借地権売却の承諾料は、一般的に借地権価格の10%前後が目安とされています。

民法第612条では、借地権の譲渡には地主の承諾が必要と定められています。

賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
(引用:民法第612条

地主は「誰に貸すかを選ぶ権利」があり、第三者売却を認める代わりに承諾料の請求が可能です。

ただし、契約内容や土地条件によって承諾料の金額は変わります。

本記事では、承諾料の相場・計算方法・承諾料が高くなるケース・交渉のポイントなどを詳しく解説します。
この記事を読めば、提示された承諾料が妥当かどうか判断できるようになるでしょう。

Contents
  1. 借地権売却の承諾料の相場は借地権価格の10%前後
  2. 借地権売却で承諾料が必要な理由
  3. 借地権売却で承諾料がかからないケース
  4. 借地権売却で提示された承諾料が妥当か判断する3つの基準
  5. 借地権売却で承諾料を払うと手取りはいくら減る?
  6. 借地権売却で承諾料が高くなりやすいケース
  7. 借地権売却で承諾料を下げるための交渉方法
  8. 借地権売却で地主へ交渉する前に確認しておくこと
  9. 借地権売却の承諾料に関するQ&A
  10. 借地権売却の承諾料の相場は借地権価格の約10%|まずは見積で相場を把握しよう

借地権売却の承諾料の相場は借地権価格の10%前後

借地権売却時の承諾料の相場は、借地権価格の10%前後が目安です。

承諾料は法律で金額が定められておらず、地主との合意で金額は決まります。

そのため、契約内容や地域慣行によって変動するのが特徴です。

提示された金額が適正かどうかを判断するにも、借地権価格から概算を把握しましょう。

承諾料は借地権価格を基準に計算されることが多い

承諾料の計算基準は「借地権価格」です。

注意

借地権価格=更地価格×借地権割合

借地権価格とは、借地権を金銭的に評価した額を表しています。

借地権価格 承諾料の目安(10%)
500万円 約50万円
1,000万円 約100万円
1,500万円 約150万円
2,000万円 約200万円
3,000万円 約300万円

実際の承諾料は、地域の慣行や契約内容によって変動します。

借地権価格が高い土地ほど、承諾料の絶対額が大きくなる点に注意しましょう。

更地価格と借地権割合から借地権価格を算出して承諾料を計算する

承諾料計算フロー図

承諾料の概算は、「更地価格×借地権割合×10%」の計算式で求めます。

計算は2段階で、借地権価格を算出してから承諾料を導きます。

計算式 金額(例)
更地価格2,000万円 × 借地権割合60% 借地権価格:1,200万円
借地権価格1,200万円 × 10% 承諾料の目安:約120万円

更地価格は不動産会社への査定依頼で把握できます。

借地権割合は、国税庁の路線価図で確認が可能です。

記号 借地権割合
A 90%
B 80%
C 70%
D 60%
E 50%
F 40%
G 30%

都心部・商業地では80〜90%と高く、郊外では30〜60%が一般的です。

注意

承諾料の計算はあくまで概算です。
相続税路線価ではなく公示地価・実勢価格を使う倍率方式で算出する場合もあります。
正確な目安は不動産会社の査定で確認しましょう。

借地権売却で承諾料が必要な理由

借地権の売却で承諾料が発生するのは、借地権の譲渡に地主の承諾が必要だからです。

借地権は自由に売却できず、土地の利用者が変わるため承諾が欠かせません。

地主への承諾については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。

借地権を第三者へ売却すると土地の利用者が変わるため地主の承諾が必要になる

借地権を第三者に売却すると土地の利用者が変わるため、地主の承諾が必要です

借地権は土地そのものの所有権ではなく、土地を使用・収益する権利です。

借地人が変わると地主には「誰が」「どのように」土地を利用するのか、リスクが伴います。

土地の利用者新たな利用者を確認・承認するためにも、地主の承諾は必要です。

借地権は土地の所有権ではなく、土地を利用する権利
借地権の売却=土地を利用する人が変わる

地主の承諾を得ずに売却すると契約違反として契約解除になるおそれがある

地主の承諾なしに借地権を売却すると、契約違反として契約解除を求められるおそれがあります。

一般的な借地契約では、借地権の譲渡や名義変更に地主の承諾が必要と定めています(参考:民法第612条)。

どうしても承諾が得られない場合は借地権専門業社や専門家への相談がおすすめです。

承諾料は借地権の譲渡を地主に認めてもらうための費用として支払われる

承諾料は「借地権の譲渡を地主に認めてもらうため」に支払う費用です。

承諾料は売却代金でも仲介手数料でもない点には注意が必要です。

借地権の売却では借地人が売却益を得ますが、権利の基礎となる土地は地主のものです。

譲渡承諾料は「売却益の一部を地主に還元する慣習」で、借地売却時に発生する費用といえるでしょう。

借地権売却で承諾料がかからないケース

借地権売却でも、一定の条件を満たせば承諾料が発生しないケースがあります。

ケース 承諾料の扱い
地主が買い取る場合 原則不要
法定相続人への相続 不要(相続は譲渡でない)
推定相続人への生前譲渡 3%程度(通常より低い)
契約書に規定なし 不要になる可能性あり
地主との合意による 減額・免除の可能性あり

上記に当てはまる場合でも、承諾料がかかる場合があります。

契約書の内容や地主との関係によるため、事前に確認しましょう。

地主に借地権を買い取ってもらう場合は承諾料が不要なケースがある

地主が直接買い取る場合は、承諾料が発生しない場合があります。

第三者への譲渡は地主の承諾が必要ですが、地主が買主ならば承諾は不要です。

注意

・第三者へ売却→承諾が必要→承諾料が発生
・地主へ売却→承諾が不要→承諾料も不要

契約内容によっては譲渡承諾料の規定がない場合もある

契約書に承諾料の規定がない場合、支払い根拠がないと主張できる可能性があります。

一般的に借地契約書には「名義書換料」や「譲渡承諾料」に関する条項が記載されています。

ただし古い契約書や特定の内容では記載がないケースもあるため、売却を検討する前に借地契約書の内容を確認するのが重要です。

注意

条項がない場合でも、地主から承諾料を求められる場合もあります。
借地権に強い不動産会社や弁護士への相談を検討しましょう。

地主との合意により承諾料が免除されるケースもある

地主との合意によって承諾料が減額・免除されるケースがあります。

承諾料は法律で金額が定められた費用ではないためです。

地主との良好な関係性や買主への信頼が、交渉の成否を左右します。

あくまでも承諾料の免除は例外です。承諾料の発生を前提に売却計画を立てましょう。

借地権売却で提示された承諾料が妥当か判断する3つの基準

提示された承諾料の妥当性は、「相場」「手取り額」「追加条件」の3点で判断できます。

判断基準 確認ポイント
相場との比較 借地権価格の10%前後に収まっているか
手取り額の確認 承諾料後に十分な手取りが残るか
追加条件の有無 地代値上げ・条件変更が含まれていないか

承諾料は単独の数字だけでは適正かどうかが判断しにくいです。

相場・手取り額・追加条件を軸に整理し、提示額が妥当かを判断します。

3つのうち複数に問題がある場合は、交渉または売却条件の見直しを検討しましょう。

借地権価格の相場(10%前後)から大きく外れていないか確認する

承諾料が借地権価格の10%前後に収まっているかを確認しましょう。

承諾料に法律上の上限規定はありません。

東京地裁借地非訟部(民事第22部)の実務運用では、借地権価格の10%前後が判断の基準として用いられています(参考:東京地方裁判所「民事第22部(借地非訟)」)。

提示額がこの水準から大幅に外れている場合は、交渉の余地があるでしょう。

借地権価格 10%(目安) 15%(やや高め) 20%(要交渉)
500万円 約50万円 約75万円 約100万円
1,000万円 約100万円 約150万円 約200万円
2,000万円 約200万円 約300万円 約400万円
3,000万円 約300万円 約450万円 約600万円

15%を超える提示が続く場合は、専門家への相談がおすすめです。

承諾料を払っても売却後に十分な手取り額が残るか確認する

承諾料を差し引いた後の手取り額を事前に試算します。

承諾料が相場内であっても、手取り額が想定を下回る場合は売却条件を再検討しましょう。
仲介手数料・登記費用・譲渡所得税も含めた総コストでのシミュレーションが重要です。

売却価格から承諾料を差し引いた金額の確認
仲介手数料・登記費用・譲渡所得税を加えた総コストの試算
手取り額が許容水準に達しているかの判断

承諾料以外に条件変更や追加費用が求められていないか確認する

承諾料以外に地代の値上げや条件変更が求められていないか、全体を確認しましょう。

承諾料の金額だけで判断すると、全体コストを見誤るリスクがあります。

地代の値上げ・更新条件の変更などとセットで提示され、実質負担が増える場合もあるので注意が必要です。

承諾料の金額だけで判断せず、条件全体を確認しましょう。

注意

地主から提示された条件は書面で残しましょう。
口頭のみの確認は後のトラブルにつながる可能性があります。

借地権売却で承諾料を払うと手取りはいくら減る?

借地権売却で売却価格1,000万円の場合、手取りの概算は約848万円です
※承諾料を相場の10%(1,000万円×10%=100万円)として計算した場合の目安

借地権売却で承諾料を払うと手取りはいくら減る?

承諾料は売却価格から差し引かれる費用の一つです。
そのほかにも仲介手数料・登記費用なども合わせると、手取り額は想定より少なくなります。

売却前に費用全体を試算するのが重要です。

承諾料が売却価格の10%なら手取り額はどれくらい減るのか試算する

承諾料10%の場合、売却価格1,000万円から承諾料約100万円が差し引かれます。

また承諾料だけでなく、仲介手数料・登記費用も発生します。
承諾料が相場内でも、諸費用を含めると手取りが想定より低くなる場合があります。

項目 内容
売却価格 1,000万円
承諾料(10%) -100万円
残額 900万円

上表は承諾料のみを差し引いた場合の試算です。

仲介手数料・登記費用などを含めると、手取り額はさらに減少します。

承諾料が高い場合は売却利益がどこまで減るのか確認する

承諾料が20%・25%と高くなるほど手取り額は圧迫されます。
相場を超えた提示には交渉が必要です。

割合ごとの差し引き額は以下の通りです。

承諾料の割合 承諾料額 差し引き後残額 判断
10% 100万円 900万円 相場内
15% 150万円 850万円 やや高め
20% 200万円 800万円 要交渉
25% 250万円 750万円 要交渉

上表は売却価格1,000万円の場合の試算です。

15%を超える提示が続く場合は専門家への相談を検討しましょう。

承諾料以外の費用も含めて売却後の手取り額を試算する

承諾料に加え、仲介手数料(売却額×3%+6万円)・登記費用・司法書士費用・譲渡所得税を含めた総コストで手取りを試算します。

項目 金額
売却価格 1,000万円
承諾料(10%) -100万円
仲介手数料 -36万円(税別)
登記・司法書士費用 -15万円
その他 -1万円
手取り概算(税金除く) 約848万円

借地権売却で売却価格1,000万円の場合、各費用を差し引いた手取り概算は約848万円です。

譲渡所得税が発生する場合はさらに減少します。

注意

譲渡所得税は売却益(取得費・諸経費控除後)に課税されます。
長期保有(5年超)の場合は税率が低くなります。

借地権売却で承諾料が高くなりやすいケース

借地権売却では、立地・地主との関係・契約条件・買主の属性により承諾料が高くなりやすいです。

ケース 理由
商業地・都心部の土地 借地権価格が高く承諾料も高くなる
地主との関係が悪い 承諾条件が厳しくなりやすい
地代の滞納歴がある 信頼関係が低下している
買主の属性が不明確 地主の不安が高まる
契約更新が近い 更新条件変更のリスクがある

複数の要因が重なるほど、承諾料は相場より高くなる傾向があります。

立地が良く借地権価格が高い土地は承諾料も高くなりやすい

東京都心部や主要駅周辺など借地権価格が高い土地は、承諾料も高くなりやすいです。

承諾料は借地権価格の割合で計算され、路線価が高いエリアでは借地権価格も高くなります。

承諾料が10%であっても、借地権価格が2,000万円なら200万円、3,000万円なら300万円と負担が大きくなります。

立地条件の良い土地は、承諾料の絶対額が大きくなる点を事前に把握しておきましょう。

注意

借地権価格は、国土交通省の路線価図で確認できる借地権割合と更地評価額から算出できます。

地主との関係が悪い場合は承諾料が高めに提示される場合がある

地主との関係が良好でない場合、承諾料が高めに提示されたり承諾を渋られる場合があります。

地代の滞納歴や過去のトラブルがある場合は、地主は特に慎重になる可能性が高いです。

信頼関係が薄い状態での譲渡は、地主にとって土地管理上のリスクです。

承諾料は地主のリスク認識を反映して高くなる場合があるでしょう。

注意

地代の滞納がある場合は、交渉前に支払いを済ます必要があります。
支払いを完了してから地主との交渉を行いましょう。

借地契約の残存期間や更新条件によって承諾料が上乗せされる場合がある

契約の残存期間が短い場合や更新が近い場合、承諾料が上乗せされる場合があります。

残存期間が5年未満の場合は特に、更新日が近いと地主が条件を厳しくする場合があります。

また旧借地法(1992年以前に締結)では更新の拒絶が認められにくく、地主が承諾料で調整を図る場合があります。

注意

売却前に契約内容と更新時期を必ず確認しておきましょう。

買主の属性に不安があると地主が高い条件を出す場合がある

買主の職業・収入・利用目的が不明確な場合、地主が高い承諾料や厳しい条件を提示する場合があります。

地主にとって、借地人の変更は土地管理上の大きな変化です。

買主の収入・資力・利用目的が不明確な場合、地代の未払いリスクを懸念して条件が厳しくなる場合があります。

注意

買主の情報を事前に整理して提示すると、承諾料や条件が緩和される可能性があります。

借地権売却で承諾料を下げるための交渉方法

承諾料を下げるには、相場資料を根拠にした地主との交渉が重要です。

承諾料は法律で金額が固定されているわけではありません。

そのため、地主との交渉により変動する余地があります。

感情的な申し出ではなく、客観的なデータや具体的な情報を準備して挑みましょう。

借地権価格の相場資料をもとに地主と承諾料の交渉を行う

地主との交渉では、路線価図や不動産査定書などの相場資料を数字で示しましょう。

「提示額が相場の何%にあたるか」を客観的なデータで示せば、地主に再考を促す根拠になる可能性があります。

路線価図は国土交通省のサイトから無料で確認が可能です。

STEP1
路線価図で借地権割合を確認する

国土交通省の路線価図で対象土地の借地権割合(A〜G)を確認する。

STEP2
借地権価格と承諾料の目安を算出する

「更地価格×借地権割合=借地権価格」「借地権価格×10%」で承諾料の相場を計算する。

STEP3
相場と提示額の差を数字で示して交渉する

「提示額が相場の○%に相当する」と根拠を示しながら、地主に再考を依頼する。

買主の資力や土地利用計画を説明して地主の不安を減らす

買主の収入・職業・利用目的を具体的に伝え、地主の不安を減らすのも有効です。

地主が承諾料を高く設定する背景には、買主に対する懸念があります。
買主の属性を事前に提示すると、地主の判断材料が増えて承諾条件が緩和される可能性が高まるでしょう。

買主の職業・勤続年数
年収・収入証明の有無
土地・建物の利用目的(居住・事業等)
建物の維持・管理方針
地代の支払い方法・口座情報

借地権に強い不動産会社を通して地主との交渉を進める

借地権売却の実績がある不動産会社を仲介に立てるのがおすすめです。

借地権の取引は一般的な不動産売買と異なり、地主・借地人・買主の三者関係を理解した対応が求められます。

借地権取引の実績がある専門業者は地主との交渉経験があり、中立的な調整が可能です。

仲介を通じた交渉では、売主が直接交渉するよりも承諾料が低く抑えられる場合もあります。

注意

不動産会社を選ぶ際は「借地権売却の実績件数」「地主との交渉経験の有無」を確認しましょう。

承諾料だけでなく名義変更条件を含めて全体で調整する

地代・更新料・名義変更手数料を含めた条件全体で交渉するのも重要です。

承諾料にこだわると、地代の値上げや更新条件の変更など別の負担が増えるケースがあります。
条件全体の総コストで判断する視点を持ちましょう。

たとえば承諾料を据え置きにして地代を現状維持にする、など交渉を組み合わせるのも有効です。

注意

地主との交渉条件は口頭だけで確認せず、書面(覚書・合意書)に残しておきましょう。

借地権売却で地主へ交渉する前に確認しておくこと

地主との交渉に入る前に、契約書内容・査定・地代・手取り試算の確認が重要です。

確認項目 確認する内容
借地契約書 譲渡承諾・名義書換の条項・承諾料の定め
借地権の査定 売却価格・承諾料の相場
支払い状況 地代・更新料の滞納の有無
手取り試算 承諾料・仲介手数料・税金を差し引いた手取り

準備不足のまま交渉に入ると、不利な条件を受け入れる可能性が高まります。
契約書内容・査定・地代・手取り試算の4つを、事前に整理しておきましょう。

借地契約書に譲渡承諾や名義書換に関する条項があるか確認する

借地契約書に譲渡承諾・名義書換の条項があるか確認しましょう。

条項に承諾料の記載があれば、定められた金額が交渉の基準点になります。
金額の定めがなく「地主の承諾を要する」と記載のみの場合は、相場を根拠に交渉できる可能性があります。
条項が一切ない場合も、慣習で承諾料を求められる場合があるでしょう。

もし契約書が手元にない場合は、地主または司法書士に確認を依頼してください。

借地権の査定を取って売却価格と承諾料の目安を把握する

借地権の査定を依頼すると、売却価格と承諾料の目安を事前に把握できます。

査定結果を手にできると「借地権価格×10%」で承諾料の目安を算出が可能です。
1社ではなく、複数社に査定を依頼すると精度の高い相場感をつかめます。

査定は一般的には無料で受けられます。
売却を検討した段階で、複数社に査定を依頼しておくと良いでしょう。

地代の未払い・更新料・名義変更の条件を整理しておく

地代・更新料・名義変更手数料の支払い状況を事前に整理しておきましょう。

地代に滞納がある場合、地主は承諾料を高く設定する場合があります。

また更新料の支払い状況も交渉の材料になります。
名義変更手数料が契約書に定められている場合は、承諾料との二重払いにならないかを確認しましょう。

注意

地代・更新料の支払い記録(通帳・領収書)をまとめておくと、交渉時の証拠として使えます。

承諾料を含めた売却後の手取り額を事前に試算する

承諾料・仲介手数料・税金を含めた売却後の手取り額を、事前に試算しておきましょう。

承諾料だけでなく、仲介手数料・登記費用・譲渡所得税も加算する必要があります。
手取り額の目安を把握しておくと、承諾料交渉のラインが明確になるでしょう。

注意

譲渡所得税は売却益に応じて課税されます。長期保有(5年超)と短期保有で税率が異なります。

借地権売却の承諾料に関するQ&A

承諾料の負担先・計算方法・交渉の余地など、借地権売却は調べるほど疑問が増えやすいです。
以下ではよくある疑問をまとめました。

借地権の譲渡承諾料は誰が払う?

譲渡承諾料は売主(借地人)が負担するのが一般的です。

契約書に「承諾料は売主負担」と明記されている場合は従ってください。

また記載がない場合も、実務上は売主負担となるケースが多いです。
売主と買主の合意で費用を分担する場合もあるため、交渉によって決まる場合もあります。

借地権売却時の譲渡承諾料の計算方法は?

承諾料の目安は「借地権価格×10%」で算出します。

借地権価格は「更地価格×借地権割合」で求めます。

たとえば更地価格が2,000万円・借地権割合が60%の土地の場合、承諾料の目安は120万円です。

項目 計算内容 金額
更地価格 2,000万円
借地権割合 60%
借地権価格 2,000万円 × 60% 1,200万円
承諾料(目安) 1,200万円 × 10% 約120万円

借地権割合は国土交通省の路線価図で確認できます。

相場より高い提示は断れる?

交渉する余地はあります。

路線価図や不動産査定書を根拠に提示額が相場より高い点を伝え、再考を求めるのが基本的な対応です。

交渉が不成立の場合は、借地非訟(参考:借地借家法第19条)により裁判所へ申立てる選択肢もあります。

親族への譲渡でも承諾料は必要?

親族への譲渡でも、原則として地主の承諾と承諾料が必要です。

ただし推定相続人(子など)への生前譲渡は相続との類似性を説明し、承諾料の減免を相談できる場合があります。

通るかどうかは地主の判断になるため、事前に話し合いの場を設けましょう。

承諾料以外にかかる費用はある?

仲介手数料・登記費用・司法書士費用・印紙税・譲渡所得税がかかります。

費用項目 目安・計算方法 ポイント
仲介手数料 売却価格 × 3% + 6万円(税別) 上限が法律で決まっている
登記・司法書士費用 10〜20万円程度 名義変更や書類作成に必要
譲渡所得税 売却益に応じて課税 5年超の保有で税率が下がる

売却前に試算しておくのが重要です。

借地権売却で地主が承諾しない場合はどうする?

地主が正当な理由なく承諾を拒否した場合、借地非訟(参考:借地借家法第19条)を利用できます。

借地非訟は、裁判所に地主の承諾に代わる許可を申立てる手続きです。
裁判所が認めれば、地主の承諾がなくても借地権を譲渡できます。

申立てには費用も時間もかかるため、事前に弁護士または不動産専門家に相談しましょう。

借地権売却の承諾料の相場は借地権価格の約10%|まずは見積で相場を把握しよう

借地権売却の承諾料の相場は借地権価格の10%前後です。

地主から提示された承諾料額の妥当性は、相場との比較・手取り額・追加条件の3軸で確認しましょう。

承諾料は法律で固定された金額ではなく、地主との交渉によって変動する余地があります。
相場を把握した上で交渉に臨むと、適正な条件での売却につなげられるでしょう。

承諾料の相場借地権価格の10%前後(2.5〜15%の幅あり)
妥当性の3つの判断基準:相場比較・手取り額の確認・追加条件の有無
承諾料が高くなる4要因:立地・地主との関係・契約条件・買主の属性
交渉の4アプローチ:相場資料・買主属性の説明・専門業者の活用・パッケージ交渉
交渉前の4確認項目:契約書の条項・借地権査定・地代の支払い状況・手取り試算

承諾料の金額が相場より高いと感じたら、まずは一括査定で借地権価格の目安を把握しましょう。

大手6社の広いネットワークで
\ 高額売却が狙える /



すまいvalueで
無料査定してみる