借地権売却では名義変更が必要?必要なケース・不要なケースと手続きの流れを解説
この記事を読んでわかること
借地権の名義変更は、地主の承諾が必要になる場合もあり、売却時に検討すべき重要な手続きで、慎重に進めることが重要です。
借地権は土地を所有する権利ではなく、地主から借りて利用する権利であるため、売却時には所有権不動産とは異なるルールが適用されます。
特に名義変更については、地主の承諾が必要なケースや、承諾料と呼ばれる費用が発生する場合があり、事前に仕組みを理解していないと取引が進まないこともあります。
借地上に建物を所有している者が第三者に借地権付で建物を譲渡する際、地主が借地人から承諾の対価として受ける名義書換料は、他の者に土地を利用させることの対価と認められます
引用:国税庁「借地権の譲渡又は転貸に際して地主に支払われる名義書換料」
また、名義変更の流れや登記の必要性は、借地権の種類や取得方法(売買・相続)によっても異なります。
この記事では、借地権を売却する際に知っておきたい名義変更の基本から、費用相場、制度改正のポイントまでを整理して解説します。
借地権の売却では名義変更が必要?
借地権を売却する場合、名義変更(登記)は法律上必須ではありませんが、実務上は行われるのが一般的です。
国土交通省の宅地建物取引業法の説明資料においても、借地権付建物や借地権の内容を重要事項として説明する義務が示されており、実務で権利関係が明確であることが重視されており、権利が不明確のままでは取引に支障がでることが書かれています。
実務上も、名義変更が行われていない借地権は、買主側の権利が不安定となり、金融機関の融資審査や将来的な再売却に支障が出る可能性があります。
ここでは、借地権売却時に名義変更が必要となる理由と、具体的な手続きの考え方について整理して解説します。
借地権を第三者に売却するなら名義変更が必要
借地権を第三者へ売却する場合、新しい借地人を明確にするため名義変更が求められます。
借地権は契約に基づく権利であり、売却によって借地人が変われば、地主との契約関係も新しい名義人に移転します。
借地権とは、建物の所有を目的とする地上権または土地の賃借権をいいます(借地借家法2一) 。
引用:国税庁「No.4611 借地権の評価」
名義変更を行わないままでは、契約上の義務(地代支払い、更新手続きなど)が誰に帰属するのか不明確になるからです。
法律では必須ではありませんが、実務上、借地権売買時に地主の承諾を得たうえで、建物の所有権移転登記と合わせて名義変更を進めるのが一般的です。
住宅ローンや不動産担保評価においても、登記名義と実際の権利者が一致していることが前提条件とされています。
売買後の名義整理は取引の安全性を確保するうえで不可欠です。
- 借地権売却で借地人が変わるため名義変更が必要
- 契約上の義務と権利の帰属を明確にできる
- 必要書類と税率は制度上明確に定められている
法務局で名義変更する
借地権の名義変更は、法務局での登記手続きによって行います。
実務では、建物所有権移転登記や地上権移転登記が行われます。
第十条 借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。
引用:e-GOV「借地借家法」
登記を行うことで、買主は法的に借地人として認められ、地主・金融機関・第三者との関係が明確になります。
実務上、売買契約から1か月以内に登記を完了させるケースが大半です。
- 名義変更は法務局での登記が必要
- 借地借家法10条により建物登記が対抗要件となる
借地権売却で名義変更が必要になるケース
借地権売却で名義変更が必要になるのは、借地権者が変更され、土地所有者(地主)との法律関係が変わる場合です。
借地上に建物を所有している者が第三者に借地権付で建物を譲渡する際、地主が借地人から承諾の対価として受ける名義書換料は、他の者に土地を利用させることの対価と認められます
引用:国税庁「借地権の譲渡又は転貸に際して地主に支払われる名義書換料」
借地権は借地借家法に基づく「財産権」であり、誰が借地人かによって、地代支払い義務や契約責任の帰属が明確に定められます。
そのため、売却や承継によって借地人が変わる場合は、名義変更や地主の承諾が法的に重要になります。
裁判所の許可があれば売却自体は可能ですが、実務上は名義変更が行われていないと取引が成立しないことが多いので注意が必要です。
建物が借地権の存続期間が満了する前に借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべきものとして新たに築造されたものであるときは、裁判所は、借地権設定者の請求により、代金の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができる。
引用:借地借家法第20条
借地権の売却では、名義変更の要否を正しく理解することで、トラブルや手続き遅延を防ぐことができます。
ここでは、借地権売却において名義変更が必要になる代表的なケースを具体的に解説します。
第三者へ売却(譲渡)する場合
第三者へ借地権を売却する場合は、法律上は必須ではありませんが、実務上は行われるのが一般的で、原則として地主の承諾が必要です。
名義変更を行わずに譲渡すると、契約違反と判断され、最悪の場合は契約解除を請求される可能性があります。
承諾なしに第三者に借地権の使用または収益をさせたときは、借地人の重大な契約違反行為として、地主は、土地賃貸借契約を解除することができる(民法第612条)。
引用:不動産流通推進センター「不動産相談」
実務では、地主から承諾を得る際に「譲渡承諾料」が発生するケースが多く、相場は借地権価格の5%〜10%程度とされています。
また、売却後に名義変更を行わなければ、新しい買主が地代を支払っていても、法的には旧借地人が責任を負う状態が続きくため、売買契約・承諾取得・名義変更は必ずセットで行う必要があります。
- 借地借家法第19条により地主の承諾が原則必要
- 譲渡承諾料は借地権価格の約5〜10%が一般的
- 名義変更しないと契約違反・解除リスクがある
相続した借地権を売却する場合
相続した借地権を売却する場合も、売却前または売却時に名義変更が必要になります。
借地借家法では、借地権の相続について地主の承諾は不要とされていますが、これはあくまで「承継」に限った話です。
実務上、相続登記や借地権名義が被相続人のままでは、第三者への売却契約が成立しません。
不動産取引では、売主と権利者が一致していることが必須条件であり、名義変更がされていない借地権は、裁判所の許可があれば売却可能ですが、実務上は難しいです。
また、相続人が複数いる場合、民法では借地権は共有財産となるため相続人全員の同意が必要となり、名義整理を行わないと取引が長期化します。
円滑に売却するためには、早期の名義変更と権利関係の確定が不可欠です。
- 相続自体は地主承諾不要だが売却には名義変更が必要
- 名義が被相続人のままでは売買契約ができない
- 共有相続の場合は相続人全員の同意が必要
法人に借地権を譲渡する場合
法人に借地権を譲渡する場合も、名義変更と地主の承諾が原則必要になります。
個人から法人へ借地権を移すと、借地人の属性が大きく変わるため、地主側のリスク判断が変化するからです。
特に法人の場合、事業内容や資本規模によって土地利用の安定性が左右されるため、承諾条件として契約条件の変更や承諾料の支払いを求められるケースもあります。
また、法人名義への変更を行わないと、地代請求や契約責任の所在が不明確になり、後々の紛争につながります。
売却や組織再編の一環として法人に譲渡する場合でも、必ず正式な名義変更手続きを行う必要があるので注意しましょう。
- 法人への譲渡も第三者譲渡として地主承諾が必要
- 承諾料や契約条件変更を求められる場合がある
- 名義変更しないと責任の所在が不明確になる
借地権売却で名義変更が不要なケース
借地権売却においては、原則として名義人と売主が一致している必要がありますが、相続人全員の合意があれば、名義変更前でも売却が可能な場合があります。
これは借地借家法や民法で、相続や権利の性質に応じた例外が明確に定められているためです。
特に相続による承継や、借地権が地上権として設定されている場合は、地主の承諾や名義書換が不要となることがあります。
名義変更が不要な条件を正しく理解していないと、不要な手続きや費用が発生するため、事前整理が重要です。
ここでは、借地権売却で名義変更が不要とされる代表的なケースについて、法律上の根拠を踏まえて具体的に解説します。
法定相続人が相続で引き継ぐ場合
法定相続人が借地権を相続で取得する場合、名義変更を行わなくても借地権の承継自体は有効です。
民法第896条では、被相続人の財産上の権利義務は包括的に相続人へ承継されると規定されています。
第896条【相続の一般的効力】
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。
引用:つちはし行政書士事務所「相続の対象となる相続財産」
借地権は財産権に該当するため、相続開始と同時に自動的に相続人へ移転します。
このため、地主の承諾や事前の名義変更をしなくても、単独相続人なら売却主体となることが可能です。
ただし、裁判所の許可があれば可能ですが、実務では名義変更を求められるケースが一般的です。
- 民法第896条により借地権は相続開始時に自動承継される
- 地主の承諾は相続では不要とされている
- 売却時には相続関係を証明する書類提出が求められる
借地権が地上権(物件)で設定されている場合
借地権が地上権として設定されている場合、地主承諾なしで譲渡できるケースがあります。
地上権は民法第265条に定められた物権であり、賃借権とは異なり、登記によって第三者対抗力を持ちます。
「地上権」は、工作物又は竹木を所有するため他人の土地(地下又は空間を含む。)を使用収益することを目的とした用益物権で、民法第265条《地上権の内容》に規定されています。地上権は、直接、土地に対して権利を持つものとされ、地主の承諾なく譲渡、転貸ができるとされています。
引用:国税庁「地上権、土地の賃借権、使用貸借権の区分」
このため、地上権は土地所有者(地主)の承諾がなくても、原則として譲渡や売却が可能です。
実務上も、地上権付き建物は「地主の承諾不要」として流通する事例が多く、不動産鑑定評価基準でも物権として独立評価されます。
ただし、地主の承諾は不要ですが、売却後は地上権移転登記が必要です。
- 地上権は民法265条の物権で自由譲渡が原則
- 登記があれば第三者対抗力を持つ
- 契約上の譲渡制限条項は必ず確認する
名義が亡くなった人で相続手続き中の場合
借地権の名義が亡くなった人のままで相続手続き中であっても、相続人全員の同意がある場合のみ法的には名義変更をせずに売却が可能な場合があります。
相続開始時点で借地権は相続人全員の共有状態となるため、民法第898条に基づき、相続人全員の合意があれば処分行為として売却できます。
相続が開始してから、どの相続人がどの遺産を相続するかを決めるまでの間(遺産分割協議が成立するまで)、遺産は相続人全員の共有財産です(民法898条)。
中略
さらに、この共有不動産を売却する場合、共有者全員の同意が必要です。ほかの共有者のひとりでも「売りたくない」と言ったら売ることができなくなります。
引用:税理士・司法書士 西内事務所「先々代名義のままの不動産相続した不動産の名義が先々代のまま。どうすれば?」
この場合、名義変更登記を先行させなくても、遺産分割協議書や相続関係説明図を用いることで取引が成立します。
司法書士や不動産業界でも一般的な実務対応であり、時間短縮を目的にこの方法が選ばれることもあります。
ただし、法的には可能な場合がありますが、実務では売却に関しては地主承諾が求められることが多いので慎重に進める必要があります。
- 相続開始で借地権は相続人共有となる
- 相続人全員の合意があれば売却可能
- 名義変更前でも書類で取引は成立する
借地権売却時の名義変更の流れ
名義変更の流れは、大きく分けて「地主の承諾取得」「税金の確認」「書類準備」「法務局申請」の4段階です。
借地権は土地の「所有権」ではなく「利用権」ですが、登記を行うことで第三者に対して権利を主張できる状態になります。
これらを順序通りに進めることで、トラブルや手戻りを防ぎ、売却後の権利関係を明確にできます。
ここでは、借地権売却時に必要となる名義変更の具体的な流れを、初心者でも理解できるように段階ごとに解説します。
①地主に報告して承諾を得る
借地権を売却する際は、名義変更の前に必ず地主へ報告し、譲渡の承諾を得る必要があります。
借地借家法では、借地権の譲渡には地主の承諾が原則必要とされており、無断で売却すると契約違反となる可能性があります。
民法第612条は、「賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。」と規定しており、これに違反して第三者に賃借物の使用・収益をさせたときは、賃貸人は契約を解除することが出来ます。
引用:東京都不動産鑑定士協会「借地や借家の問題を解決したい」
国土交通省の公式資料においても、賃借権譲渡承諾書の書式例が公開されており、実務上は書面で地主の承諾を得ることが一般的であることが示されています。
また、承諾にあたっては譲渡承諾料が発生するケースが多く、相場は借地権価格の5〜10%程度が多いとされています。
譲渡承諾料は借地権価格の10%前後が一般的ですが、譲受予定者が推定相続人であるなどの事情がある場合は0~8%に減額することもあります。
引用:日本不動産鑑定士協会連合会「不動産鑑定士調停センター」
事前に条件を確認することで、後の手続きを円滑に進められます。
- 承諾は書面で取得するのが一般的
- 承諾料は借地権価格の5〜10%程度が多い
②登録免許税を確認する
名義変更には登録免許税がかかるため、事前に税額を確認しておくことが重要です。
1 登録免許税額の計算方法
登録免許税額は,原則として次のように計算します。
登録免許税額 = (課税標準)×(税率)
課税標準は,申請する登記の種類によって,①不動産の価額による場合,②債権金額による場合,③不動産の個数による場合の三つがあります。引用:法務局「○登録免許税はどのように計算するのですか?」
登録免許税法では、不動産の権利移転登記に対して課税されることが定められており、借地権の移転登記も対象になります。
借地権の場合、評価額は土地所有権の評価額を基に一定割合で算定されるため、自治体が発行する固定資産評価証明書で確認します。
正確な金額を把握しておくことで、申請時の不備を防げます。
- 登録免許税は法律で定められた税金
- 固定資産税評価額を基準に算定
③必要書類の準備・作成
名義変更を行うためには、法務局へ提出する書類を正確に準備する必要があります。
登記申請書の様式や提出方法は法務局ホームページで確認可能です。
主な書類は、登記申請書、借地権譲渡契約書、地主の承諾書、固定資産評価証明書などです。
これらの書類は記載内容に不備があると補正や再提出が必要になるため、事前確認が重要です。
また、契約書には売買金額や譲渡日を正確に記載する必要があり、これは税額算定や登記内容の根拠資料として使用されます。
- 法務省の要領に基づいた書類が必要
- 契約内容は登記・税額算定の根拠
- 不備があると申請が受理されない
④法務局に申請する
必要書類が揃ったら、管轄の法務局へ名義変更の申請を行います。(参考:法務局)
登記申請は、不動産登記法に基づき、土地の所在地を管轄する法務局で行うことが定められています。
申請方法は窓口申請のほか、オンライン申請も可能で、法務省の登記・供託オンライン申請システムが利用できます。
申請後、内容に問題がなければ通常1〜2週間程度で登記が完了します。
登記完了後は、登記事項証明書で新しい名義が反映されているか確認します。
これにより、借地権が正式に買主へ移転したことを公的に証明できます。
- 管轄法務局へ申請する
- 登記完了まで約1〜2週間
- 登記事項証明書で結果を確認
借地権売却時の名義変更をする注意点
借地権を売却・承継する際の名義変更は、税金・契約・地主承諾といった複数の法的要素が関係するため、事前理解が不可欠です。
名義変更の方法を誤ると、贈与税や追加費用が発生したり、売却自体が進められなくなるケースもあります。
また、地主の承諾要否は名義変更の理由によって異なり、相続と遺贈では取り扱いが変わります。
こうした違いを理解せずに進めると、後から修正が難しくなるため注意が必要です。
ここでは借地権売却時に押さえておくべき名義変更の具体的な注意点を整理します。
親子間で対価なしの名義変更は高額になる可能性がある
親子間で借地権を無償で名義変更すると、税務上は贈与と判断され、贈与税が課税されます。
借地権は、相続税や贈与税の課税対象になります。
引用:国税庁「No.4611 借地権の評価」
贈与税は基礎控除110万円を超えた部分に対し、最大55%の累進税率が適用されるため、評価額が高い借地権ほど税負担が大きくなります。(参考:国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」)
有償売買であれば譲渡所得課税となり、税率構造が異なるため、無償移転は税務上不利になるケースが多いとされています。
- 借地権は贈与税の課税対象となる資産
- 贈与税は最大55%の累進課税
- 無償移転は税負担が大きくなりやすい
法定相続人以外の人への遺贈は、地主の許可が必要
法定相続人以外の第三者に借地権を遺贈(法定相続人以外が相続)する場合、内容によっては地主の承諾が必要とされます。
借地借家法では、相続による借地権の承継は地主の承諾不要とされていますが、遺贈は「譲渡」に該当するため、地主の承諾が必要です。
承諾がないまま名義変更を行うと、解除を主張される可能性があります。
この違いを理解せず遺言を作成すると、相続後に借地権を利用・売却できなくなる可能性があるので注意しましょう。
- 相続と遺贈では法的扱いが異なる
- 遺贈は地主承諾が原則必要
- 承諾料が発生する場合がある
地主の承諾が得られない場合は専門家のサポートのもと進める
地主の承諾が得られない場合でも、専門家の関与により解決できる余地があります。
この手続きでは、不動産鑑定士による借地権評価や、弁護士・司法書士による書類整備が必要になることが一般的です。
裁判所の判断では、借地条件、建物の状況、承諾料相当額などが総合的に考慮されます。
専門家を介さず個人で進めると、要件不足により申立てが認められない可能性があるため、早い段階での相談が重要とされています。
- 裁判所の代諾許可制度がある
- 専門家関与で手続き成功率が高まる
借地権売却におすすめの一括査定サービス
借地権売却において一括査定サービスが有効とされる理由は、借地権という権利関係が複雑な不動産でも、対応実績のある不動産会社を効率的に比較できる点にあります。
そのため、1社のみの査定では相場を把握しにくく、複数社の査定結果を並べて確認することが重要です。
ここでは、借地権売却を検討する際に利用価値が高い一括査定サービスを、特徴や適したケースごとに整理して解説します。
すまいValue|大手6社運営で初めての借地権売却も安心
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サービス名 | すまいValue |
| 運営・参加企業(会社名) |
|
| 本社所在地 | ※現在地の本社に準じる |
| 対応エリア | 全国(一部地域を除く) |
| サービス開始年 | 2016年10月 |
すまいValueは、借地権売却において大手不動産会社の査定を一度に比較したい場合におすすめの一括査定サービスです。
すまいValueは、三井不動産リアルティ、住友不動産販売、東急リバブルなど、国内大手6社のみが参画している点が特徴で、参加企業数を限定することで査定の質を一定水準に保っています。
大手各社は借地権を含む権利関係の複雑な不動産取引実績を多く持ち、過去の成約データやエリア別の取引傾向を基に査定を行います。
そのため、極端に根拠の薄い価格が提示されにくい点がメリットと言えるでしょう。
また、運営が不動産大手による共同事業であることから、情報の取り扱いや対応フローが明確に整備されているので、借地権売却が初めてでも安心して利用できます。
- 参加企業は不動産大手6社に限定
- 借地権を含む取引実績データに基づく査定
- 査定基準や対応フローが統一されている
東急リバブル|エリア別・事例ベースでの査定が可能
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サービス名 | 東急リバブル |
| 運営企業(会社名) |
|
| 本社所在地 | 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目9番5号 |
| 対応エリア | 全国(一部地域を除く) |
| サービス開始年 | 1972年3月 |
東急リバブルは、借地権売却においてエリア特性を重視した査定を受けたい場合に適した不動産会社です。
東急リバブルは1972年創業の不動産仲介会社で、長年にわたり首都圏を中心に不動産売買を手がけてきました。
借地権の査定では、地代水準、契約条件、更新履歴といった要素に加え、周辺の成約事例を基に価格を算出します。
個別相談を前提とした査定のため、借地権の内容を整理しながら売却可否や価格帯を把握したいケースに向いています。
- 1972年創業の長年の仲介実績
- エリア別・事例ベースでの査定
- 借地権など権利関係物件に専門対応
SRE REALTY|データを活用した合理的な査定
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サービス名 | SRE REALTY |
| 運営・参加企業(会社名) |
|
| 本社所在地 | 〒107-0052 東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR 14階 |
| 対応エリア | 全国(一部地域を除く) |
| サービス開始年 | 2014年4月 |
SRE REALTYは、データを活用した合理的な査定を重視したい場合におすすめの不動産会社です。
SRE REALTYはソニーグループ100%出資の不動産会社として2014年に設立され、AIや統計データを活用した不動産分析を特徴としています。
借地権売却においても、過去の取引データや市場動向を数値化し、価格根拠を明示するスタイルを採用しています。
特に、従来の「営業担当者の経験値」に依存しやすい査定プロセスを、データで補完する点が特徴です。
価格の算出過程を重視したい場合や、査定根拠を客観的に確認したい場合に適しています。
- 2014年設立のソニーグループ不動産会社
- データ・統計を活用した査定手法
- 査定価格の算出根拠を可視化
借地権売却時の名義変更に関するQ&A
借地権を売却する際、名義変更は避けて通れない重要な手続きです。
ここでは、借地権売却時の名義変更について、よくある疑問を法律と実務データに基づいて整理します。
Q1.地主の承諾は絶対に必要ですか?
借地権を第三者に売却する場合、原則として地主の承諾は必要です。
借地借家法第19条では、借地権の譲渡には地主の承諾が必要と明記されています。
承諾なしに売却を行った場合、契約違反となり、最悪の場合は契約解除や明渡請求のリスクが生じます。
ただし、地主が正当な理由なく承諾しない場合には、裁判所に「譲渡承諾に代わる許可」を求める制度も用意されています。
実務上は、無断譲渡は避け、事前に条件交渉を行うことが一般的です。
Q2.名義変更料(譲渡承諾料)の相場は?
名義変更料の相場は、借地権価格の約5%〜10%が一般的とされています。
不動産鑑定や裁判例、実務慣行では、譲渡承諾料は「借地権価格の一部」として設定されるケースが多く、全国的に見て5%〜10%程度が目安とされています。
ただし、契約書の特約や地域慣行、地主との関係性によって上下するため、必ず事前確認が必要です。
Q3.相続で名義が変わる場合も承諾料はかかりますか?
相続による名義変更では、原則として地主の承諾料は不要です。
借地借家法および判例上、相続は「譲渡」ではなく「包括承継」と扱われるため、地主の承諾自体が不要とされています。
そのため、通常は譲渡承諾料も発生しません。
ただし、名義変更の通知や、契約内容確認のための書類提出を求められることはあります。
また、相続後に売却する場合は、その時点で承諾が必要になります。
Q4.地主が売却を認めてくれない(承諾しない)場合は?
正当な理由がなければ、裁判所により地主の承諾に代わる許可が認められる可能性があります。
地主が感情的理由や不合理な条件で承諾を拒否する場合、借地借家法に基づき、裁判所へ「譲渡承諾に代わる許可」を申立てることができます。
実際の裁判例では、買主の資力や土地利用に問題がない場合、許可が認められるケースも確認されています。
ただし、手続きには時間と費用がかかるため、専門家を通じた交渉が先行されるのが一般的です。
Q5.名義変更(登記)にはどのような書類が必要ですか?
名義変更には、契約書類と当事者確認書類が必要です。
借地権売却後の名義変更では、売買契約書、地主の承諾書、印鑑証明書、住民票などが一般的に必要とされます。
登記自体は義務ではありませんが、第三者対抗要件を確保するために行われるケースが多いです。
借地権売却の名義変更は地主承諾のもと慎重に進めよう
借地権を売却する際の名義変更は、取引の可否や条件を左右する重要な要素です。
基本ルールとして、第三者へ売却する場合は地主の承諾が求められるのが原則であり、その際に名義変更料が発生することがあります。
手続きの流れや費用相場を把握しておくことで、想定外のトラブルや交渉の行き詰まりを防ぎやすくなります。
また、相続によって借地権を取得した場合でも、将来的な売却を見据えるなら名義や登記の整理は欠かせません。
特に2026年に向けて相続登記の義務化が進む中、借地権であっても登記や権利関係を放置するリスクは高まっています。
借地権売却を円滑に進めるためには、制度やルールを正しく理解し、早めに準備を進めることが重要です。