借地権の売却相場は、一般的に更地価格の40〜70%程度が目安とされています。

借地権割合や売却方法、契約条件などによって価格は変わるため、土地価格と借地権割合をもとに目安を計算することが重要です。

借地権は土地を所有しているわけではないため、通常の不動産とは価格の考え方が異なります。

借地権の価額は、その借地権の目的となっている宅地の自用地としての価額に、当該価額に対する借地権の売買実例価額、精通者意見価格、地代の額等を基として評定した借地権の価額の割合(以下「借地権割合」という。)がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長の定める割合を乗じて計算した金額によって評価する。
引用:国税庁「財産評価基本通達 第2節 借地権(27)

本記事では、借地権の売却相場の目安・計算方法・売却方法ごとの価格差を、具体的な数値例を交えて解説します。
費用や税金、高く売るポイントもご紹介するので、売却価格の目安にお役立てください。

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株式会社WALLMATE不動産(ウォールメイト不動産)

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免許番号

宅地建物取引免許:国土交通大臣(2)第 9362 号
住宅宿泊管理業者登録:国土交通大臣(02)第 F00179 号
一級建築士事務所登録:東京都知事 第 65262 号 
不動産特定共同事業許可番号:東京都知事第183号
Contents
  1. 結論|借地権の売却相場は更地価格の40〜70%が目安
  2. 借地権の売却相場を計算する方法
  3. 借地権の売却価格は「売却方法」によって大きく変わる
  4. 借地権の価格に影響する主な要素
  5. 借地権が売れやすいケースと売れにくいケース
  6. あなたの借地権に最適な売却方法は?
  7. 借地権の査定価格が妥当か判断するポイント
  8. 借地権の売却にかかる費用と税金
  9. 借地権をできるだけ高く売却するポイント
  10. 借地権売却に強い不動産会社の選び方
  11. 借地権売却におすすめの不動産一括査定
  12. 借地権売却の流れ
  13. 借地権売却に関するQ&A
  14. 借地権の相談は実績のある不動産会社へしよう|まずは相場の把握から

結論|借地権の売却相場は更地価格の40〜70%が目安

借地権の売却相場は更地価格の40〜70%が目安ですが、売却方法や契約条件、立地によって実際の価格は変わります。

借地権の売却相場の目安となる借地権評価額は、以下の計算式で求められます。

借地権評価額(目安) = 更地価格 × 借地権割合

(例:更地価格3,000万円×借地権割合60%=約1,800万円)

借地権割合は、土地に対して借地権が占める価値の割合です。

ただし、実際の売却価格は、地主へ売るのか、第三者へ売るのか、専門業者へ買い取ってもらうのかで変わります。

譲渡承諾料、仲介手数料、登記費用、税金を差し引くと手残り額も変わるため、相場だけでなく最終的にいくら残るかで判断する必要があります。

項目 意味 確認する目的 注意点
相場 更地価格×借地権割合で算出する目安金額 売却価格の大まかな水準を把握する 税務評価ベースのため、実際の売買価格とは異なる
査定額 不動産会社が算出する売却見込み金額 売り出し価格の参考にする 会社によって差が出やすく、高い査定額=高く売れるとは限らない
成約価格 買主と合意して実際に売買が成立した金額 売却後の資金計画を立てる 査定額から値引き交渉が入ることがある
手残り額 成約価格から承諾料・手数料・税金を差し引いた金額 最終的に手元に残る金額で判断する 売却方法によって差し引かれる費用が変わる

まず相場の全体像をつかみ、詳細な計算方法や価格差の要因を確認しましょう。

借地権の売却価格は更地価格に借地権割合を掛けて目安を算出できる

借地権価格の計算式は「借地権価格=更地価格×借地権割合」です。

更地価格:建物や権利状態がない土地の価格
借地権割合:土地の価格のうち借地権が占める割合

たとえば更地価格2,000万円で借地権割合60%の場合、借地権の価値は1,200万円になります。
(例)2,000万円×60%=1,200万円

この計算で分かるのは、あくまで借地権価格の目安です。

実際の売却価格は、売却方法・地主との関係・残存期間などの要素によって変動するので注意が必要です。(参考:国税庁「No.4611 借地権の評価」)

そのため、計算結果をそのまま売却価格と考えるのではなく、不動産会社の査定と比較する材料として使いましょう。

住宅地の借地権割合は30〜70%が目安で地域によって異なる

借地権割合は地域ごとに国税庁が設定し、住宅地では30〜70%、商業地では70〜90%と高くなる傾向があります。(参考:国税庁「路線価図・評価倍率表」)

国税庁の借地権割合はあくまで税務上の評価基準であり、実際の売却価格は市場動向や地主との交渉条件によって変動します。

借地権割合 地域の傾向 主なエリア例 特徴
70% 都市部の住宅地 東京23区・大阪市中心部など 土地需要が高く借地権価値も高い
60% 都市近郊の住宅地 政令指定都市・主要都市周辺 住宅需要が安定している地域
50% 郊外の住宅地 都市周辺のベッドタウン 住宅地で最も多い一般的な割合
40% 地方都市の住宅地 地方中核市など 土地需要がやや低い地域
30% 地方・郊外の住宅地 人口が少ない地域 土地需要が低く借地権価値も低め

借地権割合が高い地域でも、契約期間が短い、地代が高い、地主承諾が得にくい、建物が老朽化している場合は売却価格が下がる可能性があります。

売却方法や契約条件によって実際の売却価格は大きく変わる

借地権の売却価格は、売却方法や契約条件により変化します。

一般市場では相場価格で売却が可能ですが、買取であれば相場の7割程度になる場合もあります。

売却方法 価格の期待値 売却スピード 地主承諾 向いている人 注意点
地主へ売却 更地価格の40〜60% 早い 不要 手続きの簡便さを優先したい人 価格交渉で不利になりやすい
第三者へ売却 更地価格の60〜70% やや遅い 必要 できるだけ高く売りたい人 承諾料がかかり、買主探しに時間がかかる
借地権専門業者へ売却 相場の50〜70% 早い 条件による 早期現金化を優先したい人 仲介売却より価格が低くなりやすい
底地との同時売却 更地価格に近い 遅い 地主の同意が必要 地主も底地売却に前向きな人 地主との配分交渉が必要

地主への売却は手続きが進みやすい反面、売却価格は低くなりやすく、第三者への売却は高値を狙いやすい一方で地主の承諾や買主探しに時間がかかる方法です。

底地との同時売却が可能であれば、所有権として売却できるため、より高値で売れる傾向があります。

また、表面上の売買価格が同じでも、契約条件によっては境界確定や契約不適合責任などで負担が大きくなる可能性があります。

要素 内容 価格への影響
借地権割合 国税庁の路線価に基づく借地権割合(30〜70%など) 割合が高い地域ほど借地権価格も高くなる
更地価格(土地相場) 同エリアの土地価格や路線価 土地価格が高いほど借地権価格も高くなる
売却方法 地主売却・第三者売却・専門業者買取など 第三者売却は高くなりやすく、業者買取は低くなる傾向
地主の承諾条件 譲渡承諾料や条件の有無 承諾料が高い場合は実質的な売却価格が下がる
契約内容 旧法借地権・普通借地権・定期借地権など 契約期間が長いほど価値が高くなりやすい
残存契約期間 借地契約の残り年数 残り期間が短いほど価格は下がる傾向
建物の状況 建物の有無や老朽化状況 老朽化や解体費が必要な場合は価格が下がる
立地条件 駅距離・用途地域・周辺環境など 立地が良いほど需要が高く価格も上がる
地主との関係性 交渉のしやすさや承諾の可否 地主が協力的なほど売却条件が良くなりやすい

相場はあくまで基準であり、実際の売却価格とは異なる点には注意が必要です。

借地権の売却相場を計算する方法

借地権価格算出フロー図
借地権の相場計算は、次の3ステップで行います。

STEP
1
更地価格を調べる
STEP
2
借地権割合を確認する
STEP
3
更地価格に借地権割合を掛ける

借地権の売却価格は以下の式に当てはめて計算します。

借地権価格=更地価格×借地権割合

ただし、計算結果はあくまで目安です。

実際の売却価格は、契約条件や地主承諾、売却方法によって変わるため、計算後は借地権売却に強い不動産会社で査定を取りましょう。

土地の評価額(更地価格)を調べる

借地権価格の基準となる土地価格を調べる際は、5つの価格指標を使い分けることが重要です。

指標 公表機関 主な用途 特徴
公示地価 国土交通省 土地取引の指標 毎年1月1日時点の標準地価格。土地価格の基準となる代表的な指標
基準地価 都道府県 土地価格の補完指標 毎年7月1日時点。公示地価を補完し全国の地価動向を把握できる
路線価 国税庁 相続税・贈与税の計算 道路ごとに設定された価格。一般的に公示地価の約80%が目安
固定資産税評価額 市区町村 固定資産税の算定 公示地価の約70%が目安。固定資産税や都市計画税の基準
実勢価格(取引価格) 不動産市場 実際の売買価格 需要や交渉によって変動。実際の売却価格に最も近い指標

更地価格とは、建物や権利関係がない状態の土地価格です。

借地権の売却相場を把握する際は、更地価格だけでなく実際の取引価格も確認しましょう。

なぜなら、路線価は相続税や贈与税の計算に使われる価格であり、市場で売買される価格とは差があるためです。

より現実的な売却価格を知りたい場合は、周辺の成約事例や不動産会社の査定結果もあわせて確認してみてください。

国税庁が公表している借地権割合を確認する

借地権割合は、国税庁「路線価図・評価倍率表」で確認します。

STEP 1
国税庁サイトにアクセス

国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」ページを開く
借地権割合は国税庁が地域ごとに公表している

STEP 2
都道府県を選択

対象の土地がある都道府県を選ぶ
年度ごとにデータが公開されている

STEP 3
市区町村・地区を検索

該当する市区町村・町名を選択して路線価図を表示
対象の道路に面した土地を確認する

STEP 4
路線価の表示を確認

道路上に表示された「数字+アルファベット」を確認
数字=路線価、アルファベット=借地権割合

STEP 5
借地権割合を読み取る

例:215D → 借地権割合60%
A〜Gの記号で割合が決まる

路線価の数字の右隣にあるアルファベット(A〜G)が借地権割合の記号です。
記号に対応する割合は以下の通りです。

記号 割合
A 90%
B 80%
C 70%
D 60%
E 50%
F 40%
G 30%

路線価図で確認できる借地権割合は、相続税や贈与税などの税務評価で使われる割合です。

売却価格を考えるときの参考にはなりますが、実際の売買では地主承諾料、契約期間、地代、建物の状態、買主の需要も反映されます。

そのため、借地権割合が高いから必ず高く売れる、低いから売れないと判断しないようにしましょう。

・路線価図の閲覧には対象地の住所や地図上での位置確認が必要
・借地権割合はあくまで税務上の評価割合であり、実際の売却価格とは異なる

土地価格と借地権割合から借地権価格を算出する

更地価格と借地権割合が分かれば、借地権評価額の目安を計算できます。

借地権価格の算出は、「借地権価格 = 土地の更地評価額×借地権割合」が基本です。

【計算例】
面積150㎡・路線価10万円/㎡・借地権割合70%
更地価格:150㎡ × 100,000円 = 1,500万円
借地権評価額:1,500万円×70% =1,050万円

上記の場合は、1,050万円が売却価格の目安となります。

ただし、実際の売却価格は売却方法・地主承諾・契約条件・建物状態などによって変わります。

更地価格 借地権割合 借地権価格の目安 補足
2,000万円 60%(D) 1,200万円 住宅地の一般的なケース
3,000万円 60%(D) 1,800万円 都市部の住宅地に多いケース
5,000万円 70%(C) 3,500万円 都心部や商業地に近いケース

実際の売却価格はここから売却方法・地主条件・残存期間などの要素で上下します(参考:国税庁「No.4611 借地権の評価」)。

例えば借地権価格1,800万円の場合、売却方法別の手残りシミュレーションは次のようになります。

項目 地主売却 第三者売却 専門業者買取
想定売却価格 1,200万円 1,800万円 1,300万円
譲渡承諾料 0円 180万円(10%) 0〜130万円
仲介手数料 0〜42万円 60万円 0円
登記費用 約5万円 約5万円 約5万円
税金(譲渡所得税) 条件により異なる 条件により異なる 条件により異なる
売却期間 1〜3ヶ月 3〜12ヶ月 1〜2ヶ月
最終手残り額(税金除く) 約1,153万円 約1,555万円 約1,165万円

ただし、借地権の売却では、売却価格が高い方法が必ずしも最も得とは限りません。

売却方法ごとに費用構造が異なるため、売却価格ではなく最終手残り額で比較しましょう。

借地権の売却価格は「売却方法」によって大きく変わる

借地権の相場は、売却方法によって大きく変わります。

売却方法 相場目安 メリット 注意点 向いているケース
地主に売却 更地価格の40〜60% 承諾料不要、売却期間が短い、手続きがシンプル 価格が低くなりやすい、地主の購入意思が必要 早く売りたい、地主との関係が良好
第三者に売却 更地価格の60〜70% 市場価格で売却できる、複数の買主候補を比較できる 地主承諾と承諾料が必要、売却に時間がかかる 高値を狙いたい、売却期間に余裕がある
借地権専門業者に売却 相場の50〜70% 買主探し不要、短期間で現金化できる 仲介売却より価格が低い、業者により対応力に差がある 早期現金化を優先、地主承諾が難しい
底地と同時売却 更地価格に近い 所有権として売れるため最も高値を狙える 地主の同意と配分交渉が必要、調整に時間がかかる 地主も底地売却に前向き

価格だけを見ると第三者売却や同時売却が有利に見えますが、地主承諾や売却期間、承諾料の負担も考える必要があります。

早く売りたいのか、高く売りたいのか、地主との関係を重視するのかによって、選ぶべき方法は変わります。

地主に売却する場合は更地価格の40〜60%程度が相場

地主に借地権を売却する場合は、更地価格の40〜60%程度が相場です。

地主への売却は、承諾が不要で手続きがシンプルな点が特徴です。

項目 内容
メリット ・地主の承諾が不要で売却手続きが進めやすい
・交渉がまとまれば比較的早く売却できる
・第三者売却よりトラブルが起きにくい
デメリット ・買い手が地主に限定されるため価格が低くなりやすい
・地主に買取義務がないため売却できない場合がある
・交渉条件によっては価格が大きく下がる可能性がある

ただし、借地人から売却を申し出る場合は地主が有利になり、更地価格の約50%になる場合があります。

また、地主側から購入の打診があった場合でも、更地価格の約60%が目安です。

売却価格が安くなりやすい理由を理解し、価格交渉や売却方法の検討に役立てましょう。

理由 内容
買主が地主に限定される 競争原理が働かず、価格が上がりにくい
市場競争が起こりにくい 他に比較対象がないため、提示価格を受け入れやすい
地主が急いで買う必要がない 底地はそのまま保有しても地代収入が入るため、地主側に急ぐ理由が少ない
借地人が早期売却を希望
していると不利になる
売り急ぎが伝わると、値引き交渉を受けやすい
第三者売却時の承諾料を加味
して交渉されやすい
「第三者に売るなら承諾料がかかる」ことを理由に値引きを求められる場合がある

・買い手が地主のみのため、価格交渉力が低く買い叩かれやすい
・地主が購入を希望しない場合は使えない

第三者に売却する場合は更地価格の60〜70%程度が相場

不動産会社を通じ第三者に売却する場合は、更地価格の60〜70%での売却が相場です

第三者売却は市場価格で売却できる可能性が最も高く、複数の買い手の間で競争原理が働くためです。

特に、次の条件下では価格が高まりやすくなります。

条件 理由 注意点
立地が良い 住宅需要が高く買主が見つかりやすい 借地権取引の実績があるエリアか確認する
残存期間が長い 買主が長期利用できる安心感がある 10年以下だと敬遠されやすい
地代が適正 購入後の維持費負担が軽い 地代改定条項の有無を確認する
地主承諾の見込みあり 売買成立の見通しが立てやすい 事前に地主の意向を確認しておく
建物状態が良い 購入後すぐに住める 築年数・耐震性・修繕履歴を整理する
住宅ローンを利用しやすい 買主が資金調達しやすい 借地権対応の金融機関を事前に調べる
更新条件が明確 契約更新のリスクが見通せる 契約書に更新条項が明記されているか確認する

ただし、第三者への売却には地主の承諾が必要になり(参考:借地借家法第19条)、承諾が得られた場合は、一般的に売却価格の約10%の譲渡承諾料を支払います。

仲介による売却は高値になりやすいですが、売却期間が長くなる可能性がある点に注意してください

また、買主は借地契約の内容や地代、更新料、建替え可否を確認するため、契約条件を事前に整理しておくことが重要です。

底地権者と同時売却する場合は更地価格に近い価格になることがある

地主(底地権者)と借地人が同時売却すると、借地権単独の売却より大幅に高い価格が期待できます。

借地権+底地権のシンプルな構造図

底地権:地主が持つ「土地を貸して地代を受け取る権利」
借地権:借地人が持つ「地代を払って他人の土地を利用し、自分の建物を建てる権利」

両方をセットで売却すると、買主は完全な所有権を取得できるため、自由な建替えや転売が可能になり、銀行ローンも利用できます。

借地権と底地を同時に売ることで、買主は制限のない「通常の土地」として購入できます。

特に、次のケースに当てはまる場合は、底地との同時売却を検討する価値があります。

ケース 理由 確認すべきこと
地主も底地を売りたい 双方の意思が一致し交渉が進みやすい 地主に売却意向があるか確認する
地主との関係が良好 配分交渉がスムーズに進みやすい 過去のトラブルや地代滞納がないか
所有権として売却できる 借地権単体より買主需要が高い 土地の形状・接道状況に問題がないか
買主需要があるエリア 所有権購入希望の買主が見つかりやすい 周辺の成約事例を確認する
配分割合で合意できる 売却代金の分け方で折り合える関係がある 不動産会社を仲介役に交渉する

ただし、地主の同意や売却代金の配分が必要になるため、借地人だけで進めることはできません。

同時売却を検討する場合は、地主と話し合える関係性があるかが重要です。

借地権の価格に影響する主な要素

借地権の価格は、借地権割合だけでは決まりません。

買主から見ると、購入後に地代を払い続けられるか、契約更新できるか、建替えや増改築ができるかも重要です。

要素 価格への影響 確認ポイント
借地契約の残存期間 長いほど価格が維持されやすい 契約満了日と更新条件
地代や更新料 買主負担が大きいと価格が下がりやすい 月額地代・更新料・周辺相場との比較
立地と市場需要 需要が高いエリアほど価格が上がりやすい 周辺の成約事例・開発予定
地主の売却承諾条件 承諾料が高いと手残り額が減る 譲渡承諾料の目安・書面の有無
譲渡承諾料 売却価格の10〜20%が目安で手残りに直接影響する 地主との過去のやり取り・地域慣習
建物状態 老朽化していると解体費負担が発生し価格が下がる 築年数・修繕履歴・耐震性
建替え・増改築の可否 可能なら買主の自由度が高く価格が上がりやすい 契約書の建替え条項・地主承諾
住宅ローン利用の可否 利用可能なら買主の選択肢が広がる 借地権対応の金融機関の有無
地主との関係性 良好であれば承諾が得やすく売却が進みやすい 地代支払い状況・過去のトラブル有無

そのため、借地契約書や地主承諾条件を整理しておくと、査定価格の根拠を説明しやすくなります。

借地契約の残存期間

借地契約は残存期間が長いほど借地権の価値は高く、短いほど価格は下がる傾向があります。

たとえば残存期間が35年を下回ると、住宅ローンを利用できる金融機関が減少します。

買主が現金購入に限られるため、需要が落ち込み売却価格の大幅な下落につながりかねません。

また、更新可能性の有無も重要です。地主が更新に前向きか、過去に更新実績があるかによっても、借地権の価格は左右されます。

地代や更新料の条件

借地権の価格は、地代と更新料などの費用条件によっても左右されます。

借地権は取得後も費用が発生するため、年間地代や更新料の負担が重いほど価値が下がるのです。

地代や更新料の条件 年間地代 更新料 価格への影響
軽い 低い 低額・なし 上がりやすい
平均 中程度 相場通り 相場並み
重い 高い 高額・不明確 下がりやすい

地代が高いと保有コストが増え、収益性が低下します。また、更新料が高額・不明確な場合は将来の支出リスクとなり、価格が下がります。

売却価格を考える際は、地代や更新料も含めた買主の総負担で見ることが重要です。

土地の立地と市場需要

土地の立地条件は借地権価格に影響します。

土地の立地と市場需要
都心部や交通利便性の高いエリアは需要が高く、残存期間が短くても一定の価格水準を維持できる傾向があります。

地方では借地権割合が示す価格水準に届かない場合もあるため、注意が必要です。

・人気エリアでも借地権は所有権物件より割安になりやすい。
・地方では買い手がつかないケースも存在する

地主の売却承諾条件

地主との関係が良好であれば、借地権価格や譲渡承諾料の交渉は有利に進めやすいです。

地主承諾の流れ

借地権売却では地主への事前相談、承諾が欠かせません。

地主の承諾が得られない場合は、買取業者や専門家への相談が必要になる可能性があります。

売却前に地主と十分に協議するのが重要です。

注意

地主承諾料が高い場合、表面上の売却価格が高くても手残り額が少なくなる可能性があります。査定時には承諾料の目安、名義変更料、更新料、地代条件を含めて確認しましょう。

借地権が売れやすいケースと売れにくいケース

借地権の売却難易度は、契約内容や立地によって異なります。

売れやすいケースと売れにくいケースを把握し、売却戦略を立てましょう。

項目 売れやすいケース 売れにくいケース 売却前にやること
立地 都市部・駅近など需要が高い 郊外・地方で需要が少ない 周辺の成約事例を確認する
契約期間 契約の残り期間が長い 残存期間が短い 契約書で残存期間と更新条件を確認する
地主の承諾 地主が売却に協力的 地主が承諾しない・条件が厳しい 地主の意向と承諾料の目安を事前に確認する
地代 地代が相場より低い 地代が高い 月額地代と周辺相場を比較する
建物の状態 建物が利用できる状態 老朽化して解体費がかかる 築年数・修繕履歴・耐震性を整理する

売れにくい借地権でも、必ず売却できないわけではありません。

地主への売却、借地権専門業者への買取、底地との同時売却など、物件状況に合う方法を選ぶことで売却できる可能性があります。

まずは売れにくい原因を整理し、価格だけでなく売却方法も比較しましょう。

残存期間が長い借地権は売却しやすい

契約の残存期間が長い借地権は売却しやすい傾向があります。

残存期間が長いほど住宅ローンも利用しやすいため、買い手がつきやすいです。

残存契約期間 売れやすさ 理由
30年以上 売れやすい 利用期間が長く住宅用地としての価値が高い
20〜30年 比較的売れやすい 住宅ローン利用や建替えの検討が可能な期間
10〜20年 やや売れにくい 利用期間が限られるため購入者が減る
10年未満 売れにくい 利用価値が低く価格も大きく下がる傾向

残存期間が短いと、ローン利用が難しく価格が下がる傾向があります。

売却を考えているなら残存期間が長いうちの売却がおすすめです。

人気の住宅地にある借地権は買い手が見つかりやすい

人気のあるエリアに位置する借地権は、買い手が見つかりやすい傾向があります。

借地権は所有権物件に比べて価格が6割〜8割程度になるため、購入できる人が増えるからです。

STEP 1
立地条件
STEP 2
駅距離・商業施設・都市規模・人口
STEP 3
土地需要
STEP 4
借地権の売れやすさ
STEP 5
借地権価格

 

ただし地方では所有権の物件も手が届きやすく、借地権物件は売却期間が長くなる可能性があります。

地主が売却を承諾しない場合は売却が難しくなる

地主が売却を承諾しない場合、第三者への売却は難しくなります。

第三者への売却には原則として地主の譲渡承諾が必要です。地主が承諾しない場合は、条件によって借地借家法第19条にもとづく裁判所の許可を検討することがあります。

借地権売却の承諾プロセス図

地主が承諾しない場合は、借地権専門業者による買取や専門家への相談が可能です。

ただし、買取では価格が下がる傾向があるため注意しましょう。

地代や契約条件が不利な借地権は価格が下がる

周辺相場より地代が高い場合や不利な条件がある借地権は、価格が下がる傾向があります。

契約条件 条件の内容 価格への影響
地代 地代が高い 維持費が高いため価格は下がりやすい
契約期間 残存期間が短い 利用期間が限られるため価格が下がる
地主の承諾条件 承諾料が高い・条件が厳しい 実質的な売却価格が下がる

不利な条件がある借地権は買い手に敬遠されやすいです。

契約書の内容を確認し、不利な条件がある場合は地主との条件変更交渉を検討してください。

あなたの借地権に最適な売却方法は?

借地権の売却方法は「地主への売却」「第三者への売却」「底地権者との同時売却」の3つがあります。

最適な売却方法は、重視する点によって異なります。

以下のフローチャートでご自身の借地権に最適な売却方法を見つけてください。

売却方法判断フロー図
また、専門業者による買取は、地主承諾が得にくい場合や早期現金化を優先したい場合の現実的な選択肢になります。

地主売却・第三者売却・同時売却の3つに加えて、専門業者買取も検討しておくと、売却スピード・価格・手残り額を多角的に比較でき、自分の状況に合った最適な方法を判断できます。

ゴール1:手続きが簡単な地主売却

地主が借地権の買い取りに前向きな場合は地主への売却がおすすめです。

シンプルな地主売却の流れ図
地主売却では地主へ支払う承諾料や、買主探しが必要ありません。

ただし地主売却では、相場より低い価格を提示される傾向があります。
事前に不動産会社で相場感を確認した上で、必要があれば交渉を行いましょう。

A:手続きを簡単にしたいなら地主売却

向いている人

  • 早く売りたい
  • 地主との関係が良好
  • 承諾交渉や買主探しを避けたい
  • 価格より手続きの簡単さを重視したい

次にやること

  • 地主に購入意思を確認する
  • 借地権の査定額を把握する
  • 第三者売却や買取査定とも比較する

ゴール2:市場価格で売却できる第三者売却

地主が買い取りに応じない場合は、不動産会社を通じた第三者への売却を検討しましょう。

地主買取不可時の第三者売却の流れ
第三者への売却価格は更地価格の60〜70%程度が目安です。

第三者売却には地主の譲渡承諾が必要です。
早めに地主へ売却の意向を伝え、承諾を得る手続きを進めましょう。

B:市場価格を狙うなら第三者売却

向いている人

  • できるだけ高く売りたい
  • 売却期間に余裕がある
  • 地主承諾を得られる見込みがある
  • 立地や契約条件が良い

次にやること

  • 地主承諾の条件を確認する
  • 承諾料を含めた手残り額を試算する
  • 買主へ説明できる資料を整理する

ゴール3:最高価格が期待できる同時売却

高値で売却したい場合は、地主と協力した同時売却が有力な選択肢です。
同時売却であれば、更地価格と同程度まで売却価格が上がる可能性があります。

同時売却の構造図

ただし地主と借地人の双方が売却に合意する必要があり、交渉の難易度は高めです。

借地権売却の経験がある不動産会社に仲介を依頼し、地主との協議をサポートしてもらうのをおすすめします。

C:高値を狙うなら底地との同時売却

向いている人

  • 地主も底地売却に前向き
  • 土地を所有権として売れる可能性がある
  • 地主と話し合える関係がある
  • 借地権単体より高く売りたい

次にやること

  • 地主に同時売却の意向を確認する
  • 売却代金の配分を相談する
  • 同時売却に強い不動産会社へ相談する

借地権の査定価格が妥当か判断するポイント

借地権の査定価格が妥当かを判断するには、複数の不動産業者に査定を依頼するのが重要です。

借地権の査定は不動産会社によって金額に大きな差が出やすいです。

複数社に依頼し、以下のチェック項目を比較しましょう。

チェック項目 確認ポイント
更地価格 土地の相場や路線価をもとに査定しているか
借地権割合 国税庁の借地権割合が反映されているか
売却方法 地主売却か第三者売却かで価格差を見ているか
地主条件 承諾料や承諾条件が査定に含まれているか
契約内容 残存期間や地代条件を考慮しているか
建物状況 建物の老朽化や解体費を見込んでいるか
立地需要 駅距離や周辺需要を加味しているか
査定比較 複数社の査定額と根拠を比較しているか

借地権の査定では、金額の高さだけでなく、査定根拠が重要です。

借地権割合や更地価格だけでなく、地主承諾料、契約期間、地代、建物状態まで反映されているかを確認しましょう。

借地権割合と土地価格が査定価格に反映されているか

借地権割合と更地価格が査定額に反映されているかを確認します。

借地権割合は国税庁が定める客観的な指標であり、計算による評価額が借地権本来の価値(ベースライン)です(参考:国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」)。

また土地価格は市場動向に左右されるため、現在の時価になっているかを確認しましょう。

借地権価格=更地価格×借地権割合

土地価格(更地価格) 借地権割合 計算式 借地権価格の目安
3,000万円 60% 3,000万円 × 60% 1,800万円
2,500万円 50% 2,500万円 × 50% 1,250万円
2,000万円 40% 2,000万円 × 40% 800万円

不動産会社によっては早期売却を狙い、低すぎるまたは高すぎる査定を出す場合があります。

査定価格が「更地価格×借地権割合」の計算結果より大幅に低い場合は、なぜその金額になったのか算出根拠を必ず確認しましょう。

反対に、相場より極端に高い査定額の場合も、後から値下げを提案されるケースもあるため、根拠のある金額かどうかを見極めることが大切です。

借地契約の残存期間が査定価格に反映されているか

次に契約期間が価格評価に含まれているかを確認してください。

借地契約では残存期間が短いほど価格が下がりやすい傾向があります。

借地契約 残存期間 関係図

査定価格の説明に「残存期間○年のため△%減」などの根拠が示されているか確認し、記載されていない場合は、担当者に質問しましょう。

残存期間が短くても、更新条件が良ければ価格が維持されるケースもあるため、期間の数字だけで判断せず、更新料や更新拒否リスクまで含めて評価されているかを確認してください。

地主承諾料などの条件が査定に反映されているか

借地権売却時にかかる主な費用は、地主承諾料・仲介手数料・印紙税・解体費用・譲渡所得税です(費用の詳細は「借地権の売却にかかる費用と税金」で解説しています)。

譲渡承諾料が未考慮のまま高額査定が示された場合は、注意が必要です。

査定価格が高くても、譲渡承諾料や仲介手数料、税金を差し引いた手残り額が少なければ意味がありません。

査定を受けるときは、売却価格だけでなく「この金額で売れた場合、最終的に手元にいくら残るか」を不動産会社に試算してもらいましょう。

複数の不動産会社の査定価格を比較する

査定価格の妥当性を判断するために、複数の不動産会社の査定価格を比較しましょう。

借地権は一般的な所有権物件より査定が難しく、会社によって評価額に差が出やすいため、最低でも3社以上に依頼してください。

【複数社の査定価格比較イメージ】

不動産会社 査定価格 査定方法 価格差の理由
A社 1,800万円 更地価格 × 借地権割合 一般的な借地権評価を採用
B社 1,650万円 地主買取を想定 買い手が地主のみのため価格を低めに設定
C社 1,950万円 第三者売却を想定 市場で売却できる可能性を加味

査定額だけを見るのではなく「なぜその金額になったのか」を比較しましょう。また、売却方法の提案内容や地主交渉への対応力も確認することが大切です。

一括査定サービスを利用すれば、一度の入力で複数社に同時依頼が可能です。

借地権の売却にかかる費用と税金

借地権売却では、承諾料や仲介手数料の費用と税金がかかります。

各費用・税金の詳細は以下のとおりです。

費用項目 費用の目安 内容
地主承諾料 借地権価格の10%前後 借地権を第三者へ売却する際に地主へ支払う承諾料
仲介手数料 売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税(上限) 不動産会社に仲介を依頼した場合の成功報酬
印紙税 1万〜6万円程度 売買契約書に貼付する収入印紙の税金
解体費用 100万〜200万円程度(建物規模による) 建物を解体して更地で売却する場合に発生
譲渡所得税 利益に対して約20%または39% 売却益が出た場合に課税される税金

各種費用を把握しておくと、以下の例のように最終的な手残り額を計算することができます。

項目 金額例 確認ポイント
売却価格 1,800万円 査定額ではなく成約見込み額で計算する
譲渡承諾料 △180万円(10%) 地主との交渉条件による、契約書を確認
仲介手数料 △60万円 売却価格×3%+6万円(税別)
印紙税 △1万円 売買契約書の記載金額で変わる
登記費用 △5万円 司法書士への依頼費用含む
解体費(必要な場合) △150万円 更地返還条件の場合に発生
譲渡所得税 条件により異なる 所有期間5年超で約20%、5年以下で約39%
最終手残り額(税金除く) 約1,404万円 売却価格との差額を事前に把握する

譲渡承諾料や仲介手数料、税金を差し引くと、想定より手元に残る金額が少なくなる場合があります。

売却方法を比較するときは、必ず手残り額で判断しましょう。

譲渡承諾料は第三者売却時に地主の承諾を得るために支払う費用です。

相場は売却価格の約10%ですが、地主との交渉結果や契約内容、地域によって異なります。

例:借地権売却価格1,500万円の場合 → 譲渡承諾料の目安は約150万円

地主への直接売却の場合、承諾料は不要です。

注意

譲渡承諾料は契約内容・地域慣習・売却条件によって異なります。地主の提示額が妥当か判断するためにも、借地権に詳しい専門家へ相談しましょう。

古家を解体する場合の解体費用(約100万〜300万円)

建物を解体し更地で引き渡す場合は、解体費用が発生します。

費用は建物の構造と規模によって変わります。

建物構造 解体費用の目安(坪単価) 30坪の場合の目安
木造 3万〜5万円/坪 約90万〜150万円
軽量鉄骨 4万〜6万円/坪 約120万〜180万円
鉄骨造 5万〜7万円/坪 約150万〜210万円
RC(鉄筋コンクリート) 6万〜8万円/坪 約180万〜240万円

解体費用は手残り額に直接影響する大きな費用項目です。

更地返還が契約条件に含まれている場合は、売却価格から解体費を差し引いた金額が実際の手取りになります。

売却前に解体業者から見積もりを取り、手残り額の試算に反映しておきましょう。

なお、契約書に更地返還の記載がない場合は、建物付きのまま引き渡せる可能性もあるため、契約条件を事前に確認してください。

売買契約時に必要な仲介手数料(物件価格 × 3% +6万円)

仲介手数料は、第三者売却などで不動産会社へ支払う費用です。

仲介手数料は宅建業法で上限が定められ、物件価格をもとに計算します。不動産会社が受け取れる報酬額は上限が規制されています。

物件価格 上限の計算方法 上限額の目安(税込)
800万円以下 特例:一律30万円(税抜) 33万円
800万円超 価格×3%+6万円(税抜) 価格による

物件価格が3,000万円の場合:
3,000万円 × 3% + 6万円 = 96万円(税抜)
消費税10%を加算 → 105万6,000円(税込)

低廉な空家等に該当する場合は、800万円以下の取引で報酬上限が30万円(税抜)となる特例があります。

ただし、適用可否は物件や契約内容によって異なるため、不動産会社に確認してください。

仲介手数料は売却方法によって発生有無が変わり、地主への直接売却や、専門業者への買取ではかからないケースもあります。

売買契約書に必要な印紙税(1万〜6万円程度)

売買契約書には、契約金額に応じて印紙税がかかります。

契約金額(記載金額) 軽減後の印紙代 (参考:通常の税率)
10万円超 〜 50万円以下 200円 400円
50万円超 〜 100万円以下 500円 1,000円
100万円超 〜 500万円以下 1,000円 2,000円
500万円超 〜 1,000万円
以下
5,000円 1万円
1,000万円超 〜 5,000万円
以下
1万円 2万円
5,000万円超 〜 1億円以下 3万円 6万円
1億円超 〜 5億円以下 6万円 10万円

印紙税は他の費用(承諾料・仲介手数料・解体費)と比べると金額は小さいですが、手残り額のシミュレーションには含めておきましょう。

契約書は売主・買主それぞれが1通ずつ保管するため、2通分(各自1通)の収入印紙が必要です。

2027年3月31日までの軽減措置は不動産の譲渡に関する契約書が対象です。

借地権のみの売買契約書が軽減対象になるかは、契約内容によって異なるため、不動産会社や税理士に確認してください。

借地権売却で発生する譲渡所得税(利益の約20〜39%)

借地権売却で利益(譲渡所得)が生じた場合、譲渡所得税が発生します。

譲渡所得=売却価格−(取得費+譲渡費用)−特別控除
譲渡所得税=譲渡所得×税率

税率は保有期間が5年以下かどうかで異なります。

所有期間 所得税 住民税 合計税率
短期譲渡(5年以下) 30% 9% 約39%
長期譲渡(5年超) 15% 5% 約20%

マイホームとして利用していた借地権付き建物を売却する場合は、「居住用財産の3,000万円特別控除」を利用できる可能性があります。

以下の記事で詳しく説明していますので、参考にしてください。

借地権をできるだけ高く売却するポイント

借地権を少しでも高く売却するには、以下のポイントを押さえておきましょう。

高く売却するためのチェックリスト

借地契約書を確認した
契約期間と更新時期を確認した
地代や更新料を整理した
地主承諾の見込みを確認した
譲渡承諾料の目安を確認した
建物状態や修繕履歴を整理した
第三者売却・地主売却・買取を比較した
底地との同時売却の可能性を確認した
複数社に査定を依頼した
売却価格ではなく手残り額で比較した

借地権を高く売るには、単に査定額の高い会社を選ぶだけでは不十分です。

地主承諾の見込み、承諾料、契約条件、買主需要を整理し、複数の売却方法を比較することが重要です。

借地権の取引実績がある不動産会社に依頼する

借地権売却では、不動産会社の選び方が手残り額に直結します。

借地権取引の実績がある不動産会社であれば、適正価格での査定と地主交渉のサポートが期待できます。

借地権は通常の不動産売却と異なり、地主との交渉・借地借家法への理解・特殊な権利関係の整理が必要です。

項目 一般不動産売却 借地権売却
権利の内容 土地と建物の所有権 土地を借りて利用する権利(借地権)
売却の自由度 所有者の判断で自由に売却可能 地主の承諾が必要な場合が多い
価格の決まり方 土地価格や市場需要で決定 更地価格 × 借地権割合が目安
売却難易度 比較的売却しやすい 地主条件や契約内容により難易度が上がる
主な費用 仲介手数料・印紙税・譲渡所得税 仲介手数料・印紙税・譲渡所得税・地主承諾料
契約条件 特別な契約条件は少ない 地代・契約期間・承諾条件などの影響を受ける

借地権に不慣れな会社に依頼すると、地主交渉が長引いて売却期間が延びる、承諾料を考慮しない査定で手残り額が想定を下回るといったリスクがあります。

会社を選ぶ際は、査定額の高さだけでなく「借地権の売却実績」「地主交渉の対応力」「手残り額まで試算してくれるか」を確認しましょう。

地主との関係が良好な状態で売却手続きを進める

地主との関係が良好であれば、承諾料などの交渉が有利に進み、高値で売却できる可能性が高まります。

地主が承諾に前向きであれば、第三者売却や同時売却を進めやすくなります。
借地権売却と地主承諾の関係図

一方、地代の滞納や地主とのトラブルがある状態での売却交渉は、難航する傾向があります。

売却を検討しているなら、日頃から地主との関係を良好に保つようにしましょう。

借地契約の更新時期を確認して売却タイミングを検討する

借地契約の更新直後のタイミングに売り出せば、買主が当面の更新料を負担しなくて済むため、売却価格が高くなる傾向があります。

また、残存期間が長い時期ほど高値で売却できる可能性が高いです。

契約残存期間と売却価格の関係図

更新料の相場は借地権価格の5〜10%程度とされており、更新直前に売却すると買主がその負担を見込んで値引き交渉をしてくる可能性があります。

例えば、借地権価格が1,800万円で更新料が10%の場合、更新直前なら180万円分の値引き要素が生まれます。

売却タイミングによって手残り額が変わるため、更新時期を確認した上で売却スケジュールを立てましょう。

・残存期間が長く残っている
・売却時期は更新直後がおすすめ

底地権者との同時売却を検討する

底地権者との同時売却は、借地権を単体で売るより高値を狙える方法です。

買主は土地を所有権として取得できるため、住宅ローンや将来の建替え面で検討しやすくなるからです。

借地権+底地権のシンプルな構造図

地主が前向きでない場合でも、交渉次第で同意を得られるケースがあります。

ただし、地主の売却意思と配分条件が必要になるため、同時売却の実績がある不動産会社へ相談しましょう。

借地権売却に強い不動産会社の選び方

借地権に強い不動産会社は、借地権取引実績や経験を確認して選びましょう。

借地権売却は一般の不動産取引とは異なるため、大手が最適とは限りません。

以下のチェックリストを利用すれば、借地権売却に強い会社を見極められます。

借地権売却の実績がある
借地権割合だけでなく契約条件を見て査定できる
地主承諾や承諾料の説明ができる
地主売却・第三者売却・買取を比較できる
底地との同時売却を提案できる
弁護士や司法書士と連携できる
査定額の根拠を説明できる
売却後の手残り額まで試算できる

査定額の高さだけでなく、借地契約、地主承諾、承諾料、売却方法の比較まで説明できる会社を選ぶことが重要です。

借地権の売却実績がある会社を選ぶ

過去に借地権の売却実績がある不動産会社を選ぶことが重要です。

借地権売却は地主との交渉など特殊な手続きがあり、通常の不動産とは異なる知識と経験が必要です。

比較項目 実績がある会社 実績が少ない会社 チェックポイント
借地権の取扱件数 売却事例を具体的に提示できる 実績が曖昧、または少ない 過去の借地権売却事例を確認する
査定の根拠 借地権割合・更地価格・地主条件を踏まえて説明できる 価格の根拠があいまい なぜその査定額になるのか質問する
地主との交渉力 承諾料や譲渡条件の調整に慣れている 交渉経験が乏しく売却が停滞しやすい 地主交渉の経験有無を確認する
売却方法の提案力 地主売却・第三者売却・同時売却を比較提案できる 提案が一択になりやすい 複数の売却方法を提示できるか確認する

実績がある会社かどうかは、具体的な質問で見極められます。

「過去に借地権を何件くらい扱いましたか」「地主との承諾交渉はどのように進めますか」「手残り額の試算は出してもらえますか」と聞いてみましょう。

曖昧な回答や実績を具体的に示せない場合は、借地権売却の経験が少ない可能性があります。

地主との交渉経験がある会社を選ぶ

借地権売却では地主との交渉経験がある会社を選びましょう。

地主交渉の経験が豊富な会社は、承諾料の適正相場を把握しており、不当に高い承諾料を求められた場合の対処法も提案できます。

借地権売却の交渉プロセス図
承諾料が売却価格の10%か20%かで手残り額は大きく変わるため、交渉力のある会社を選ぶことは価格面でも重要です。

「承諾料の交渉実績はありますか」「承諾料を下げられたケースはありますか」といった質問で確認できます。

複数社に査定依頼して売却価格と提案内容を比較する

複数の不動産会社に査定を依頼し、売却価格と提案内容を比較しましょう。

1社のみの査定では相場感を把握しにくく、低い価格を提示されても気づけないリスクがあります。

最低3社以上に査定を依頼し、売却価格だけでなく提案内容を比較するのが重要です。

比較項目 一般的な不動産会社 借地権に強い不動産会社
査定価格と根拠 周辺の取引事例のみをベースにし、各種費用(名義変更料など)が反映されていないことがある。 借地権の特性や契約条件を反映した現実的な価格を提示し、根拠も論理的。
地主交渉サポート 「売主様から地主へ承諾をもらってきてほしい」と売主任せになりがち。 間に立って承諾料や条件面の交渉をサポートしてくれ、関係悪化を防ぐ。
売却戦略の提案 第三者(不動産買取業者など)への売却一択になりやすい。 同時売却や地主買取など、価格優先で売却方法を提案してくれる。

複数社を比較するときは、査定額だけでなく「売却方法ごとの手残り額」を各社に出してもらうと判断しやすくなります。

たとえば、A社が第三者売却で1,800万円、B社が地主売却で1,200万円と提示した場合、一見A社が有利に見えますが、承諾料・手数料・税金を差し引くと手残り額の差が縮まることもあります。

「売却価格」と「手残り額」に加え、交渉サポートや売却手法も比較して依頼先を決定しましょう。

借地権売却におすすめの不動産一括査定

借地権売却では、査定額や売却方法の提案内容を比較するために、最低2〜3社へ査定を依頼することが大切です。

一括査定サービスを利用すれば、一度の入力で複数社へ査定を依頼できますが、サービスによっては借地権に対応していない場合もあるため、対応可否を確認して選びましょう。

借地権売却におすすめの一括査定サービスは以下の3サービスです。

比較項目 すまいステップ すまいValue HOME4U
サービスの特徴 優良企業のみを厳選。担当者の質を重視。 超大手6社への直接依頼。権利調整のプロ集団。 NTTデータ運営。審査が厳しく、老舗・実力店が多い。
提携会社数 全国2,000社以上 超大手6社 約2,500社
対応エリア 全国 全国 全国
借地権対応の有無
同時売却の調整
地主交渉サポート
向いている人 地主交渉を経験豊富な営業担当者に任せたい人 相続が絡む「複雑な借地権」を抱えている人 相談先がわからない地方物件や古い家の人

査定額が高くても、地主承諾や承諾料交渉に対応できるとは限りません。実績・交渉経験・手残り額の説明があるかをあわせて確認しましょう。

すまいステップ|借地権売却に強い担当者で安心

すまいステップ
項目 内容
サービス名 すまいステップ
運営会社 株式会社Speee
サービス内容 厳選された優良不動産会社・担当者に限定した不動産一括査定サイト
利用料金 完全無料
提携会社数 全国2,000社以上
対応物件 マンション、一戸建て、土地、ビル、店舗、倉庫など
所要時間 最短60秒(Webフォーム入力)
比較可能数 最大4社
対応エリア 全国
公式HP https://sumai-step.com/
特徴 所有権移転率No.1:査定後の実売却に至った割合で1位を獲得
エース級の担当者限定:売買経験5年以上、100件超の実績などの基準をクリアしたプロが対応
スピード成約:業界平均より約1か月早い売却スピードの実績

すまいステップは、一定の実績基準を満たした、質の高い担当者のみを紹介する不動産一括査定サイトです。

査定担当者に「宅建士保有」「売買仲介実績100件以上」などの独自基準を設け、不動産比較サイト調査(参考:すまいステップ 公式サイト)では所有権移転率で第1位を獲得しています。

また、評価の低い会社を排除する『イエローカード制度』や、税制・売却相場を解説した専門家監修の記事が提供されているのも特徴です。

すまいステップの強みや選ばれる理由

  • 成約につながる高精度の査定価格の提示が可能
  • 売買経験5年以上エース級のプロからアドバイスを受けられる
  • 強引な勧誘を防ぐ制度があるので安心して利用できる
  • 査定から所有権移転までの平均日数が約106日と短期間での成約率が高い

すまいステップがおすすめな人

すまいステップは地主との交渉を経験豊富な営業担当者に任せたい人におすすめです。

「売買経験5年以上」「累計100件以上の実績」などの基準を満たした担当者のみが紹介されるので、複雑な権利関係の調整にも対応しやすいのが特徴です。

またコンプライアンスを重視した会社が選ばれているため、地主との関係を壊さない丁寧な対応を求める方にも適しています。

すまいValue|大手6社運営で初めての借地権売却も安心

すまいValue
項目 内容
サービス名 すまいValue(すまいバリュー)
運営会社 大手不動産会社6社の共同運営
三井のリハウス、住友不動産販売、東急リバブル、野村の仲介+、小田急不動産、三菱地所ハウスネット
サービス内容 大手6社にまとめて査定依頼できる不動産一括査定サイト
利用料金 完全無料
提携会社数 6社
対応物件 マンション、一戸建て、土地など
所要時間 最短60秒(Webフォーム入力)
比較可能数 最大6社
対応エリア 全国対応(全国835店舗 ※2024年度時点)
公式HP https://sumai-value.jp/
特徴 トラブルなく取引できたと回答したユーザーは95.5%
成約件数は年間11万件以上(2024年度実績)
71.3%が3か月以内に成約
FP相談や相続支援などの付帯サービスがある
参考:すまいValue 公式サイト

すまいValueは、大手不動産仲介会社6社が共同で運営している一括査定サービスです。

借地権売却では地主との交渉や権利関係の整理が必要になるケースもありますが、大手仲介会社へ直接査定を依頼できるため、複雑な案件でも相談しやすいのが特徴です。

自社のユーザーアンケートでは、95.5%が「トラブルなく安心して取引できた」と回答しており、大手仲介会社に直接依頼できる安心感が評価されています。

またFPや税理士による相談会や不動産知識を解説した「すまいValueマガジン」などのサポートも充実しています。

すまいValueの強みや選ばれる理由

  • サイト自体を不動産仲介のトップ企業6社が共同で運営している
  • 膨大な成約データに基づいた「精度の高い査定」で早期売却の可能性が高い
  • 大手各社が独自に提供する売却サポートメニューがそのまま適用される
  • 利用者アンケートでの信頼度95.5%(参考:すまいValue 公式サイト

すまいValueがおすすめな人

すまいValueは地主との交渉に不安がありつつ、高値売却を目指す方におすすめのサービスです。

すまいValueを運営する6社はいずれも大手不動産会社で、組織力や法務体制が整っています。

中小の不動産会社では対応が難しい複雑な権利関係や、寺社・法人が地主のケースでも、円満な合意につなげやすいのが強みです。

HOME4U|借地権に強い専門会社とのマッチング力

HOME4U
項目 内容
サービス名 HOME4U(ホームフォーユー)
運営会社 株式会社NTTデータ・スマートソーシング(NTTデータグループ)
サービス内容 不動産一括査定サービス
利用料金 完全無料
提携会社数 約2,500社
対応物件 マンション、一戸建て、土地など
所要時間 最短60秒(Webフォーム入力)
比較可能数 最大6社
対応エリア 全国対応
公式HP https://www.home4u.jp/sell/
特徴 2001年から運営されている不動産一括査定サイト
NTTデータグループ運営で情報管理体制に強みがある
抵当権付き物件の相談実績もある
大手から地域密着型まで幅広い不動産会社と提携している

HOME4U(ホームフォーユー)は、マンション・戸建て・土地の売却に対応した不動産一括査定サービスです。

全国の不動産会社と提携しているため、借地権売却に対応できる会社を効率よく探せます。

2001年にサービスを開始した日本初の不動産一括査定サービスで、20年以上の運営実績を持つ信頼性の高いサービスです。

HOME4Uの強みや選ばれる理由

  • NTTデータグループ運営、Pマーク取得の信頼性
  • 業界初(2001年〜)の業界最長実績
  • 悪質な不動産業者を排除するパトロール制度
  • 宅地建物取引士などの専門スタッフがサポート

HOME4Uがおすすめな人

HOME4Uは、どの不動産会社に相談すべきかわからない初心者にこそおすすめのサービスです。

提携先の質が高く、借地権の取扱実績がある会社と効率よくマッチングできます。

大手だけでなく地域密着型の優良企業とも提携しているため、エリア特性が強い借地権でも対応可能です。

借地権売却の流れ

借地権売却の流れ
借地権売却の流れは、不動産会社への相談や査定の後に地主の承諾確認があるのが特徴です。

STEP やること 相場確認のポイント
STEP1 不動産会社に査定を依頼する 複数社に依頼し、査定額の幅を把握する
STEP2 借地契約書と借地権割合を確認する 更地価格×借地権割合で相場の目安を計算する
STEP3 地主から売却承諾を得る 承諾料の金額を確認し、手残り額に反映する
STEP4 売却方法を比較する 地主売却・第三者売却・買取の価格差を比較する
STEP5 買主を探して売買契約を締結する 査定額と成約価格のズレを確認する
STEP6 費用と税金を差し引いた手残り額を確認する 承諾料・手数料・税金を差し引いた最終手残り額を計算する
STEP7 決済と引き渡しを行う 精算金額に漏れがないか最終確認する

借地権売却では、最初に相場を把握し、その後に地主承諾や費用を反映した手残り額を確認することが重要です。

査定額だけで売却方法を決めず、地主売却・第三者売却・買取の条件を比較しましょう。

不動産会社に査定を依頼する

まず複数の不動産会社に査定を依頼し、売却価格の目安を把握します。

一社だけでは価格の妥当性や信憑性がわからないため必ず複数査定を依頼しましょう。

STEP 1
不動産会社を選定

借地権の取扱実績がある会社を複数選ぶ。最低2〜3社に依頼するのが基本。

STEP 2
査定を依頼

机上査定または訪問査定を依頼する。まずは机上査定でOK。

STEP 3
査定価格の提示

各社から査定額と売却プランが提示される。価格だけでなく根拠を確認する。

STEP 4
内容を比較・検討

査定価格・売却方法・条件を比較する。手残り額で判断する。

STEP 5
依頼先を決定

最適な不動産会社と媒介契約を結ぶ。高すぎる査定には注意する。

複数の不動産会社への査定には一括査定サービスを活用すると効率的です。

査定価格だけでなく、借地権売却の実績や地主交渉のサポート体制も確認した上で、媒介契約を結ぶ会社を選びましょう。

第三者売却の場合、地主からの譲渡承諾が必要です(参考:借地借家法第19条)。

STEP 1
売却方針の決定

地主売却か第三者売却かを決める。第三者売却の場合は承諾が必要。

STEP 2
買主候補の選定

第三者売却の場合は購入希望者を見つける。条件を固めてから交渉するのが基本。

STEP 3
地主へ事前相談

売却の意向や条件を伝える。いきなり本交渉せず事前に打診する。

STEP 4
承諾条件の交渉

譲渡承諾料や契約条件を調整する。相場は借地権価格の10%前後。

STEP 5
承諾書の取得

地主から正式な承諾書をもらう。書面での取得が必須。

STEP 6
売買契約の締結

承諾後に売買契約を締結する。承諾なしでの契約はトラブルの原因。

地主が承諾しない場合は、借地権専門業者や専門家への相談を検討しましょう。
価格は下がる可能性がありますが、早く物件売却を行えるのが特徴です。

買主を探して売買契約を締結する

次に不動産会社を通じて買主を募集します。

STEP 1
買主を探す
STEP 2
条件交渉
STEP 3
地主承諾
STEP 4
売買契約締結

買主が見つかったら、売買条件を交渉し、売買契約を締結します。

契約書には売買価格・引渡し条件・地主承諾の有無などを明記します。

借地権の売却は権利関係が複雑なため、署名前に、細部まで契約内容を確認しましょう。

決済と引き渡しを行う

最後に売買代金を支払い、借地権・建物の引き渡しを同時に行います。

STEP 1
最終確認

契約内容・金額・必要書類を確認する。承諾書や契約書の内容を事前にチェック。

STEP 2
残代金の支払い

買主から売主へ残代金が支払われる。銀行で同時に行われることが多い。

STEP 3
各種費用の精算

仲介手数料や承諾料などを支払う。事前に金額を把握しておく。

STEP 4
権利の引き渡し

借地権を買主へ移転する。承諾済みであることが前提。

STEP 5
鍵・書類の引き渡し

建物の鍵や関係書類を渡す。同時に完了するのが一般的。

STEP 6
取引完了

すべての手続きが完了し、売却成立となります。

決済手続き前に準備しておくもの(一例)
・権利書(登記識別情報)
・印鑑証明書
・住民票
・地主の譲渡承諾書などの必要書類

借地権売却に関するQ&A

借地権の売却は手続きが複雑な上、税務や法律の知識も必要です。

以下ではよくある疑問をまとめました。

第三者への売却には、原則として地主の譲渡承諾が必要です(参考:借地借家法第19条)。

ケース 地主の承諾 内容
地主へ売却する場合 不要 土地所有者本人が買主のため承諾は不要
第三者へ売却する場合 必要 借地借家法により地主の承諾が原則必要
地主が承諾しない場合 例外あり 裁判所の許可(借地非訟)により売却可能

地主の承諾がどうしても得られない場合は、借地権専門業者への買取依頼や専門家への相談が効果的です。また、裁判所に代諾許可を申し立てる方法もあります。

契約条件に特別な記載がある、もしくは地主への直接売却であれば承諾は不要です。

借地権はどのくらいの期間で売却できる?

売却期間は3か月から1年以上と、売却方法や物件の条件により異なります。

売却方法 売却期間の目安 特徴
地主売却 1〜3ヶ月程度 交渉がまとまれば比較的早く売却できる
第三者売却 3〜6ヶ月程度 買主探しや承諾取得に時間がかかる
同時売却 6ヶ月以上 地主との調整が必要で時間がかかりやすい
専門業者買取 2週間〜1ヶ月程度 価格は低くなるがスピード重視で売却可能

地主の承諾がスムーズに得られ、立地の良い物件の場合は3〜6か月程度で売却できる場合もあります。

一方で地主との交渉に時間がかかる場合や買い手が見つかりにくいエリアでは、1年以上かかることもあるでしょう。

借地権の査定は無料で依頼できる?

不動産会社や一括査定サービスでは無料で査定を受けられることが多いです。

ただし、弁護士や税理士への法的・税務的な相談は有料になる場合があります。

査定方法 費用 特徴
机上査定(簡易査定) 無料 データや相場をもとに短時間で価格目安を算出
訪問査定 無料 現地調査を行いより正確な査定価格を提示
一括査定サイト 無料 複数の不動産会社に同時に査定依頼できる
不動産鑑定士による鑑定 有料(数十万円程度) 法的効力のある正式な評価が必要な場合に利用

まずは不動産会社の無料査定で相場を把握しましょう。

借地権の売却相場は、どのエリアでも「借地権割合」と同じになりますか?

同じにはなりません。

路線価図の「借地権割合」は基準であり、実際の売却とは異なります。

都心部・駅近など好立地:需要が高く、借地権割合に近い価格で売却できる場合がある
郊外・需要が低いエリア:買い手がつきにくく、借地権割合の評価額を下回る場合がある

複数の不動産会社に査定依頼し、エリアの相場を把握してください。

借地権の査定額が相場より低いのはなぜですか?

契約期間が短い、地代が高い、地主承諾が不透明、建物が老朽化しているなどの理由で、査定額が相場より低くなることがあります。

査定額の根拠を不動産会社に確認し、改善できる要素がないか相談してください。

借地権売却の手残り額はどう計算しますか?

売却価格から、譲渡承諾料(売却価格の10〜20%目安)、仲介手数料(売却価格×3%+6万円)、登記費用、印紙税、譲渡所得税を差し引いた金額が手残り額です。

売却方法によって差し引かれる費用が変わるため、複数パターンで試算しましょう。

借地権の相談は実績のある不動産会社へしよう|まずは相場の把握から

借地権の売却相場と計算方法・売却方法ごとの価格差・高く売るポイントについて解説しました。

記事の重要ポイント

【1】相場と価格の決まり方

  • 価格の目安は「更地価格 × 借地権割合(30〜70%)」で算出する
  • 実際の価格は「残存期間・立地・地代条件・地主との関係性」で変動する

【2】売却方法と高く売るコツ

  • 売却方法は「地主・第三者・同時売却」の3パターンがある
  • 高値が期待できるのは「同時売却」
  • 地主との関係性が売却結果に大きく影響する

【3】売却の進め方と注意点

  • 承諾料(相場10%)などの費用が査定に含まれているか確認
  • 借地権の実績と地主交渉力がある会社を選ぶ
  • 必ず3社以上を比較して判断する

借地権の売却は通常の不動産より複雑ですが、正しい知識と準備があればスムーズに、高い売却価格も狙えるでしょう。

まずは複数の不動産会社に査定を依頼し、借地権価値の把握から始めてください。