賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
引用:民法第612条

地主の承諾を得ずに売買契約を締結した場合、地主は契約の無効化が可能です。

買主が住宅ローンの審査を通過した後に契約が白紙になると、買主・売主の双方に実損が発生するため注意が必要です。

契約が無効になると、売主は買主に対して違約金を払う義務が生じます。

地主への確認は以下の順序に従い、売却活動と並行して早めに着手してください。

  • Step1:不動産会社に相談して売却方針を固める
  • Step2:地主へ売却の意向を確認・承諾の見込みをつかむ
  • Step3:承諾の目途が立った段階で売却活動を開始する

相場を知らずに買取を選ぶ

市場相場を確認せずに買取を選ぶと、適正価格より低い価格で売却してしまう恐れがあります。

宅地建物取引業法第43条により、宅建業者が自ら買主となる買取取引では売買価格に上限規制がありません。

買取業者は転売利益を確保するため、買取価格は市場価格の70〜80%程度が目安です。

たとえば市場価格3,000万円の借地権を買取で売ると2,100〜2,400万円程度となり、仲介売却と比較すると600〜900万円の差が生じます。

以下の手順で事前に複数社での査定を受け、比較してください。

  • Step1:仲介査定を複数社に依頼して相場を把握する
  • Step2:買取価格と仲介査定額を比較する
  • Step3:売却価格と売却スピードのどちらを優先するかを判断する

借地権売却を相談する適切なタイミング

借地権売却を相談するタイミングは早いほど、得られるメリットは大きいです。

タイミング 相談先 得られるメリット
売却を検討し始めた段階 不動産会社 売却方法や価格の見込みを早期に把握できる
地主への打診前 不動産会社・借地権専門会社 承諾料の相場や交渉の進め方を事前に整理できる
相続直後 不動産会社・弁護士 契約内容や残存期間を確認し、対応方針を早めに固められる

売却活動を始めてから相談するよりも、売却を検討し始めた段階や地主へ話す前に相談する方がスムーズに進められます。

売却を検討し始めた段階で相談すると方針を決めやすい

売却の検討段階で相談すると、売却の可否や価格の目安などがわかり、自分に合った売却方法を選びやすくなります。

売却方法によって、売却価格・売却期間・手続きの流れは異なります。

売却方法 特徴
地主への売却 地主が直接買主になる。承諾交渉が不要で成立しやすいが価格は低くなりやすい
仲介売却 市場で買主を探す。価格は高くなりやすいが期間がかかる
買取 業者が直接購入。早期売却が可能だが価格は市場の70〜80%程度

どれが適しているかは、地主との関係や希望する売却価格、売却を急ぐ必要があるかによって異なるため、状況に合わせて判断してください。

売却を検討し始めた段階で相談すれば、それぞれのメリット・デメリットを比較しながら、余裕を持って検討できます。

相談は売却を強制するものではないので、情報収集の場として気軽に活用しましょう。

相談でわかること

  • 借地権の売却可能性と価格の目安
  • 仲介・買取それぞれのメリット・デメリット
  • 地主との交渉が必要かどうかの判断基準

地主へ売却の話をする前に相談すると交渉を進めやすい

地主への打診前に専門家へ相談しておくと、交渉を有利に進められる可能性が高いです。

借地権売却では地主との間で「売却承諾・承諾料・契約条件の調整」という3つの交渉が発生します。

交渉項目 内容
売却承諾 地主の許可。承諾を得やすい交渉の進め方を事前に確認しておく
承諾料 売却時の費用。相場・適正金額の判断基準を把握してから交渉する(目安:売却価格の10〜15%)
契約条件の調整 契約内容の確認・整理。見落としやすい条件を事前にチェックする

承諾料の金額は借地借家法に規定がなく、当事者間の交渉で決まります(参考:民法第612条)。

相場は売却価格の約10%が目安ですが、地主によっては20%以上を要求する場合もあり注意が必要です。

地主へいきなり売却の話をすると、承諾料や売却条件の話が感情的にこじれる場合があります。

事前に不動産会社や借地権専門会社へ相談し、売却価格、承諾料、買主候補、契約条件を整理してから話す方が交渉しやすいでしょう。

事前相談のメリット

  • 承諾料の適正相場を把握してから交渉に臨める
  • 地主への伝え方・順序を専門家からアドバイスしてもらえる

相続した借地権は早めに相談すると整理しやすい

相続で取得した借地権は、早めに専門家へ相談しましょう。

相続税の納付期限は相続開始から10か月以内と定められているため、期限から逆算して早めに動く必要があります。(参考:相続税法第27条

相続した借地権の対応方法は「売却・継続利用・地主への返還」の3つがあります。

対応方法 内容
売却 借地権を売却して現金化する。利用予定がなく整理したい場合に向く
継続利用 引き続き土地を利用する。建物に住む予定がある場合に向く
地主へ返還 無償で返す(原状回復が必要な場合あり)。売却が難しく維持コストが負担な場合に向く

どの方法を選ぶかは、借地契約の残存期間・建物の利用予定・維持コストの負担感によって判断してください。

また、相続した借地権は、相続登記、建物名義、地代の支払い、地主との関係性を整理する必要があります。

相続人が複数いる場合は、売却方針や分配方法で揉める可能性もあるため、早めに相談して、現実的な選択肢を定めましょう。

事前に確認しておくポイント

  • 借地契約書の内容と残存契約期間
  • 地代・更新料など現在の契約条件
  • 地主との関係性や過去の交渉状況

借地権売却の相談から売却までの流れ

フロー図:相談 → 査定 → 地主承諾確認 → 売却活動 → 売買契約 → 引渡し借地権売却は通常の不動産売却と基本的な流れは似ていますが、地主承諾の取得というステップが必要です。

STEP やること 主な相談先 確認すること
STEP1 不動産会社へ相談して査定を受ける 不動産会社 借地権の売却実績と査定額の根拠
STEP2 借地契約書と地主承諾条件を確認する 不動産会社・借地権専門会社 残存期間・譲渡制限・承諾条件
STEP3 地主の承諾条件を確認して調整する 不動産会社・借地権専門会社・弁護士 承諾料の金額・名義書換料・契約引き継ぎ条件
STEP4 売却方法を決める 不動産会社・借地権専門会社 仲介・買取の条件比較と手残り額
STEP5 買主募集または買取交渉を行う 不動産会社 買主候補への条件説明・借地契約内容の開示
STEP6 売買契約を締結する 不動産会社・司法書士 契約内容・特約事項・地主への通知
STEP7 名義変更・決済・引き渡しを行う 不動産会社・司法書士 残代金受領・権利移転登記・物件引き渡し

借地権売却特有のポイント

  • 地主承諾が必要なケースがほとんどで、承諾取得が売却の成否を左右する
  • 承諾料(目安:売却価格の10〜15%)など通常売却にない費用が発生する場合がある
  • 買主が決まってから地主交渉を始めると白紙になるリスクがあるため、並行して進める

全体の流れを把握し、各ステップでやるべき行動を整理しましょう。

①不動産会社へ相談して査定を受ける

まずは借地権対応の経験がある不動産会社へ相談し、査定を受けます。

不動産会社から査定価格の根拠について説明を聞き、査定の段階で会社の対応力を見極めましょう。(参考:宅地建物取引業法第34条

確認項目 内容
売却価格の目安 査定額の根拠と算出方法を確認する
借地権の取扱実績 年間取扱件数と具体的な成約事例を確認する
地主交渉の対応方針 承諾取得の進め方と交渉経験を確認する
売却方法の提案 仲介・買取それぞれの条件を比較する

「年間取扱件数が少ない」「地主交渉の経験がない」と回答した会社では、承諾取得が遅れる可能性があります。

査定価格は売却価格の保証ではなく、あくまで目安です。

最低2〜3社に査定を依頼して、価格・実績・提案内容を比較してから依頼先を決めてください。

地権価格だけでなく、承諾料や売却諸費用を差し引いた手残り額まで確認するのがポイントです。

また、地主へ売却した場合、第三者へ売却した場合、買取を選んだ場合の違いも相談すると、売却方針を決めやすくなります。

②地主の承諾条件を確認して調整する

次に地主の承諾条件を確認し、調整します。

地主の承諾条件で確認すべき項目は「売却承諾の有無・承諾料の条件・名義書換料・契約条件の調整」の4点です。

確認項目 内容
売却承諾の有無 地主が売却を認めるかどうかを確認する
承諾料の条件 金額の目安(売却価格の10〜15%)と支払い方法を確認する
名義書換料 借地権売却時に地主へ支払う費用の有無を確認する
契約条件の調整 既存の借地契約内容と売却後の条件変更の有無を確認する

承諾料の金額は借地借家法に規定がなく、当事者間の交渉で決まります。

相場感のない状態で臨むと、不当な条件を受け入れるリスクがあるため注意が必要です。

わからない場合は専門家への相談を行い、事前準備をしたうえで地主との調整を進めてください。

③買主募集と売却活動を行う

地主の承諾が得られた後に、買主の募集・売却活動を開始します。

借地権付き物件は住宅ローンの担保評価が低くなるため、一般の住宅購入者より投資家や底地権者が買主になるケースが多いです。

買主タイプ 購入目的
一般買主 住宅購入(居住目的)
底地権者(地主) 土地権利の一元化
不動産投資家 収益物件としての取得

底地権者に借地権を買い取ってもらう場合、土地の権利が一元化されるため地主側にもメリットが生まれ、交渉がまとまりやすくなります。

ただし、買主が借地条件を不安視すると価格交渉や購入見送りにつながるため、借地契約の内容、地代、契約期間、更新条件、建替えや増改築の可否を説明できる状態にしておきましょう。

借地権売買に強い不動産会社に相談することで、売却期間を短縮できるため活用してください。

④売買契約を締結して引き渡しを行う

買主が決まったら売買契約を締結し、残代金受領と同時に借地権の引き渡しを行います。

通常の不動産売却と異なり、借地権売却では「売買契約の締結・地主への通知・残代金の受領・権利移転と引き渡し」という4つの手続きが順番に発生します。

手続き 内容
売買契約の締結 売却価格・引き渡し日・特約事項を確定し契約を締結する
地主への通知 売買契約締結後に地主へ正式に通知する(必要に応じて)
残代金の受領 引き渡し日に残代金を受領する
権利移転・引き渡し 借地権の名義変更と物件の引き渡しを行う

もし地主への通知を怠ると、のちに契約の効力をめぐるトラブルに発展する場合があります。

売買契約前には、地主承諾、承諾料の支払い、名義変更、建物所有権移転登記の流れを確認してください。

買主や金融機関から承諾書や契約条件の確認を求められる場合もあるため、専門家に確認してもらいながら、4つの手続きを確実に進めましょう。

借地権売却を相談する前に確認しておくべきこと

借地権売却を相談する際は、契約期間や条件、過去の交渉内容を確認しておくことが重要です。

確認項目 具体的に確認すること なぜ必要か
借地契約書・契約期間 残存期間・更新条件・譲渡に関する記載 売却可否・価格・手続きに影響する
地代・更新料 月額地代・更新料の有無と金額 査定額や地主交渉の判断材料になる
地主との関係 過去の交渉内容・トラブルの有無 適切な交渉戦略の立案に必要
借地契約書を確認した
契約期間と更新時期を確認した
地代や更新料の支払い状況を確認した
地主との関係性を整理した
過去の交渉やトラブルの有無を確認した
建物登記の名義を確認した
建物の状態や修繕履歴を確認した
借地権の売却希望時期を整理した
地主へ売りたいのか、第三者へ売りたいのか整理した
早く売りたいのか、高く売りたいのか優先順位を決めた

相談前にすべての資料がそろっていなくても相談はできます。

ただし、借地契約書、地代の支払い状況、地主との関係性、売却希望時期などを押さえておくと、相談先から具体的な提案を受けやすくなります。

借地契約書と契約期間を確認する

専門家の相談前に、借地契約書を用意し契約期間を確認しておきましょう。

借地契約書には、売却可否・承諾条件・残存期間など査定に直結する情報が記載されています。

確認項目 確認内容
残存契約期間 契約の残り年数と更新条件の記載内容
譲渡に関する記載 借地権の売却・譲渡を制限する条項の有無
承諾条件 地主の承諾が必要かどうかの記載内容
名義変更料 借地権売却時に地主へ支払う費用の有無と条件
更新料 更新時の費用と次回更新時期
建替え・増改築の制限 建替えや増改築に関する制限条項の有無

残存契約期間が10年以上ある場合は、長期ローンを組める可能性があり買主が見つかりやすいです。

一方、残存契約期間が残り少ない場合、買主が購入を慎重に判断する可能性もあるため、更新時期もあわせて確認してください。

地代や更新料など契約条件を整理する

借地権売却では契約条件が売却価格の算定材料になるため、事前に整理しましょう。

なかでも「地代・更新料・名義書換料」の3項目は、査定価格と地主交渉の両方に影響します。

項目 確認内容
地代 月額・支払い方法・直近の改定時期
更新料 金額の有無・前回更新時の実績
名義書換料 借地権売却時に地主へ支払う費用の有無

地代や更新料は買主にとって購入後の負担となるため、地代が相場より高い場合や更新時期が近い場合、未払いがある場合は、売却価格や買主の判断に影響することがあります。

一方で、地代が周辺相場より著しく低い場合は、地主から売却のタイミングで値上げ請求リスクがあります。

地代・更新料・承諾料の見込みを事前に整理しておくと、査定時の手残り額も正確に把握しやすくなるでしょう。

地主との関係や過去の交渉状況を把握する

地主との関係や交渉状況は相談前に把握しておいてください。

地主との関係は「良好・条件交渉が必要・トラブルあり」の3パターンに分かれ、それぞれ最適な相談先が異なります。

地主との関係 おすすめの相談先
良好(承諾の見込みあり) 不動産会社
条件交渉が必要 借地権専門会社
トラブルあり・承諾拒否 弁護士

過去に地代改定、更新、建替え、修繕、増改築などで揉めたことがある場合は、相談時に経緯を共有することで専門家が適切な対応策を提案しやすくなります。

交渉履歴を隠すと、売却途中でトラブルが再燃する可能性があるため注意が必要です。

整理しておくこと

  • 地主との直近の連絡時期と関係の状態をメモにまとめる
  • 過去の交渉(地代値上げ・更新・修繕など)の経緯と結果を記録する
  • 承諾料の交渉実績や口頭での約束事がある場合は内容を整理する

借地権売却の相談でよくあるQ&A

借地権売却は、地主・借地人・買主の三者が関係する取引です。
借地権売却の基本構造図

通常の不動産売却と異なり、地主の承諾取得・承諾料の交渉・契約条件の確認など、確認すべき事項は多岐にわたります。

以下ではよくある疑問をまとめましたので、相談前の整理にお役立てください。

借地権売却は何から始める?

まず借地契約書を確認し、複数の借地権対応の不動産会社へ査定相談を申し込みましょう。

  1. 借地契約書・契約条件を確認する
  2. 複数の不動産会社または一括査定で相場を把握する(最低2〜3社)
  3. 状況に合った相談先(不動産会社・専門会社・弁護士)を選定する
  4. 地主へ打診する前に専門家のアドバイスを受ける

「まだ売るか決めていない」段階でも相談は可能です。

手元に借地契約書を準備し、一括査定で相場を把握するところから始めてください。

借地権売却の相談が無料でできるところはある?

不動産会社・借地権専門会社への査定相談は、ほぼ無料で対応しています。

宅地建物取引業法上、査定は媒介契約締結前の無償サービスとして提供されています。

相談先 費用の目安
不動産会社(査定・相談) 無料(例外あり)
借地権専門会社(査定・相談) 無料(例外あり)
弁護士(法律相談) 30分5,000〜1万円程度(初回無料もあり)

一括査定サービスを利用すると複数社への相談を一度にまとめて申し込めます。

一方、弁護士への法律相談は30分5,000〜1万円程度が目安です。

事前に費用を確認してから予約してください。

借地権は地主の承諾なしで売却できる?

原則として地主の承諾が必要です。

民法第612条により、借地権(賃借権)を第三者に譲渡する際は地主の承諾が必要と定められています。

もし承諾を得ずに売却した場合、地主は賃貸借契約の解除が可能です。

ただし借地借家法第19条に基づき、地主が正当な理由なく承諾を拒む場合は裁判所が地主の承諾に代わる許可を与える制度があります。

契約書の内容を確認したうえで、売却を検討している場合は専門家へ相談しましょう。

借地権売却でよくあるトラブルは?

地主との承諾トラブル・承諾料の条件交渉・売却後の契約条件をめぐる問題があります。

借地権売却では三者(地主・借地人・買主)の利害が絡むため、通常の不動産売却より紛争が生じやすいです。

トラブルの種類 対処法
地主が売却承諾を拒否する 弁護士に相談し、借地非訟の申立てが可能かを確認する
承諾料の金額で折り合いが
つかない
借地権専門会社に相談し、相場をもとに交渉する
買主決定後に地主が承諾を
撤回する
地主承諾を書面で確認してから売却活動を開始する
契約条件の解釈をめぐる争い 売買契約前に専門家が契約内容を確認する

トラブルの種類によって対処法が異なります。

早めに不動産会社や専門会社、弁護士などへ相談することが重要です。

【トラブル防止のポイント】

  • 地主への打診は売却活動と並行して早めに行い、承諾は必ず書面で確認する
  • 承諾料など条件交渉が必要な場合は借地権専門会社への相談が有効
  • 契約内容の確認は専門家のサポートを受けながら進める

借地権売却は不動産会社と弁護士のどちらに相談すべきですか?

相談先は、地主との関係性や問題の内容によって変わります。

地主との関係が良好で通常の売却を進めたい場合は、不動産会社への相談が適しています。

一方、地主が承諾を拒否している、契約内容で争いがあるなど法的な問題がある場合は、弁護士への相談が必要です。

売却価格の査定や買主探しは不動産会社の役割、法的な交渉や借地非訟は弁護士の役割になります。

両方の要素がある場合は、弁護士で法的問題を整理してから不動産会社と連携して売却活動を進めましょう。

相続した借地権の売却は誰に相談すべきですか?

相続した借地権の売却は、まず不動産会社に相談して売却の可否と価格の目安を確認しましょう。

相続登記が済んでいない場合は司法書士への相談も必要です。また、相続人が複数いて分配方法で揉めている場合は弁護士への相談を検討してください。

相続税の納付期限は相続開始から10か月以内のため、期限から逆算して早めに動くことが重要です。

借地契約書の確認、地主への連絡、売却方針の決定を並行して進めましょう。

借地権売却は相談先で失敗しないためにも比較してから進めよう!|まとめ

借地権売却は相談先を間違えると売却が長期化し、契約が白紙になるリスクがあります。

状況に合った相談先を選ぶようにしましょう。

状況 おすすめ相談先
地主との関係が良好で承諾の
見込みあり
不動産会社
承諾料など条件交渉が必要 借地権専門会社
地主が承諾を拒否・契約
トラブルあり
弁護士
早期に現金化したい 不動産買取業者

借地権売却で避けるべき失敗は「借地権の取り扱い経験のない不動産会社に任せること」です。

借地権の取扱実績・地主交渉の経験・投資家ネットワークがある不動産会社を選びましょう。

査定は1社だけで判断すると、適正価格より低い査定を見抜けないまま売却が進むリスクがあります。

まずは一括査定で複数社の査定額と提案内容を比較するのが重要です。

一括査定をおすすめする理由

  • 複数社の査定額を比較することで、借地権の適正相場を把握できる
  • 借地権対応の経験がある会社かどうかを一度に確認できる
  • 査定は無料。売却を決めていない段階でも利用できる
  • 地主への打診前に売却方針を固める準備ができる

査定は無料です。売却を具体的に決める前の情報収集やご相談にご活用ください。