借地権付き建物は老朽化しても売却できる?売却する方法や解体前に確認しておくべきポイントを解説
老朽化した借地権付き建物でも、状態や契約内容によっては売却できる場合があります。
借地権付き建物は、土地を地主から借りて建物を所有している状態です。そのため、通常の不動産売却とは異なり、地主の承諾・借地契約の内容・建物の老朽化・解体費用・残置物・相続登記などを確認しながら進める必要があります。
特に注意したいのは、売却や返還を検討する前に建物を解体してしまうことです。建物を解体すると、借地権に影響する可能性があります。地主から更地返還を求められている場合でも、すぐに解体するのではなく、借地権付き建物として売却できるか・地主に買い取ってもらえるか・買取業者へ売却できるかを先に確認することが大切です。
老朽化した借地権付き建物の売却方法には、第三者へ売却する方法・地主に買い取ってもらう方法・買取業者へ売却する方法・底地と借地権を同時売却する方法・売却が難しい場合に解体して返還する方法があります。
ただし、第三者へ売却する場合は地主承諾が必要になることが多く、譲渡承諾料や名義書換料が発生する場合もあります。また、建物が老朽化している場合は、解体費用や残置物処分費を差し引くと、想定より手残り額が少なくなることもあります。
この記事では、老朽化した借地権付き建物が売却できるケース・売却方法・解体前に確認すべきこと・老朽化の程度別の判断基準・売却でかかる費用・地主承諾の注意点・不動産会社の選び方・売却の流れを解説します。
・老朽化した借地権付き建物は売却できるのか
・老朽化した借地権付き建物の売却方法
・借地権付き建物を解体する前に確認すべきこと
・老朽化の程度別に見る売却判断
・売却でかかる解体費用や残置物処分費
・地主承諾や交渉時の注意点
・借地権付き建物に強い不動産会社の選び方
・老朽化した借地権付き建物を売却する流れ
・借地権付き建物の老朽化と売却に関するよくある質問
読み終えるころには、老朽化した借地権付き建物を解体するべきか・売却できる可能性があるか・どの相談先に査定を依頼すべきかを整理しやすくなります。
老朽化した借地権付き建物は売却できる?
老朽化した借地権付き建物でも、状態や契約内容によっては売却できる場合があります。
借地権付き建物とは、地主から土地を借り、その土地上の建物を所有している状態を指します。そのため、売却できるかどうかは建物の老朽化の程度だけでなく、借地契約の内容・地主との関係・建物登記の状況によって変わります。
「古い建物だから解体して地主へ返すしかない」と思い込んでいる方も多いですが、借地権は財産的価値を持つ場合があり、契約内容や地主承諾の状況によっては売却できる可能性があります。また、建物を解体すると借地権に影響する可能性があるため、解体する前に売却できる可能性・地主の承諾・契約内容を確認することが大切です。
老朽化していても借地権付き建物として売却できる場合がある
老朽化した建物であっても、立地や借地権に価値があれば、借地権付き建物として売却できる可能性があります。買主が建物をそのまま使う場合だけでなく、リフォームや解体前提で購入を検討する買主も存在します。また、借地権や訳あり物件に対応している買取業者であれば、老朽化・残置物があっても相談できるケースもあります。
「古いから売れない」と決めつけず、まず解体前に査定を取り、売却価格から費用を差し引いた手残り額で判断することが重要です。解体費用や残置物処分費が発生した場合、手元に残る金額が想定より少なくなるケースもあります。
上記のうち複数に当てはまる場合は、解体せずに売却できる可能性があります。借地権に強い不動産会社へ査定を依頼して確認してみましょう。
解体前に借地契約書と地主承諾の必要性を確認する
借地権付き建物を売却する前に、まず借地契約書(更新契約書を含む)を確認することをおすすめします。契約書には、契約期間・地代・更新料・譲渡承諾の条項・名義書換料・返還条件などが記載されていることがあります。
借地権付き建物を第三者へ売却する場合は、契約内容によって地主の承諾が必要になることが多く、承諾にあたって譲渡承諾料や名義書換料が発生する場合があります。これらは売却価格から差し引かれるため、手残り額に大きく影響します。
| 確認項目 | 内容 | 確認のポイント |
|---|---|---|
| 契約期間・更新時期 | 残存期間の長さが売却可能性に影響する | 更新済みか・次の更新時期はいつか |
| 地代・更新料 | 滞納があると地主承諾に影響する場合がある | 支払い状況に問題がないか |
| 譲渡承諾・名義書換料 | 第三者売却時に地主承諾と費用が発生する場合がある | 承諾料の有無・金額・負担者 |
| 解体・返還条件 | 更地返還を求められる場合の費用負担を確認 | 誰が解体費用を負担するか |
| 地主の連絡先 | 交渉時に必要/承諾内容は書面で確認する | 連絡が取れるか・担当窓口はどこか |
借地契約書が見つからない場合は、地主や借地権に強い不動産会社・司法書士に確認することをおすすめします。承諾条件は口頭だけで済ませず、書面に残しておくことをおすすめします。
建物を解体すると借地権に影響する可能性がある
借地権は「建物所有を目的として土地を借りる権利」です。そのため、建物を解体してしまうと、契約内容や状況によっては借地権の扱いに影響する可能性があります。解体後は借地権付き建物として売却できなくなる場合もあります。
地主から更地返還を求められた場合でも、すぐに解体を進めず、まず売却可能性と借地契約の内容を確認することが重要です。解体後に「売れたかもしれない」と気づいても、元の状態には戻せません。
建物を解体すると必ず借地権が消滅するわけではありませんが、契約内容や状況によっては権利に影響する可能性があります。解体前に借地契約書・建物買取請求権の適用可否・解体後の取り扱いを、借地権に強い不動産会社や弁護士・司法書士に確認することをおすすめします。
売却できるかは建物状態・契約内容・地主との関係で変わる
老朽化した借地権付き建物が売却できるかどうかは、建物の状態だけで決まりません。「老朽化=売れない」という判断は早計な場合があり、複数の観点から確認することが重要です。
| 判断軸 | 売却しやすいケース | 注意が必要なケース |
|---|---|---|
| 建物状態 | 使用または再生できる状態・立地需要がある | 倒壊リスクあり・未登記・残置物が多い |
| 契約内容 | 残存期間が十分・地代滞納なし・譲渡承諾条項あり | 契約期間が短い・地代滞納あり・相続登記未了 |
| 地主との関係 | 連絡が取れる・承諾を得られそう・買取意向がある | 連絡が取れない・更地返還を強く求めている・関係が悪化している |
複数の条件を確認したうえで、借地権に強い不動産会社へ査定を依頼し、売却方法と手残り額を比較して判断することをおすすめします。
老朽化した借地権付き建物の売却方法
老朽化した借地権付き建物の処分方法は、「解体して地主へ返す」だけではありません。状況によっては、借地権付き建物のまま売却できる可能性があります。
主な売却・処分方法は5つあります。それぞれ地主承諾の要否・売却スピード・費用負担・手残り額が異なるため、自分の状況に合った方法を比較して選ぶことが重要です。売却価格の高さだけで判断すると、解体費用や承諾料を差し引いた後の手残り額が想定より少なくなる場合があるため、注意が必要です。
借地権付き建物のまま第三者へ売却する
老朽化した建物でも、立地や借地権の条件次第では、借地権付き建物のまま第三者へ売却できる可能性があります。買主がリフォームや建替えを前提に検討するケースや、解体前提でも価値を見出す買主が見つかる場合があります。
ただし、第三者へ売却する場合は地主の承諾が必要になることが多く、譲渡承諾料や名義書換料が発生するケースがあります。これらを差し引いた手残り額で、他の売却方法と比較することが重要です。また、建物の不具合は告知したうえで契約条件を整理する必要があります。
第三者売却は、条件が整えば買取業者への売却より高い金額で売却できる場合があります。借地権に強い不動産会社に相談し、地主承諾の見通しと手残り額を確認したうえで進めることをおすすめします。
地主に借地権や建物を買い取ってもらう
地主が借地権や建物を買い取ることで、土地を自由に使いやすくなるため、地主が買い取りに前向きなケースでは交渉が進みやすくなります。第三者売却と異なり、地主への売却では譲渡承諾料が不要になることが多く、手続きも早く進む場合があります。
一方で、地主の提示価格だけで判断すると、相場より低くなることがあります。借地権に強い不動産会社や買取業者の査定額と比較したうえで交渉することをおすすめします。売却条件や返還条件は書面で残しておくことも重要です。
| 項目 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 手続きの速さ | 買主探しが不要なため早く進みやすい | 地主が前向きでない場合は進まない |
| 承諾料 | 譲渡承諾料が不要になることが多い | 交渉内容によって異なる場合がある |
| 売却価格 | 権利関係を整理しやすい | 提示価格が相場より低くなる場合がある |
| 返還条件 | 条件を一括で整理できる | 解体費用の負担者を書面で確認する必要がある |
借地権付き建物の買取業者へ売却する
借地権や訳あり物件を専門に扱う買取業者であれば、老朽化・残置物・解体前提の状態でも相談できるケースがあります。仲介で買主を探すより早く現金化しやすく、解体費用や残置物処分費込みで相談できるケースもあります。
一方で、仲介による第三者売却と比較すると、買取価格は低くなる傾向があります。1社だけで判断せず、複数の買取業者に査定を依頼し、費用負担の条件も含めた手残り額で比較することをおすすめします。
底地と借地権を同時売却する
地主(底地所有者)と協力して、底地と借地権をまとめて第三者へ売却する方法です。買主にとって土地の利用制限がなくなるため、借地権単体より買主の幅が広がり、高値を狙いやすくなる場合があります。老朽化した建物であっても、土地としての需要が高いエリアでは有効な選択肢となる可能性があります。
ただし、地主の同意と売却代金の分配条件の調整が必要であり、地主が協力的でない場合は実現できません。同時売却に強い不動産会社に実現可能性を相談したうえで検討することをおすすめします。
同時売却は地主との合意が前提です。売却代金の分配割合は当事者間の交渉によって異なるため、条件を書面で整理したうえで進めることをおすすめします。実現できるかどうかを専門会社に確認してから検討するのが安心です。
売却が難しい場合は解体して返還する
第三者売却・地主売却・買取業者への売却のいずれも難しい場合、最終的な選択肢として解体して地主へ返還する方法があります。倒壊リスクが高い・維持管理が困難・地主から強く更地返還を求められているケースでは、検討対象となることもあります。
ただし、解体には費用がかかります。解体費用は建物の構造・規模・立地条件・重機の搬入可否などによって異なり、個別の見積もりで確認する必要があります。残置物処分費が別途発生する場合もあります。先に述べたように、建物を解体すると借地権に影響する可能性もあるため、売却査定を取り手残り額を比較してから判断することをおすすめします。
| 売却・処分方法 | 想定されるケース | 地主承諾 | 価格の目安 | 売却スピード | 主な注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第三者売却 | 立地需要があり、買主を探せる状況 | 必要になることが多い | 高くなりやすい場合がある | 時間がかかる場合がある | 譲渡承諾料が発生する場合がある |
| 地主へ売却 | 地主が前向き・早く手放したい | 不要になることが多い | 低くなる場合がある | 早く進みやすい | 提示価格を他の査定と比較する必要がある |
| 買取業者へ売却 | 老朽化・残置物あり・早く売りたい | 必要になることが多く、交渉サポートの有無は業者による | 仲介より低くなりやすい | 比較的早い | 複数社で査定額・条件を比較する |
| 底地と同時売却 | 地主が協力的・土地需要が高いエリア | 地主との合意が前提 | 高値を狙いやすい場合がある | 調整に時間がかかることが多い | 分配条件の合意が必要 |
| 解体して返還 | 売却が難しい・倒壊リスクが高い | 地主との返還条件確認が必要 | 売却収入なし・解体費用が発生 | 解体工事の期間による | 借地権への影響を事前に確認する |
借地権付き建物を解体する前に確認すべきこと
老朽化した借地権付き建物を解体する前には、借地契約の内容・建物買取請求権の適用可否・解体費用・売却可能性を確認する必要があります。
借地権は建物所有を前提に成立しているため、建物を解体すると借地権の扱いに影響する可能性があります。地主から更地返還を求められている場合でも、解体前に売却査定・契約内容・費用の確認を行ってから判断することが重要です。
解体すると借地権を失う可能性がないか確認する
借地権は「建物所有を目的として土地を借りる権利」です。建物を解体した場合、契約内容や状況によっては借地権付き建物として売却できなくなる可能性があります。また、解体後の土地返還条件で不利になる場合も考えられます。
老朽化しているからといって自己判断で解体を進めると、売却できた可能性を失ってしまうことがあります。まず借地契約書・更新契約書を確認し、解体後の借地権の取り扱いを借地権に強い不動産会社や弁護士・司法書士に相談したうえで判断することをおすすめします。
| 確認項目 | 確認内容 | 相談先 |
|---|---|---|
| 契約期間・更新時期 | 残存期間・更新済みかどうか | 不動産会社・司法書士 |
| 建物所有の条件 | 解体時に借地権へ影響する条項がないか | 弁護士・司法書士 |
| 解体時の取り扱い | 解体後の借地権の扱いが契約書に記載されているか | 弁護士・不動産会社 |
| 返還条件 | 更地返還の条件・解体費用の負担者 | 不動産会社・弁護士 |
| 地主との合意内容 | 口頭合意だけになっていないか・書面があるか | 不動産会社・弁護士 |
建物を解体すると必ず借地権が消滅するわけではありませんが、契約内容や状況によって取り扱いが異なります。法的な判断が必要な場合は弁護士や司法書士への相談をおすすめします。
地主から更地返還を求められてもすぐに解体しない
地主から更地返還を求められると、「解体しなければならない」と感じる方も多いですが、前述の通り、解体前に売却可能性を確認することが重要です。老朽化した建物でも、借地権付き建物として売却できる場合や、地主に買い取ってもらえる場合、買取業者に相談できる場合があります。
解体費用を自己負担する前に、売却・買取・地主交渉・解体返還を比較することで、手残り額やリスクの観点からより合理的な判断ができる可能性があります。地主との交渉が難しい場合は、借地権に強い不動産会社や弁護士に相談することをおすすめします。
建物買取請求権を使える条件があるか確認する
借地契約の終了時などの状況によっては、建物買取請求権を検討できる場合があります。建物買取請求権とは、一定の条件を満たす場合に、借地権者が地主に建物の買取を請求できる権利です(借地借家法第13条)。ただし、いつでも・誰でも使える権利ではなく、契約内容や状況・建物の状態によって適用可否が異なります。
老朽化が進んでいる建物では、建物の状態が買取請求に影響する場合もあります。解体や返還を検討する前に、弁護士など専門家に適用条件を確認することをおすすめします。自己判断で解体を進めてしまうと、建物買取請求権を活用できる可能性を失ってしまうことがあります。
建物買取請求権の適用可否は、契約の経緯・終了理由・建物の状態など個別の事情によって判断が異なります。記事内で断定することは難しく、法的な判断が必要な論点です。解体前に弁護士へ相談することをおすすめします。
解体費用と売却した場合の手残り額を比較する

解体するか売却するかを判断する際は、売却価格の高低だけでなく、各選択肢で最終的に手元に残る金額を比較することが重要です。解体費用・残置物処分費・譲渡承諾料・登記費用・税金などを差し引いた手残り額で判断することをおすすめします。
解体費用は建物の構造・規模・立地・重機の搬入可否・アスベストの有無などによって異なり、個別の見積もりで確認する必要があります。売却査定と解体費用の見積もりを同時期に取得し、比較したうえで判断することをおすすめします。なお、手残り額はあくまで目安であり、個別の条件によって変わります。
| 選択肢 | 売却・買取価格 | 主な費用 | 手残り額の考え方 |
|---|---|---|---|
| 借地権付き建物として売却 | 仲介査定額が目安 | 譲渡承諾料・仲介手数料・登記費用など | 査定額から費用を差し引いた金額 |
| 買取業者へ売却 | 買取査定額が目安(仲介より低い傾向) | 残置物処分費の扱いは業者による | 買取価格から費用負担分を差し引いた金額 |
| 地主へ売却 | 地主提示額が目安(相場より低い場合がある) | 返還条件・解体費用負担の有無による | 提示額から費用負担を差し引いた金額 |
| 解体して返還 | 売却収入なし | 解体費用・残置物処分費が発生 | 費用がそのままマイナスになる場合がある |
解体前に借地権に強い不動産会社へ査定を依頼する
解体を検討する前に、借地権に強い不動産会社へ査定を依頼し、売却できる可能性を確認することをおすすめします。老朽化した借地権付き建物でも、立地・契約内容・買主需要によっては売却や買取ができる場合があります。
査定を依頼する際は、借地契約書・建物登記・建物の状態・残置物の状況・地主の連絡先などを事前に整理しておくと、より具体的な提案を受けやすくなります。また、1社だけでなく複数社に相談し、売却方法ごとの手残り額を比較することをおすすめします。
上記を複数社に確認・比較したうえで、解体するかどうかを判断することをおすすめします。
老朽化の程度別に見る借地権付き建物の売却判断
老朽化した借地権付き建物の売却方法は、建物の状態によって適した選択肢が異なります。「老朽化している」といっても、軽度の劣化なのか、居住が難しい状態なのか、倒壊リスクがあるのかによって、取るべき対応は変わります。
建物状態だけでなく、前述の通り借地契約の内容・地主承諾・手残り額もあわせて確認することが重要です。自分の建物状態に近いケースを参考に、まず何を確認すべきかを整理してみましょう。
軽度の老朽化なら借地権付き建物として売却を検討する
雨漏りや傾きなどの重大な不具合が少なく、修繕や再利用の余地がある場合は、借地権付き建物として売却を検討できる可能性があります。買主がリフォームを前提に検討するケースもあり、解体費用をかけずに売却できれば、手残り額を確保しやすくなる場合があります。
ただし、軽度の老朽化であっても建物の不具合は告知したうえで売却を進める必要があります。告知義務を果たさずに売却すると、後からトラブルになる可能性があります。また、前述の通り第三者売却では地主承諾が必要になることが多いため、承諾料を含めた手残り額で判断することをおすすめします。
居住が難しい状態なら買取業者や解体前提の買主を探す
劣化が進んで居住や再利用が難しい状態では、一般の買主に売りにくくなることがあります。ただし、借地権や訳あり物件を専門に扱う買取業者や、解体前提で購入を検討する買主であれば、相談できる可能性があります。
買取業者への売却は早く進みやすい一方で、前述の通り仲介より価格が低くなる傾向があります。複数の買取業者に査定を依頼し、解体費用や残置物処分費の負担条件を含めた手残り額で比較することをおすすめします。
| 売却先の候補 | 特徴 | 確認すべき点 |
|---|---|---|
| 借地権専門の買取業者 | 老朽化・残置物ありでも相談できる場合がある | 買取価格・費用負担・決済時期 |
| 訳あり物件の買取業者 | 状態が悪い物件に対応できる場合がある | 残置物処分の扱い・解体費用の負担 |
| 解体前提の買主 | 仲介経由で見つかる場合がある | 地主承諾の必要性・譲渡承諾料 |
| 地主 | 土地を自由に使いたい場合に前向きなことがある | 提示価格・返還条件・書面確認 |
倒壊リスクがある場合は売却・管理・解体を早急に比較する
外壁の大きなひび割れ・屋根の崩れ・建物の傾きなど、倒壊や近隣への被害が懸念される状態の場合は、売却可能性の確認と同時に、安全面への対応も早急に検討する必要があります。放置すると近隣トラブルや管理責任の問題につながる可能性があります。
倒壊リスクがある場合でも、すぐに解体を決める前に買取業者への売却可能性を確認することをおすすめします。一方で、売却・管理・解体のいずれを優先すべきかは、リスクの大きさと費用負担・手残り額のバランスで判断する必要があります。緊急性が高い場合は、専門家や自治体の相談窓口に確認することも選択肢です。
倒壊リスクがある建物を放置した場合、近隣への損害賠償責任を問われる可能性があります。売却活動と並行して、応急的な安全対策や管理対応を検討することをおすすめします。売却・管理・解体のどれを優先するかは、借地権に強い不動産会社や専門家に相談しながら判断することが重要です。
未登記や相続登記未了なら売却前に権利関係を整理する
建物が未登記の場合や、相続登記が完了していない場合は、売却の手続きが進みにくくなる可能性があります。借地権付き建物の売却では、建物の所有者・相続人・共有者の権利関係が明確になっていることが重要です。
相続登記が未了の場合は、まず登記名義の確認と相続人の整理が必要になる場合があります。共有者がいる場合は、全員の売却意思を確認したうえで進める必要があります。登記手続きは司法書士、相続人間でのトラブルがある場合は弁護士への相談をおすすめします。
残置物が多い場合は処分費込みの手残り額で判断する
老朽化した建物には家財や不用品が残っているケースも多く、残置物の量によっては処分費用が手残り額に大きく影響します。残置物が多いと一般の買主に敬遠される場合があります。一方で、買取業者であれば残置物込みで相談できる場合もあります。
片付けてから売却するか、残置物込みで買取業者に売却するかは、処分費用を差し引いた手残り額で比較して判断することをおすすめします。査定時に残置物の状況を正確に伝えることで、より実態に近い手残り額を把握しやすくなります。
| 対応方法 | 特徴 | 手残り額への影響 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 片付けてから売却 | 一般の買主にも売りやすくなる場合がある | 処分費用がかかるが査定額が上がる場合がある | 処分費と査定額の差を比較する |
| 残置物込みで買取 | 手間をかけずに早く売却できる場合がある | 買取価格に処分費が反映される場合がある | 複数の買取業者で条件を比較する |
| 解体とあわせて処分 | 解体業者が残置物を含めて対応できる場合がある | 解体費用に残置物処分費が加算される場合がある | 解体前に売却可能性を確認する |
残置物の量・種類・搬出経路の状況によって処分費用は異なります。仏壇・貴重品・危険物などが残っている場合は、処分方法を個別に確認する必要があります。
老朽化した借地権付き建物の売却でかかる費用
老朽化した借地権付き建物を売却する際は、売却価格だけでなく、解体費用・残置物処分費・譲渡承諾料・名義書換料・登記費用・税金などを差し引いた手残り額で判断することが重要です。
建物の状態や借地契約の内容によって必要な費用は異なります。費用を把握しないまま売却方法を決めると、想定より手元に残る金額が少なくなる場合があるため、売却活動と並行して費用の確認を進めることをおすすめします。
解体費用は建物の構造や広さによって変わる
借地権付き建物を解体する場合、費用は建物の構造・延床面積・階数・接道状況・重機の搬入可否・アスベストの有無・地中埋設物の状況などによって異なります。同じ広さの建物でも、木造・鉄骨造・RC造(鉄筋コンクリート造)では解体費用の目安が変わるケースがあります。
国土交通省の調査(令和4年度建設副産物実態調査)によると、解体工事の費用は建物の条件によって大きく幅があるとされており、個別の見積もりで確認することが重要です。アスベストが使用されている場合は、事前調査と除去費用が別途発生する場合があります。解体費用は複数の解体業者から見積もりを取り、売却査定額と比較したうえで手残り額を確認することをおすすめします。なお、解体費用はあくまで目安であり、個別の条件によって異なります。
| 費用に影響する要素 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 建物構造 | 木造・鉄骨造・RC造で費用の目安が変わる場合がある | 構造によって解体工法が異なる |
| 延床面積・階数 | 広さや階数が多いほど費用が高くなる傾向がある | 登記事項証明書で確認する |
| 接道状況・重機搬入 | 重機が入れない立地では費用が上がる場合がある | 手作業が増えると割増になる場合がある |
| アスベスト | 使用されている場合は事前調査と除去費用が発生する場合がある | 1975年以前の建物は特に確認が必要 |
| 地中埋設物 | 古い浄化槽や基礎が残っている場合に追加費用が発生する場合がある | 事前に確認できない場合がある |
残置物処分費は家財の量によって変わる
老朽化した建物に家財や不用品が残っている場合、残置物処分費が発生します。処分費用は残置物の量・種類・搬出経路の状況によって異なるため、一律に断言することはできません。大型家具・家電・仏壇・危険物などが多い場合は、処分費用が高くなる傾向があります。
前述の通り、片付けてから売却するか、残置物込みで買取業者に相談するかは手残り額で比較することが重要です。査定時に残置物の量や種類を正確に伝えることで、より実態に近い条件で比較しやすくなります。引き渡し条件(残置物をどちらが処分するか)は、契約前に明確にしておくことをおすすめします。
譲渡承諾料や名義書換料が必要になる場合がある
前述の通り、借地権付き建物を第三者へ売却する場合は地主の承諾が必要になることが多く、承諾にあたって譲渡承諾料や名義書換料が発生する場合があります。金額は借地契約の内容・地主との交渉・地域の慣行によって異なるため、一律に断言することはできません。
譲渡承諾料の金額については、借地権価格を基準に算出されることが多いとされていますが、個別の条件によって大きく異なります。あくまで目安として参考にするにとどめ、価格を保証するものではありません。承諾料を差し引いた手残り額で、他の売却方法と比較して判断することをおすすめします。承諾条件は書面で確認することが重要です。
| 確認項目 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 譲渡承諾料 | 地主承諾にあたって発生する場合がある | 金額は契約内容・交渉による |
| 名義書換料 | 借地権の名義変更時に発生する場合がある | 譲渡承諾料と別に請求される場合がある |
| 負担者 | 売主・買主どちらが負担するかは交渉による | 契約前に明確にしておく必要がある |
| 支払い時期 | 売買契約時・決済時など条件によって異なる | 書面で支払い時期を確認しておく |
相続登記や建物登記の費用がかかる場合がある
相続登記が未了の場合や建物が未登記の場合は、売却手続きを進める前に登記費用が発生する場合があります。なお、2024年4月1日より相続登記が義務化されており(不動産登記法第76条の2)、相続を知った日から3年以内に登記申請を行う必要があるとされています。
登記手続きにかかる費用は、登録免許税・司法書士報酬・書類取得費用などで構成されますが、個別の状況によって異なります。抵当権が残っている場合は抹消手続きが別途必要になる場合もあります。登記費用も手残り額に含めて確認することをおすすめします。登記関連の手続きは司法書士への相談をおすすめします。
売却益が出た場合は譲渡所得税や確定申告を確認する
借地権付き建物を売却して利益が出た場合、譲渡所得税や住民税が発生する可能性があります。売却価格から取得費・譲渡費用を差し引いた譲渡所得に対して課税される仕組みです(所得税法第33条)。ただし、税額の計算や控除・特例の適用可否は個別の状況によって異なるため、記事内で断定することはできません。
譲渡費用として扱える可能性がある費用には、仲介手数料・売却のために必要な解体費用・残置物処分費・譲渡承諾料・登記費用などがあります。これらの領収書や資料は売却後も保管しておくことをおすすめします。税金の判断は税理士や税務署へ確認することが重要です。相続した建物の場合は、取得費の確認方法が通常と異なる場合があるため、早めに相談することをおすすめします。
売却したからといって必ず税金が発生するわけではなく、取得費・譲渡費用・各種特例の適用によって結果は異なります。税金を含めた最終的な手残り額を把握するためにも、売却前後に税理士へ相談することをおすすめします。
老朽化した借地権付き建物の地主承諾と交渉の注意点
借地権付き建物を売却する際は、地主との関係が売却条件に大きく影響する場合があります。前述の通り、第三者へ売却する場合は地主の承諾が必要になることが多く、承諾条件・承諾料・返還条件によって手残り額が変わります。
地主との関係を悪化させてしまうと、承諾が得にくくなったり、同時売却や地主買取の交渉が進みにくくなったりする可能性があります。感情的な対立を避け、借地権に強い不動産会社や専門家を交えながら冷静に進めることが重要です。
第三者売却では地主の承諾条件を事前に確認する
借地権付き建物を第三者へ売却する場合、買主探しを始める前に地主の承諾条件を確認することをおすすめします。借地契約書や更新契約書に譲渡承諾の条項がある場合は、承諾の要否・承諾料の有無・名義書換料の金額・負担者を事前に整理しておく必要があります。
承諾条件が事前に明確になっていないと、買主が見つかった後に交渉が難航することがあります。また、承諾料や名義書換料は売却価格から差し引かれるため、手残り額に直接影響します。承諾内容は口頭だけでなく書面で確認しておくことが重要です。不明点は借地権に強い不動産会社や弁護士へ相談することをおすすめします。
| 確認項目 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 譲渡承諾の要否 | 借地契約書の譲渡承諾条項を確認する | 契約内容や借地権の種類によって異なる場合がある |
| 譲渡承諾料 | 承諾にあたって費用が発生する場合がある | 金額は交渉・契約内容による |
| 名義書換料 | 借地権の名義変更時に発生する場合がある | 譲渡承諾料と別に請求される場合がある |
| 買主への条件 | 地主が買主に条件を付ける場合がある | 買主探しの前に確認しておくことをおすすめします |
| 承諾書 | 承諾内容を書面で残す | 口頭合意だけでは後からトラブルになる場合がある |
地主との関係を悪化させず売却方針を相談する
地主との関係が良好であれば、第三者売却・地主売却・底地との同時売却など、複数の選択肢を相談しやすくなります。一方、関係が悪化していると承諾を得にくくなる可能性があります。
地主にとっても、借地権付き建物が売却されることで土地の活用につながる場合があります。地主にとってのメリットも踏まえながら、売却方針を一方的に進めず丁寧に相談する姿勢が重要です。交渉に不安がある場合は、借地権に強い不動産会社を間に挟んで進めることをおすすめします。交渉内容は後から確認できるよう書面や記録に残しておくことも有効です。
地代や更新料の滞納がある場合は売却前に整理する
地代や更新料の滞納がある場合、地主との信頼関係が損なわれ、承諾を得にくくなる可能性があります。また、買主や買取業者も支払い状況を確認する場合があり、滞納が判明すると売却条件に影響するケースもあります。
滞納がある場合は、金額・滞納期間・地主からの督促状況を整理したうえで、売却代金での清算が可能かどうかを確認することをおすすめします。滞納を隠したまま売却を進めることはトラブルの原因になることも考えられます。状況によっては弁護士への相談も選択肢となります。
| 確認項目 | 内容 | 対応方針 |
|---|---|---|
| 滞納額・滞納期間 | 地代・更新料の未払い状況を整理する | 売却前に金額を明確にしておく |
| 督促の状況 | 地主から督促を受けているか確認する | 放置せず早めに対応することをおすすめします |
| 清算方法 | 売却代金での清算が可能か確認する | 不動産会社や弁護士に相談する |
| 地主との合意 | 清算条件を地主と確認する | 書面で合意内容を残しておく |
承諾料や返還条件は口頭ではなく書面で残す
地主との間で合意した承諾条件・返還条件・費用負担は、口頭だけでなく書面で残しておくことが重要です。譲渡承諾料・名義書換料・解体費用の負担者・更地返還の期限・残置物の扱いなど、認識違いが起きやすい項目は特に注意が必要です。
口頭合意だけで進めた場合、後から「言った・言わない」のトラブルになる可能性があります。合意内容は承諾書や覚書などの書面に残し、双方が署名・押印したうえで保管することをおすすめします。書面の内容に不明点がある場合は、借地権に強い不動産会社や弁護士へ確認することをおすすめします。
承諾が得られない場合は専門会社や弁護士へ相談する
地主の承諾が得られない場合、第三者への売却が難しくなる可能性があります。承諾が得られない理由を確認したうえで、承諾料や返還条件の調整余地がないかを検討することをおすすめします。
自己判断での交渉が難航している場合は、借地権に強い不動産会社に交渉方針を相談することで、状況が整理しやすくなります。法的な判断が必要な場合は弁護士への相談が選択肢となります。なお、借地非訟(裁判所が地主に代わって承諾を与える手続き)という制度が借地借家法に定められていますが、適用条件や手続きの詳細は弁護士への確認が必要です。地主との対立を深める前に、専門家を交えて冷静に対応方針を整理することをおすすめします。
| 対応方針 | 内容 | 相談先 |
|---|---|---|
| 承諾しない理由を確認する | 地主が何を懸念しているかを把握する | 不動産会社・弁護士 |
| 条件を調整する | 承諾料・返還条件の調整余地を確認する | 不動産会社・弁護士 |
| 地主買取を検討する | 地主に借地権や建物を買い取ってもらえないか確認する | 不動産会社 |
| 買取業者へ相談する | 承諾が得にくい場合でも対応できる業者に相談する | 借地権専門の買取業者 |
| 借地非訟を確認する | 法的手続きの適用可否を専門家に確認する | 弁護士 |
老朽化した借地権付き建物に強い不動産会社の選び方
老朽化した借地権付き建物の売却は、通常の所有権不動産と比べて確認事項が多く、地主承諾・借地契約・建物の老朽化・解体費用・残置物・登記など複合的な問題が関係する場合があります。そのため、借地権付き建物の売却実績がある会社に相談することが重要です。
査定額の高さだけで会社を選ぶと、費用負担の説明が不十分なまま進んでしまうことがあります。売却方法の比較提案・地主交渉への対応・手残り額の説明・専門家との連携まで確認したうえで、複数社の提案内容を比較することをおすすめします。
借地権付き建物の売却実績がある会社を選ぶ
借地権付き建物の売却は、地主承諾・譲渡承諾料・借地契約の確認など、通常の戸建て売却にはない手続きが発生する場合があります。借地権の取引に慣れていない会社では、地主交渉や承諾条件の整理に時間がかかったり、手残り額の見積もりが不十分になったりするケースもあります。
借地権付き建物の売却実績・老朽化物件の対応経験・対応エリアでの取引実績を確認したうえで相談先を選ぶことをおすすめします。実績だけでなく、査定額の根拠や売却方法の提案内容も複数社で比較することが重要です。
老朽化物件や残置物あり物件に対応できる会社を選ぶ
老朽化が進んでいる建物や残置物が多い物件は、通常の仲介だけでは売却しにくいことがあります。建物の劣化状況を正確に査定でき、解体前提の売却や買取業者との比較提案ができる会社に相談することが重要です。
残置物の扱いや解体費用の見込みを含めて手残り額を説明してくれる会社であれば、現実的な判断がしやすくなる場合があります。建物の状態を正確に伝えたうえで査定してもらい、そのまま売却する場合と片付けてから売る場合の手残り額を比較することをおすすめします。
| 確認ポイント | 内容 |
|---|---|
| 老朽化物件の査定実績 | 老朽化した建物を扱った経験があるか |
| 残置物ありでの対応 | 残置物込みで査定・売却相談に対応できるか |
| 解体前提の売却提案 | 解体前提の買主探しや買取提案ができるか |
| 処分費込みの手残り額説明 | 残置物処分費・解体費用を含めた手残り額を説明できるか |
| 買取業者との比較 | 仲介と買取の両方を比較して提案してくれるか |
地主交渉や譲渡承諾に詳しい会社を選ぶ
前述の通り、借地権付き建物の第三者売却では地主の承諾が必要になることが多く、承諾料・名義書換料・返還条件の調整が必要になることがあります。地主交渉の経験が少ない会社では、承諾条件の整理や交渉方針の立案が難しくなることも考えられます。
譲渡承諾の条件を説明できるか・地主への提案方針を持っているか・地主が承諾しない場合の対応を相談できるかを確認したうえで選ぶことをおすすめします。地主との関係維持を重視しながら進められる会社であれば、同時売却や地主買取の交渉もしやすくなる場合があります。
売却・買取・解体返還を比較してくれる会社を選ぶ
老朽化した借地権付き建物では、前述の通り第三者売却・地主売却・買取業者への売却・底地との同時売却・解体返還など複数の選択肢があります。一つの方法だけを強くすすめる会社では、自分の状況に合った判断がしにくくなる場合があります。
複数の売却方法を比較提案してくれる会社であれば、手残り額・売却スピード・地主承諾の要否・費用負担をそれぞれ確認したうえで判断しやすくなります。一つの方法だけを強くすすめてくる場合は、他の選択肢との比較を求めることをおすすめします。
| 確認ポイント | 内容 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 第三者売却の提案 | 仲介での売却可能性を説明できるか | 地主承諾の見通しと手残り額を示せるか |
| 買取との比較 | 買取業者への売却と仲介を比較できるか | 買取価格と費用負担を含めた手残り額を示せるか |
| 地主売却・同時売却 | 地主への売却や底地との同時売却を提案できるか | 実現可能性と条件を説明できるか |
| 解体返還との比較 | 解体返還した場合の費用負担も説明できるか | 売却との手残り額比較を示せるか |
解体費用や承諾料を含めた手残り額まで説明してくれる会社を選ぶ
査定額が高くても、解体費用・残置物処分費・譲渡承諾料・名義書換料・登記費用・税金を差し引くと手残り額が大きく変わる場合があります。査定額だけを強調する会社ではなく、費用を含めた手残り額まで説明してくれる会社を選ぶことが重要です。
売却方法ごとの手残り額を比較できる形で提示してくれる会社であれば、自分の状況に合った判断がしやすくなります。高い査定額だけで契約を急かすような対応には注意が必要です。税金の判断は税理士への確認が必要なため、税務面でも連携できる体制があるかを確認することをおすすめします。
弁護士や司法書士や解体業者と連携できる会社を選ぶ
老朽化した借地権付き建物の売却では、地主承諾・建物買取請求権・相続登記・未登記建物・解体費用・税金など、不動産会社だけでは対応しきれない専門的な問題が発生することがあります。弁護士・司法書士・解体業者・税理士と連携できる体制がある会社に相談することで、必要な専門家へスムーズにつながりやすくなる場合があります。
ただし、専門家との連携があるからといって、すべての問題が解決するわけではありません。どのような専門家と連携しているか・費用や対応範囲はどうなっているかを事前に確認したうえで相談することをおすすめします。
| 相談先 | 主な対応内容 | 相談が必要な場面 |
|---|---|---|
| 不動産会社 | 売却方法の比較・査定・地主承諾の相談 | 売却方針を決める段階 |
| 弁護士 | 地主承諾・借地非訟・建物買取請求権の確認 | 地主との交渉が難航している場合 |
| 司法書士 | 相続登記・建物登記・名義変更 | 登記が未整理の場合 |
| 解体業者 | 解体費用の見積もり・アスベスト調査・残置物処分 | 解体返還を検討している場合 |
| 税理士 | 譲渡所得税・確定申告・取得費の確認 | 売却益が出る可能性がある場合 |
老朽化した借地権付き建物を売却する流れ
老朽化した借地権付き建物の売却は、通常の戸建て売却と比べて確認事項が多く、借地契約書・建物登記・地主承諾・解体費用・残置物・手残り額などを順番に整理しながら進める必要があります。
特に、解体前に売却可能性を確認することが重要です。最初から解体返還を前提にせず、まず借地契約の内容と売却可能性を把握したうえで、手残り額を比較して売却方法を選ぶことが基本となる流れです。途中で弁護士・司法書士・解体業者・税理士への相談が必要になるケースもあります。
STEP1:借地契約書と建物登記を確認する
売却を進める前にまず、借地契約書・更新契約書・建物の登記事項証明書を確認し、契約期間・地代・更新料・譲渡承諾条項・建物名義・相続登記の状況を整理することをおすすめします。これらが把握できていないと、査定依頼の際に正確な情報を伝えられず、売却方針の判断が難しくなる場合があります。
契約書が見つからない場合は、地主や借地権に強い不動産会社・司法書士に確認することをおすすめします。共有者や相続人がいる場合は、全員の売却意思を確認する必要があります。登記関連の手続きは司法書士への相談をおすすめします。
STEP2:建物状態や残置物の状況を整理する
査定や売却方法の判断に必要な、建物状態と残置物の状況を整理することをおすすめします。雨漏り・シロアリ・傾き・設備故障・倒壊リスクの有無を確認し、修繕履歴とあわせて整理しておくと、査定時により実態に近い条件で相談しやすくなる場合があります。
建物の不具合は隠さず正確に伝えることが重要です。告知義務を果たさずに売却を進めると、後からトラブルになることも考えられます。残置物の量・種類・搬出経路の状況も確認しておくことをおすすめします。
STEP3:借地権に強い不動産会社へ査定を依頼する
STEP1・STEP2で整理した情報をもとに、借地権付き建物の売却実績がある不動産会社へ査定を依頼することをおすすめします。前述の通り、1社だけでなく複数社に相談し、提案内容を比較することが重要です。
査定を依頼する際は、第三者売却・地主売却・買取業者への売却・解体返還それぞれの手残り額を比較できる形で提案してもらえるかを確認することをおすすめします。査定額の根拠と費用負担の説明も確認することが重要です。
STEP4:地主売却・第三者売却・買取・解体返還を比較する
査定結果をもとに、売却方法を比較することをおすすめします。地主への売却は早く進みやすい一方で、提示価格の妥当性を確認する必要があります。第三者売却は高値を狙いやすいケースもありますが、地主の承諾が必要になることが多く、買取は早く進みやすい一方で価格が低くなりやすい傾向があります。解体返還は費用負担と借地権への影響を確認する必要があります。
売却スピードを優先するか、手残り額を優先するかによって適した方法が変わる場合があります。底地と借地権の同時売却も地主が協力的であれば選択肢となることがあります。
| 売却方法 | 価格の目安 | 売却スピード | 地主承諾 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 第三者売却 | 高くなりやすい場合がある | 時間がかかる場合がある | 必要になることが多い | 譲渡承諾料が発生する場合がある |
| 地主へ売却 | 低くなる場合がある | 早く進みやすい | 不要になることが多い | 提示価格を他の査定と比較する |
| 買取業者へ売却 | 仲介より低くなりやすい | 比較的早い | 必要になることが多く、交渉サポートの有無は業者による | 複数社で条件を比較する |
| 解体して返還 | 売却収入なし・解体費用が発生 | 解体工事の期間による | 返還条件の確認が必要 | 借地権への影響を事前に確認する |
STEP5:地主承諾や解体費用を確認する
売却方法の候補が絞れたら、地主承諾の条件と費用を確認することをおすすめします。第三者売却を選ぶ場合は地主承諾の条件・譲渡承諾料・名義書換料を確認する必要があります。解体返還を選ぶ場合は解体費用・残置物処分費の見積もりを取ることをおすすめします。
前述の通り承諾条件や返還条件は書面で確認することが重要です。承諾が得られない場合は、借地権に強い不動産会社や弁護士へ相談することをおすすめします。
STEP6:手残り額を比較して売却方法を決める
売却価格・買取価格・解体費用・残置物処分費・譲渡承諾料・名義書換料・登記費用・税金を差し引いた最終的な手残り額で、売却方法を比較して決めることをおすすめします。高い売却価格が必ずしも有利とは限らないため、費用負担込みで判断することが重要です。
税金については個別の条件によって異なるため、税理士への確認をおすすめします。手残り額はあくまで目安であり、価格を保証するものではありません。売却スピード・費用負担・リスク回避のバランスも含めて判断することをおすすめします。
STEP7:契約・決済・引き渡しを行う
売却方法が決まったら、売買契約または買取契約を締結します。契約前に地主承諾書の取得・建物の状態に関する告知・残置物の扱い・解体費用の負担者・決済時期を明確にしておくことが重要です。
口頭合意だけで進めず、契約書に条件を明記することをおすすめします。不明点は不動産会社や専門家へ確認することをおすすめします。
STEP8:必要に応じて確定申告を行う
売却して利益が出た場合は譲渡所得税や住民税が発生する可能性があります。売買契約書・仲介手数料・解体費用・譲渡承諾料・登記費用などの領収書や資料は売却後も保管しておくことをおすすめします。
確定申告の要否・時期・控除や特例の適用可否は個別の状況によって異なります。税理士や税務署へ確認することをおすすめします。相続した建物の場合は取得費の確認方法が通常と異なる場合があるため、早めに相談することをおすすめします。
借地権付き建物の老朽化と売却に関するよくある質問
老朽化した借地権付き建物の売却について、よくある疑問をまとめました。「解体して返すしかないのか」「地主承諾は必要か」「売れない場合はどうすればよいか」など、判断に迷いやすい点を中心に整理しています。
借地権は老朽化した建物で消滅しますか?
建物が老朽化しているだけで直ちに借地権が消滅するとは限りません。借地権は建物所有を目的として土地を借りる権利であるため、建物が残っている状態では契約期間中も存続するケースもあります。
ただし、建物を解体した場合は、契約内容や状況によって借地権の扱いに影響する可能性があります。前述の通り、自己判断で解体を進める前に借地契約書の内容を確認し、弁護士や司法書士へ相談することをおすすめします。
借地権付き建物は売却できますか?
老朽化した借地権付き建物でも、状態や契約内容・地主との関係によっては売却できることがあります。第三者への売却・地主への売却・買取業者への売却・底地との同時売却など、複数の選択肢を検討することが重要です。
売却できるかどうかは建物の状態・立地需要・借地契約の内容・地主承諾の見込みによって変わります。「老朽化しているから売れない」と決めつけず、解体前に借地権に強い不動産会社へ査定を依頼して確認することをおすすめします。
借地権付き建物の価値はいくらですか?
借地権付き建物の価値は、土地価格・借地権割合・建物の状態・借地契約の残存期間・地代・地主承諾の見込み・売却方法によって異なります。一律に断言することはできません。
借地権割合は国税庁が公表する路線価図(国税庁「路線価図・評価倍率表」)で確認できますが、これはあくまで相続税評価上の目安であり、実際の売却価格を保証するものではありません。老朽化の程度や費用負担によって手残り額は大きく変わるため、借地権に強い不動産会社への査定で実態を確認することをおすすめします。
借地権付き建物を地主へ売却できますか?
地主が買い取りに前向きな場合は、借地権や建物を地主へ売却できる可能性があります。第三者売却と異なり、地主への売却では譲渡承諾料が不要になることが多く、早く進みやすい傾向があります。
ただし、地主の提示価格だけで判断すると相場より低くなる場合があります。前述の通り、借地権に強い不動産会社や買取業者の査定額と比較したうえで交渉することをおすすめします。売却条件は書面で確認することが重要です。
借地権付き建物を売却するとき地主承諾は必要ですか?
第三者へ売却する場合は、契約内容や借地権の種類によって地主の承諾が必要になることが多いです。借地契約書や更新契約書に譲渡承諾の条項がある場合は、承諾を得たうえで進める必要があります。
承諾にあたって譲渡承諾料や名義書換料が発生する場合があり、金額は契約内容・地主との交渉によって異なります。承諾内容は書面で残しておくことをおすすめします。承諾が得られない場合の対応については、借地権に強い不動産会社や弁護士へ相談することをおすすめします。
借地権付き建物が売れない場合はどうすればよいですか?
売れない理由によって対応方針が異なります。老朽化が強い・残置物が多い・地主承諾が得られないなど、原因を整理したうえでそれぞれの選択肢を比較することをおすすめします。
売れないと判断する前に、複数の不動産会社や買取業者へ相談し、選択肢を比較することをおすすめします。
借地権付き建物を解体して返す必要はありますか?
借地権付き建物を必ず解体して返還しなければならないわけではありません。借地契約書の返還条件・地主との合意内容によって異なります。地主から更地返還を求められている場合でも、まず売却可能性・地主買取・買取業者への売却を確認することをおすすめします。
前述の通り、建物を解体すると借地権に影響することも考えられます。解体費用と売却した場合の手残り額を比較したうえで判断することが重要です。返還条件は書面で確認し、不明点は借地権に強い不動産会社や弁護士へ相談することをおすすめします。
相続した借地権付き建物でも売却できますか?
相続した借地権付き建物でも、相続登記や権利関係を整理したうえで売却できる見込みはあります。ただし、相続登記が未了・建物が未登記・共有者間で合意が取れていない場合は、売却手続きが進みにくくなる場合があります。
相続登記は司法書士、相続人間でのトラブルがある場合は弁護士へ相談することをおすすめします。権利関係を整理した後に借地権に強い不動産会社へ査定を依頼し、売却方法と手残り額を確認することをおすすめします。
老朽化した借地権付き建物は解体前に売却可能性を確認する
老朽化した借地権付き建物でも、状態や契約内容・地主との関係によっては売却できる可能性があります。「古いから解体して返すしかない」と判断する前に、借地契約書・建物登記・地主承諾・解体費用・売却可能性を確認することが重要です。
建物を解体すると借地権に影響する可能性があるため、解体前に売却査定を取り、手残り額を比較して判断することをおすすめします。売却方法は第三者売却・地主売却・買取業者への売却・底地との同時売却・解体返還の5つがあり、それぞれ地主承諾の要否・費用負担・売却スピード・手残り額が異なります。どの方法が自分の状況に合っているかは、借地権に強い不動産会社への査定と複数社の比較を通じて判断することをおすすめします。
地主から更地返還を求められている場合でも、すぐに解体を進めるのではなく、まず売却可能性と手残り額を確認することをおすすめします。老朽化の程度・建物登記の状況・残置物の量・地主との関係によって適した対応は異なるため、自己判断だけで進めず、借地権に強い不動産会社や必要に応じて弁護士・司法書士・解体業者・税理士を交えて進めることが重要です。
売却価格の高さだけで判断せず、解体費用・残置物処分費・譲渡承諾料・登記費用・税金を差し引いた最終的な手残り額で比較することが重要です。税金の判断は個別の条件によって異なるため、税理士や税務署への確認をおすすめします。法律や登記に関わる判断は弁護士・司法書士への相談をおすすめします。
まずは借地契約書と建物登記を手元に用意したうえで、借地権付き建物の売却に強い不動産会社へ査定を依頼することが、売却可能性を確認する第一歩となります。