再建築不可物件でも、売却は可能です。

ただし、再建築不可物件は建物を解体しても新しく建て替えできないため、通常の不動産より買主が限定されやすく、売却価格も下がりやすい傾向があります。買主が住宅ローンを利用しにくいケースもあり、一般的な戸建てや土地と同じ感覚で売却を進めると、買主が見つかりにくくなる可能性があります。

そのため、再建築不可物件を売却する場合は、物件の状態に合った売却方法を選ぶことが重要になります。たとえば、隣地所有者に購入意思があれば一体利用の価値が生まれやすく、通常より有利な条件で売却できる可能性があります。一方で、早く現金化したい場合や建物の老朽化が進んでいる場合は、再建築不可物件に強い専門買取業者への相談も選択肢になります。

また、再建築不可になっている理由や接道状況によっては、再建築できる可能性があるか確認できる場合もあります。ただし、必ず再建築可能にできるとは限らないため、自治体や建築指導課、不動産会社などに確認しながら進める必要があります。

再建築不可物件は、解体すれば売りやすくなるとは限りません。建物を解体すると新しく建て替えできず、かえって買主が見つかりにくくなる場合もあります。売却前には、接道状況・道路幅員・建物状態・境界・相続登記・固定資産税などを整理し、売却価格だけでなく手残り額や管理リスクも含めて判断することをおすすめします。

この記事では、再建築不可物件でも売却できるのか、売却しにくい理由、高く売る方法、売却時の注意点、相談すべき専門家、売却の流れ、よくある質問を解説します。

この記事でわかること

・再建築不可物件でも売却できるのか

・再建築不可物件が売却しにくい理由

・再建築不可物件を高く売る方法

・再建築不可物件を売却するときの注意点

・再建築不可物件の売却で相談すべき専門家

・再建築不可物件を売却する流れ

・再建築不可物件の売却に関するよくある質問

読み終えるころには、自分の再建築不可物件を一般売却で進めるべきか、隣地所有者へ相談すべきか、専門買取業者へ査定依頼すべきかを整理しやすくなります。

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レビュー総評

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提携会社の質と売却へのつながりやすさが強み。高く・早く売りたい方や、信頼できる不動産会社を比較したい方におすすめです。

Contents
  1. 再建築不可物件でも売却できる?
  2. 再建築不可物件が売却しにくい理由
  3. 再建築不可物件を高く売る方法
  4. 再建築不可物件を売却するときの注意点
  5. 再建築不可物件の売却で相談すべき専門家
  6. 再建築不可物件を売却する流れ
  7. 再建築不可物件の売却に関するよくある質問
  8. 再建築不可物件は物件状況と優先順位に合う売却方法を選ぶ

再建築不可物件でも売却できる?

再建築不可物件でも、売却は可能です。ただし、建物を解体しても新しく建て替えができないため、通常の戸建てや土地と同じ感覚で売りに出すと、買主が見つかりにくいケースがあります。

買主にとって「購入後に建て替えができない」という制限は大きな不安材料になります。そのため、一般の個人買主だけでなく、隣地所有者・投資家・専門の不動産買取業者など、さまざまな買主候補を視野に入れながら売却方法を選ぶことをおすすめします。

また、再建築不可になっている理由や接道状況によっては、再建築できる可能性があるか確認できる場合もあります。ただし、必ず改善できるとは限らないため、自治体や不動産会社に確認しながら進めることをおすすめします。

売却価格だけで判断するのではなく、修繕費・解体費・測量費・税金を差し引いた手残り額で比較することで、より現実的な判断がしやすくなります。

再建築不可物件でも売却は可能

再建築不可物件とは、現在の建物を解体すると、同じ敷地に新しく建物を建てられない物件のことです。「売れない物件」ではありませんが、建て替えができないという制限があるため、通常の不動産と同じ方法では買主が見つかりにくいことがあります。

売却方法としては、大きく分けて次の選択肢が考えられます。一般の個人買主に仲介で売る方法、隣地所有者に買ってもらう方法、再建築不可物件に対応した専門の買取業者に売る方法です。また、建物が使える状態であれば投資用物件として投資家に売れる可能性もあります。

どの方法が現実的かは、接道状況・建物の状態・隣地所有者の意向・売却希望時期によって変わります。まず再建築不可になっている理由を確認し、物件の状態に合う売却方法を選ぶことをおすすめします。

売却先 どんな買主か
一般の個人買主 建物をそのまま使いたい人や、割安な物件を探している人
隣地所有者 土地を広げたい、または隣地と一体利用したい人
専門買取業者 再建築不可物件や訳あり物件を買い取れる不動産会社
投資家 賃貸や収益物件として活用したい人

建て替えができないため買主は限定されやすい

再建築不可物件では、建物を解体すると新しい建物を建てられないため、購入後の活用方法が限られます。通常の古家付き土地であれば「解体して新築を建てる」という選択肢がありますが、再建築不可物件ではその選択肢が取れません。

居住目的で購入したい人にとっては、将来の建て替えができないという点が大きなネックになります。特に築年数が古い場合、購入後の修繕費や老朽化リスクへの不安も加わるため、購入判断が慎重になりやすい傾向があります。

一方で、現在の建物をそのまま使いたい人、賃貸需要のあるエリアであれば投資用に購入したい人、または土地を広げたい隣地所有者にとっては価値のある物件になる場合があります。買主候補を一般の個人買主だけに絞らず、こうした買主層に向けた売却方法を比較・検討することをおすすめします。

限定される理由 買主への影響
建て替えできない 将来の建て替えを前提に購入しにくい
活用方法が限られる 居住・賃貸・倉庫など用途が限定されやすい
修繕費が不安 古い建物では購入後の負担が大きくなりやすい
出口戦略が見えにくい 買主が将来転売しにくいと感じる場合がある

通常物件より売却価格は下がりやすい

再建築不可物件は、通常の戸建てや土地と比べると売却価格が下がりやすい傾向があります。建て替えができないこと、買主が限定されること、住宅ローンを利用しにくい場合があることなどが、価格に影響する主な要因です。

ただし、価格がどの程度下がるかは立地・建物の状態・接道条件・エリアの需要によって異なります。同じ再建築不可物件でも、賃貸需要の高いエリアであれば投資用として評価されやすい場合もあります。相場を一律で断定することは難しいため、複数の不動産会社に査定を依頼し、現実的な価格感を確認することをおすすめします。

売却価格だけで判断するのではなく、修繕費・解体費・測量費・税金などを差し引いた手残り額で比較することで、どの売却方法が自分の状況に合っているかを整理しやすくなります。

価格が下がりやすい要因 内容
建て替え不可 土地としての活用価値が下がりやすい
買主が少ない 一般の個人買主が検討しにくい
住宅ローンの使いにくさ 現金購入できる買主に限られやすい
建物の老朽化 修繕費や解体費が価格に反映されやすい
売却先の違い 一般売却・隣地売却・買取で価格が変わる

住宅ローンを利用できる買主が少なくなりやすい

再建築不可物件は、金融機関から担保価値を低く見られやすく、買主が住宅ローンを利用しにくいケースがあります。建て替えができない物件は将来的な担保価値が低いと判断されやすいため、通常の戸建てと比べてローン審査が通りにくくなる傾向があります。

ただし、住宅ローンが必ず使えないというわけではありません。金融機関によって判断基準が異なるため、利用できるケースもあります。ただ、全体的に住宅ローンを使える買主が減りやすいことは事実であり、現金購入できる買主や投資家、または専門の買取業者が主な買主候補になりやすい特性があります。

こうした事情を踏まえ、住宅ローン利用の個人買主だけを前提にした売却活動では時間がかかりやすくなります。買主候補を広げる販売戦略を不動産会社と相談することをおすすめします。

ローンが使いにくい理由 内容
再建築できない 担保としての将来価値が低く見られやすい
担保評価が低くなりやすい 金融機関の審査が厳しくなる傾向がある
建物が老朽化している 担保として評価されにくい場合がある
活用方法が限られる 流通性が低いとみなされやすい
金融機関ごとに判断が異なる 必ず使えないとは限らないため確認をおすすめします

物件の状態に合う売却方法を選ぶことが重要

再建築不可物件の売却では、「とりあえず仲介で売り出す」という進め方では、買主が見つかりにくいことがあります。接道状況・建物の状態・隣地所有者の意向・売却希望時期によって、適した売却方法は変わります。

高く売りたい場合は、まず隣地所有者に購入意思があるか確認することが有効な場合があります。隣地と一体利用できれば買主にとって価値が生まれやすく、通常より有利な条件で売れる可能性があります。また、再建築可能にできる余地があるか自治体に確認することも選択肢のひとつです。

早く処分したい場合や建物の老朽化が進んでいる場合は、再建築不可物件に強い専門の買取業者への査定依頼も現実的な選択肢になります。売却価格だけでなく手残り額で比較することをおすすめします。

状況 検討しやすい売却方法
高く売りたい 隣地所有者への売却・一般売却・再建築可能化の確認
早く処分したい 専門買取業者への売却・現況売却
建物が使える 中古住宅として売却・投資用として売却
建物が老朽化している 現況買取・修繕費を考慮した売却
隣地所有者が前向き 隣地への売却・一体利用を前提に交渉
相続物件を整理したい 相続登記を済ませ、仲介査定と買取査定を比較
注意

再建築不可物件は売れない物件ではありませんが、通常物件と同じ進め方では買主が見つかりにくいことがあります。売却前に再建築不可の理由・接道状況・建物状態を整理し、複数の売却方法を比較することをおすすめします。

再建築不可物件が売却しにくい理由

再建築不可物件でも売却自体は可能な場合がありますが、通常の不動産より売却しにくい傾向があります。この売却しにくさは、売主側の問題だけでなく、買主にとっての購入障壁から生じている点を理解しておくことが大切です。

建て替えができないこと、住宅ローンを利用しにくい場合があること、購入後の活用方法が限られること――これらが重なることで、通常物件に比べて買主の購入判断が慎重になりやすい構造があります。売れにくい理由を正確に把握することで、物件状態に合う現実的な売却方法を選びやすくなります。

建物を解体すると新しく建て替えできない

再建築不可物件が売却しにくい最大の理由のひとつが、建物を解体すると新しい建物を建てられないという点です。通常の古家付き土地であれば、買主は「古い建物を解体して新築を建てる」という選択肢を持てます。しかし再建築不可物件では、その選択肢が取れません。

そのため、買主は「現在の建物をそのまま使い続ける」ことを前提に購入判断をする必要があります。建物が古く老朽化している場合は、購入後の修繕費や将来的な維持管理への不安が重なり、購入をためらう要因になりやすい傾向があります。

また、「更地にすれば売りやすくなる」とは限らない点にも注意が必要です。再建築不可物件の場合、解体して更地にしても新築用地として売り出せないケースがあります。解体費用がかかるうえに買主が見つかりにくくなる可能性もあるため、解体を検討する場合は事前に不動産会社や自治体へ確認することをおすすめします。

解体前に確認すること 内容
再建築できるか 解体後に新しく建てられるか自治体・建築指導課へ確認する
建物を修繕して使えるか 解体せず現況売却できる可能性があるか確認する
解体費用はいくらか 解体費を差し引いた手残り額で判断する
更地後の活用方法があるか 駐車場・資材置き場など建築以外の活用を検討する
現況売却・
買取を比較したか
解体せず現況のまま売却・買取に出す方が手残り額が増える場合がある

接道義務を満たしていないケースが多い

再建築不可 物件 売却 接道義務

再建築不可物件の多くは、建築基準法上の接道義務を満たしていないことが再建築できない主な原因とされています。都市計画区域・準都市計画区域内では、建築物の敷地は原則として、建築基準法上の道路に2m以上接している必要があります(建築基準法第43条第1項)。接道要件を満たしていない場合でも、同条第2項の認定または許可の対象になれば、建築できる可能性があります。

見た目では道路に接しているように見える物件でも、その道路が建築基準法上の道路に該当しない場合や、接道間口が2m未満の場合は再建築不可となるケースがあります。旗竿地や路地状の細長い敷地も、条件を満たしにくい形状として知られています。

接道状況は、売却価格や買主の購入判断に直接影響する要素のひとつです。買主への説明や売却活動を進めるうえでも、前面道路の種類・道路幅員・接道間口を事前に整理しておくことをおすすめします。確認は自治体の建築指導課や不動産会社、土地家屋調査士へ相談する方法があります。

注意

接道状況の判断は専門的な知識が必要なため、自己判断は避け、自治体の建築指導課や不動産会社への確認をおすすめします。再建築可否を曖昧にしたまま売却活動を進めると、買主との契約後にトラブルになる場合があります。また、建築基準法第43条第2項の認定・許可(特定行政庁の許可)により、一定条件を満たせば再建築できる可能性もあるため、まず自治体へ相談してみることをおすすめします。

接道状況で確認する項目 内容 確認先
前面道路の種類 建築基準法第42条に定める道路(同条第2項道路を含む)か私道・通路かを確認 自治体・建築指導課
道路幅員 4m以上あるか(4m未満の場合はセットバックが必要な場合がある) 自治体・建築指導課
接道間口 2m以上接しているか確認 土地家屋調査士・不動産会社
建築基準法第43条第2項の認定・許可の可能性 建築基準法第43条第2項の認定・許可で再建築できるか確認 自治体・建築指導課
セットバックの必要性 道路幅員を確保するため敷地を後退させる必要があるか確認 自治体・建築指導課

買主が住宅ローンを利用しにくい場合がある

再建築不可物件は金融機関から担保価値を低く評価されやすく、買主が住宅ローンを利用しにくいケースがあります。金融機関は融資の審査において担保となる不動産の価値を重視しますが、再建築不可物件は「建て替えができない=将来の担保価値が低い」と判断されやすいためです。

住宅ローンを利用しにくいと、現金購入できる買主や投資家、専門の買取業者に買主候補が限られやすくなります。一般の個人買主がローンを組めない場合、購入自体を断念するケースも少なくありません。

ただし、金融機関によって審査基準は異なります。すべての金融機関でローンが使えないと断定することはできないため、利用できる金融機関があるかどうかについては、不動産会社や金融機関に個別に確認することをおすすめします。

住宅ローンが
使いにくい理由
内容
再建築できない 将来の担保価値が低いと判断されやすい
担保評価が低くなりやすい 融資額が希望より少なくなる場合がある
建物が老朽化している 担保として評価されにくい場合がある
流通性が低い 換金しにくい物件とみなされやすい
金融機関により
判断が異なる
必ず使えないとは限らず、個別に確認が必要

老朽化した建物では修繕費の負担が大きくなりやすい

再建築不可物件は築年数が古いケースも多く、買主が購入後の修繕費を不安視しやすいという特性があります。建て替えができないため、既存の建物を使い続けるためのリフォームや修繕が購入後に必要になる可能性が高く、その費用負担が売却価格に影響しやすくなります。

特に、雨漏り・シロアリ被害・建物の傾き・給排水設備の不具合などがある場合は、買主の不安材料となり、価格交渉の根拠にされることもあります。また、空き家として長期間管理されていなかった物件は、劣化が進んでいる可能性があり、さらに買主の慎重度が上がる傾向があります。

最低限の修繕で買主の不安を軽減できる場合はありますが、大規模リフォームをしても費用を売却価格に上乗せできるとは限りません。現況売却とリフォーム後売却の査定額を比較し、修繕費を差し引いた手残り額で判断することをおすすめします。

買主が不安に感じやすい
建物の状態
確認の優先度
雨漏り 買主の不安が大きいため優先的に確認をおすすめします
シロアリ被害 建物の安全性に関わるため確認が必要な場合があります
建物の傾き 構造的な問題として購入判断に大きく影響する場合があります
給排水設備の不具合 生活できる状態かどうかの判断基準になりやすい
外壁・屋根の劣化 目に見える劣化は価格交渉につながりやすい
空き家期間の長さ 管理状況の悪化を懸念される場合があります

購入後の活用方法が限られる

再建築不可物件は、買主が購入後に自由に建て替えや用途変更をしにくいため、活用方法が限られる傾向があります。将来の建て替えを前提にした購入計画が立てにくく、居住用・賃貸用・事業用いずれの用途でも制約がかかりやすい点が、買主の購入意欲を下げやすい要因のひとつになっています。

一方で、活用方法がまったくないわけではありません。建物をそのまま居住用に使う、リフォームして賃貸に出す、倉庫や作業場として活用する、隣地所有者が一体利用する目的で購入するなど、用途によっては価値が生まれる場合もあります。

買主にとって「購入後に何ができるか」を具体的に提示できると、購入判断がしやすくなる場合があります。売却活動を始める前に、物件の活用可能性を整理しておくことをおすすめします。

活用方法 選択肢になりやすいケース
そのまま居住用に使う 建物がそのまま住める状態で、立地が良い場合に選択肢になりやすい
リフォームして
賃貸に出す
賃貸需要のあるエリアで、修繕後に貸せる状態の場合に選択肢になりやすい
投資用物件
として保有する
収益性を示せるエリアで、投資家向けに売れる場合に選択肢になりやすい
倉庫・作業場
として使う
事業者や個人が収納・作業スペースを必要としている場合に選択肢になりやすい
隣地と一体利用する 隣地所有者が土地を広げたい・接道条件を改善したい場合に選択肢になりやすい

通常の不動産会社では売却に時間がかかる場合がある

再建築不可物件は、接道状況・道路種別・建築可否の説明など、通常物件にはない確認事項が多くあります。こうした専門的な内容への理解が不十分な場合、買主への説明が不正確になったり、販売戦略が立てにくくなったりする場合があります。

また、一般の個人買主だけを対象に売り出しても、住宅ローンを利用しにくいことや建て替え不可という制約から、問い合わせが集まりにくいケースがあります。隣地所有者への打診や投資家向けの提案など、再建築不可物件に対応した販売戦略が取れる会社を選ぶことで、売却期間が長期化するリスクを抑えやすくなる場合があります。

再建築不可物件を含む訳あり物件は、通常物件と比べて売却に要する期間が長くなりやすい傾向があるとされています。複数の不動産会社に相談し、再建築不可物件の売却実績があるかどうかを確認したうえで依頼先を選ぶことをおすすめします。
(参考:国土交通省

相談先選びで
確認すること
内容
再建築不可物件の
売却実績
過去に取り扱った経験があるか確認する
接道条件の理解 道路種別や接道状況を説明できる知識があるか確認する
隣地所有者への提案力 隣地へのアプローチを販売戦略に含められるか確認する
投資家向け販売力 収益物件として提案できるネットワークがあるか確認する
買取対応の有無 仲介だけでなく買取査定も対応できるか確認する
査定額の根拠説明 なぜその価格なのかを明確に説明してくれるか確認する

再建築不可物件を高く売る方法

再建築不可物件は通常物件より価格が下がりやすい傾向がありますが、売却方法や事前の準備次第で、少しでも高く売れる可能性があります。先に述べた通り、高く売りたい場合と早く処分したい場合では選ぶべき方法が変わります。ここでは、高値売却を狙いたい場合に検討しやすい方法を整理します。

ただし、これらの方法を試みても必ず高く売れるとは限りません。物件の接道状況・建物の状態・エリアの需要・隣地所有者の意向によって結果は変わります。いずれの方法も、複数の不動産会社に査定を依頼したうえで、手残り額で比較しながら判断することをおすすめします。

隣地所有者に購入意思がないか確認する

再建築不可物件を高く売る方法として、まず検討したいのが隣地所有者への売却です。隣地所有者にとっては、土地を広げられる・接道条件を改善できる・一体利用できるなどのメリットがあるため、一般の買主より購入意欲が高い場合があります。

特に、隣地が狭小地の場合や、隣地所有者が将来の建て替えを考えている場合は、土地を一体化することで利用価値が上がる可能性があります。また、駐車場や庭として活用したいだけの場合でも、建物を建てない利用であれば再建築不可の制限は大きな障壁にならないことがあります。

ただし、相手に購入意思がなければ成立しません。また、直接交渉すると関係が悪化するリスクもあるため、不動産会社を通じて慎重に打診することをおすすめします。隣地所有者への売却だけを正解にせず、他の売却方法とも並行して検討することが大切です。

隣地所有者への
売却が選択肢になりやすいケース
理由
隣地が狭小地 土地を広げることで利用価値が上がる場合がある
隣地の接道条件が
改善する
土地全体の価値が上がる可能性がある
駐車場や庭として使える 建物を建てなくても利用価値が生まれる場合がある
隣地所有者が
将来の建て替えを考えている
一体利用で活用しやすくなる場合がある
空き家管理に困っている 早期処分の選択肢として話し合いやすい場合がある

接道状況や再建築不可の理由を整理する

再建築不可物件を少しでも高く売るためには、なぜ再建築不可なのか、接道状況にどのような問題があるのかを整理し、買主へ正確に説明できる状態にしておくことが大切です。理由が曖昧なままだと買主の不安が大きくなり、価格交渉で不利になりやすくなります。

前面道路の種類・道路幅員・接道間口・建築基準法上の道路かどうかを事前に確認し、資料として準備しておくことで、買主の不安を軽減できる場合があります。また、セットバックや隣地の一部取得によって接道条件を改善できる余地があるかどうかも、売却前に確認しておくことをおすすめします。

確認は自治体の建築指導課や土地家屋調査士、不動産会社へ相談する方法があります。自己判断で情報を伝えると誤りが生じる可能性があるため、専門家の確認を経た情報をもとに買主へ説明するよう進めることをおすすめします。

接道状況で整理する項目 内容 確認先
前面道路の種類 建築基準法第42条に定める道路(同条第2項道路を含む)か私道・通路かを確認 自治体・建築指導課
道路幅員 4m以上あるか(不足の場合はセットバックの必要性を確認) 自治体・建築指導課
接道間口 2m以上接しているか確認 土地家屋調査士・不動産会社
再建築不可の理由 接道義務未充足・道路種別・敷地形状など理由を特定する 自治体・不動産会社
セットバックの可否 道路幅員を確保できる余地があるか確認 自治体・建築指導課
隣地取得の可能性 隣地の一部取得で接道条件を改善できるか確認 不動産会社・土地家屋調査士

再建築可能にできる余地がないか確認する

再建築不可物件でも、接道条件の改善や建築基準法第43条第2項の認定・許可などによって、再建築可能になる余地がある場合があります。再建築可能になれば買主候補が大きく広がり、売却価格が上がる可能性があります。

主な改善方法としては、隣地の一部を取得して接道間口を2m以上確保する方法、セットバックで前面道路の幅員を4m以上にする方法、特定行政庁の建築基準法第43条第2項の認定・許可を取得する方法などが考えられます。ただし、これらがすべての物件で実現できるわけではありません。隣地所有者の同意が必要な場合や、許可が下りない場合もあります。

再建築可能化には、隣地取得費・測量費・許可申請に関わる手続き費用など、まとまった費用と一定の期間がかかる場合があります。こうしたコストと売却価格の上昇分を比較したうえで判断することをおすすめします。まずは自治体の建築指導課や不動産会社に相談し、実現可能性を確認するところから始めることをおすすめします。

再建築可能化を
確認する方法
内容 注意点
接道間口の改善 隣地取得や通路確保で2m以上の接道間口を確保できるか確認 隣地所有者の同意が必要な場合がある
セットバック 前面道路の幅員を4m以上確保するため敷地を後退させる 敷地面積が減少する場合がある
建築基準法第43条第2項の認定・許可 建築基準法第43条に基づき特定行政庁の許可を確認 許可が下りるとは限らない
隣地との一体利用 隣地所有者との協議で土地全体の価値向上を狙う 相手の意向によって実現しない場合がある
自治体への確認 建築指導課で法的な可否を確認する 自己判断で進めることは避けることをおすすめします

最低限の修繕で買主の不安を減らす

再建築不可物件を少しでも高く売るために、雨漏りや設備の不具合など、買主が特に不安に感じやすい箇所を最低限修繕しておくことが有効な場合があります。建物をそのまま使えると判断してもらえると、買主の購入意欲が高まりやすくなります。

ただし、大規模リフォームは費用を売却価格に上乗せできるとは限らず、再建築不可の制限はリフォーム後も残ります。修繕内容は「買主の不安を減らす最低限の範囲」にとどめることをおすすめします。不動産会社に「どの箇所を修繕すべきか」を相談してから判断することをおすすめします。

現況売却とリフォーム後売却の査定額を比較し、修繕費を差し引いた手残り額で判断することが大切です。修繕費をかけても手残り額が増えない場合は、現況のまま売却・買取に出す選択肢も残しておくことをおすすめします。

修繕を検討すべき箇所 理由
雨漏り 買主の不安が大きく、価格交渉の根拠にされやすいため
シロアリ被害 建物の安全性に関わり、購入判断に大きく影響する場合があるため
給排水設備 生活できる状態かどうかの判断基準になりやすいため
外壁・屋根 目に見える劣化は価格交渉につながりやすいため
室内の破損 最低限の補修で印象を改善できる場合があるため

賃貸需要がある場合は投資用として提案する

再建築不可物件でも、賃貸需要があるエリアであれば投資用物件として売却できる可能性があります。投資家は建て替えの可否より収益性を重視するケースがあるとされており、再建築不可であることが売却の大きな障壁にならない場合もあります。

想定賃料・周辺の入居需要・利回りを整理して提示できると、投資家が購入を検討しやすくなる場合があります。駅や商業施設に近く賃貸需要が見込めるエリアの物件では、居住用の個人買主向けの売却より、投資家向けの売却が現実的な選択肢になる場合があります。

ただし、修繕費・空室リスク・管理費用を考慮した収益性を正確に示さないと、投資家からの信頼を得にくくなります。また、投資家向け販売に強い不動産会社へ相談することで、適切な買主へアプローチしやすくなる場合があります。

投資用として売却が
選択肢になりやすいケース
内容
駅や商業施設に近い 賃貸需要が見込めるエリアとして投資家の関心を得やすい場合がある
賃貸需要がある 入居者を確保しやすく、収益性を説明できる場合がある
建物を修繕すれば貸せる リフォーム後に賃貸として活用できる状態にできる場合がある
価格が割安で
利回りを出しやすい
再建築不可による価格の低さが利回りの高さにつながる場合がある
投資家向けに
販売できる会社がある
適切なネットワークを持つ不動産会社に相談できる場合がある

複数の不動産会社へ査定を依頼する

再建築不可物件を少しでも高く売るためには、1社だけの査定で判断せず、複数の不動産会社へ査定を依頼して比較することをおすすめします。再建築不可物件は会社によって評価の根拠や販売戦略が大きく変わりやすいため、査定額だけでなく「なぜその価格なのか」の根拠も合わせて確認することが大切です。

また、一般売却(仲介)の査定と、専門買取業者の買取査定を両方取ることで、高く売る場合と早く処分する場合の手残り額を比較しやすくなります。高額査定を提示した会社が必ずしも最適な選択肢とは限らないため、売却実績・販売戦略・隣地所有者への提案力なども合わせて確認することをおすすめします。

査定時に
比較する項目
確認のポイント
査定額と
その根拠
なぜその価格なのか、根拠を明確に説明してもらえるか確認する
売却実績 再建築不可物件の取り扱い経験があるか確認する
販売戦略 隣地所有者・投資家・一般買主など買主候補への提案方法を確認する
買取対応の有無 仲介だけでなく買取査定も比較できるか確認する
売却期間の目安 どのくらいの期間で売れる見込みかを確認する
手残り額の試算 諸費用を差し引いた最終的な手残り額まで確認する

再建築不可物件を売却するときの注意点

再建築不可物件の売却では、通常物件と同じ感覚で進めると想定外のトラブルや、手元に残る金額が少なくなるケースがあります。解体・価格設定・リフォーム・再建築可能化・住宅ローン・買取査定・手残り額のそれぞれで、事前に把握しておきたい注意点があります。

売却方法や物件の状態によって判断は変わりますが、共通して重要なのは安易な思い込みで進めないことです。不動産会社や専門家に確認しながら、自分の物件に合った判断をすることをおすすめします。

解体すると売却しにくくなる場合がある

再建築不可物件は建物を解体すると新しい建物を建てられないため、更地にするとかえって売却しにくくなるケースがあります。通常の古家付き土地であれば「解体して更地にすれば売りやすい」という考え方が通じる場合がありますが、再建築不可物件では同じ発想で進めると、買主が見つかりにくくなる可能性があります。

建物が残っていれば、中古住宅として居住用に購入したい買主や、賃貸物件として活用したい投資家が買主候補になる場合があります。一方、更地にしてしまうと建物を活用したい買主の選択肢がなくなり、活用用途がさらに限られる可能性があります。また、解体費用がかかる分、手残り額が減ることにも注意が必要です。

解体を検討している場合は、事前に不動産会社や自治体へ再建築可否・現況売却の可能性・解体後の査定額を確認し、手残り額で比較したうえで判断することをおすすめします。

解体前に
確認すること
内容
再建築可否 解体後に新しく建てられるか自治体・建築指導課へ確認する
建物の使用可能性 現況のまま中古住宅・賃貸として売れる可能性があるか確認する
解体費用 建物の規模・構造・状態によって費用は大きく変わるため、解体業者や不動産会社に見積もりを確認する
更地後の査定額 解体後の売却価格の見込みを不動産会社に確認する
現況売却の査定額 解体せず現況のまま売った場合の価格と比較する
手残り額 解体費を差し引いた手残り額と現況売却の手残り額を比較する

通常物件と同じ価格で売れるとは限らない

再建築不可物件は建て替えができないこと・買主が限定されやすいこと・住宅ローンを利用しにくい場合があることなどから、通常の戸建てや土地と同じ価格で売れるとは限りません。通常物件の近隣相場だけを参考に価格設定をすると、売却期間が長引いたり、価格の見直しを繰り返したりするリスクがあります。

再建築不可物件の売却価格は、接道状況・建物の状態・エリアの需要・売却先(一般売却・隣地売却・買取)によって変わるため、相場を一律で断定することはできません。複数の不動産会社に査定を依頼し、現実的な価格感を把握することをおすすめします。

価格設定を誤ると売却期間が長期化し、維持管理コストや固定資産税の負担が続くことにもつながります。高く売ることを目標にしながらも、市場の実勢に合った価格で売り出せるよう、不動産会社と相談しながら進めることをおすすめします。

価格が下がりやすい理由 内容
建て替えできない 土地・建物としての将来的な活用価値が下がりやすい
買主が限定される 一般の個人買主が検討しにくく、価格競争が起きにくい
住宅ローンを使いにくい 現金購入できる買主に限られやすく、需要が減りやすい
修繕費がかかりやすい 老朽化した建物では購入後の費用負担が価格に反映されやすい
売却期間が長くなりやすい 期間が長引くほど値下げ交渉を受けやすくなる場合がある

リフォームしても必ず高く売れるとは限らない

再建築不可物件をリフォームしてから売ろうと考える方もいますが、リフォームしても必ず売却価格が上がるとは限りません。再建築できないという制限はリフォーム後も変わらないため、通常物件のように「リフォームして価値を高める」という考え方がそのまま通用しないことがあります。

特に大規模リフォームは、工事の内容・建物の状態・業者によってかかる費用が大きく変わるため、事前に複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。再建築不可物件ではリフォーム費用を売却価格に上乗せできないケースも多く、結果として手残り額が現況売却より少なくなる場合があります。一方、雨漏りや設備不良など買主が特に不安に感じる箇所への最低限の修繕は、購入判断を後押しする効果が期待できる場合があります。

リフォームを検討する場合は、現況売却の査定額・リフォーム費用・リフォーム後の査定額を比較したうえで、手残り額が増えるかどうかを確認してから判断することをおすすめします。

なお、2025年4月以降に着工する2階建ての木造戸建てなどの大規模な修繕・模様替えは、建築確認手続きの対象です。再建築不可物件をリフォームする場合は、工事前に建築士や自治体の建築担当窓口へ確認してください。

リフォーム前に
比較すること
内容
現況売却の査定額 リフォームせず売った場合の売却価格の目安を確認する
リフォーム費用 最低限の修繕か大規模改修かによって費用が大きく変わる。複数業者に見積もりを取ることをおすすめします
リフォーム後の査定額 リフォーム後に想定される売却価格の目安を確認する
費用回収の見込み リフォーム費用を売却価格に上乗せできるかを確認する
手残り額 現況売却とリフォーム後売却でどちらの手残り額が多いかを比較する

再建築可能にできると断定しない

接道条件の改善や建築基準法第43条第2項の認定・許可などによって再建築可能になる余地がある場合がありますが、必ず再建築可能にできるとは限りません。希望的観測のまま売却活動を進めると、買主に誤った情報を伝えてしまったり、期待が外れたときに売却計画が大きく狂ったりする可能性があります。

隣地取得には相手の同意が必要で、セットバックには敷地面積の減少が伴う場合があり、同項第1号の認定または第2号の許可を受けられるかどうかは自治体の判断によります。これらの改善方法には費用と時間もかかるため、コストと売却価格の上昇分が見合うかどうかも確認が必要です。

再建築可能化を検討する場合は、自治体の建築指導課や不動産会社に事前に確認したうえで、実現可能性・費用・期間を把握してから判断することをおすすめします。確認済みの情報のみを買主へ説明するよう心がけることも大切です。

再建築可能化で
確認する項目
内容 注意点
接道間口 2m以上の接道間口を確保できるか確認する 隣地所有者の同意が必要な場合がある
道路幅員 セットバックで4m以上を確保できるか確認する 敷地面積が減少する場合がある
建築基準法第43条第2項の認定・許可 特定行政庁の許可取得の可能性を確認する 許可が下りるとは限らない
費用と期間 改善にかかるコストと時間を把握する 売却価格の上昇分と見合うか比較が必要
自治体確認 建築指導課で法的な可否を確認する 自己判断で進めることは避けることをおすすめします

住宅ローンを使える買主に限定しない

再建築不可物件は住宅ローンの審査が通りにくいケースがあるため、住宅ローンを利用できる一般の個人買主だけを前提にした売却活動では、買主が見つかりにくくなる可能性があります。

現金購入できる買主・投資家・隣地所有者・専門の買取業者など、住宅ローンを必要としない買主候補を視野に入れることで、売却の可能性が広がります。また、売り出し方法や販売戦略も、こうした買主層に向けた内容にすることが大切です。

ただし、住宅ローンが必ず使えないわけではありません。金融機関によっては融資に応じられる場合もあるため、買主候補を一概に絞り込みすぎないことも重要です。不動産会社と相談しながら、幅広い買主層に訴求できる販売戦略を検討することをおすすめします。

再建築不可物件の
買主候補
特徴
一般の個人買主 建物をそのまま使いたい人。住宅ローンが使える場合もある
現金購入者 ローンを必要とせず購入できる買主。再建築不可でも検討しやすい
投資家 収益性を重視するため建て替え不可が大きな障壁にならない場合がある
隣地所有者 土地の一体利用・接道改善などのメリットがある場合がある
専門買取業者 再建築不可物件の買取に対応できる不動産会社
事業用利用を考える買主 倉庫・駐車場・作業場などの利用を検討している買主

買取価格だけで売却先を決めない

早く処分したい場合や一般売却が難しい場合は、専門買取業者への売却が選択肢のひとつになります。ただし、提示された買取価格だけで売却先を決めてしまうと、条件面で不利になるケースがあります。買取業者によって査定額・契約条件・費用負担の内容は異なるため、複数社を比較することが大切です。

たとえば、買取価格が高く見えても、残置物の撤去費用や解体費用を売主が負担する条件になっている場合は、手残り額が想定より少なくなることがあります。また、契約不適合責任の扱いや引き渡し時期についても、契約前に確認することをおすすめします。

買取査定は複数社に依頼し、買取価格・費用負担・契約条件・引き渡し時期をセットで比較したうえで、最終的な手残り額で判断することをおすすめします。

買取査定で
比較する項目
確認のポイント
買取価格とその根拠 なぜその価格なのか根拠を確認する
現況売却の可否 修繕や解体をせずに売却できるか確認する
残置物撤去の負担 売主・買主どちらが負担するか確認する
解体費の負担 解体が必要な場合の費用負担者を確認する
契約不適合責任の扱い 売主の責任範囲がどこまでか契約前に確認する
引き渡し時期 希望する時期と合っているか確認する
最終手残り額 諸費用をすべて差し引いた手残り額で比較する

売却価格ではなく手残り額で判断する

再建築不可物件の売却では、売却価格の高さだけで売却方法を選ぶと、実際に手元に残る金額が少なくなるケースがあります。修繕費・解体費・測量費・残置物撤去費・仲介手数料・登記費用・税金など、売却に伴う費用を差し引いた「手残り額」で比較することが重要です。

たとえば、仲介売却で高い価格が得られた場合でも修繕費や測量費がかかれば手残り額は減ります。一方、買取価格は仲介より低くなる傾向がありますが、現況売却で諸費用の負担が少なければ手残り額が近くなる場合もあります。売却方法ごとの手残り額を比較したうえで、自分の優先順位に合う方法を選ぶことをおすすめします。

また、売却までの期間中にかかる管理コスト・固定資産税・維持費も手残り額に影響します。早く処分することで管理コストを抑えられる場合もあるため、売却価格だけでなく時間的なコストも含めて判断することをおすすめします。

STEP
1
売却価格を確認する

複数の不動産会社に査定を依頼し、仲介売却・買取それぞれの売却価格の目安を把握する

STEP
2
かかる費用を洗い出す

修繕費・解体費・測量費・残置物撤去費・仲介手数料・登記費用・税金など、発生しうる費用を整理する

STEP
3
手残り額を試算する

売却価格から各費用を差し引いた手残り額を、売却方法ごとに試算して比較する

STEP
4
管理コストも含めて判断する

売却までの期間中にかかる固定資産税・維持費・管理費も加味したうえで、最終的な手残り額を比較する

STEP
5
優先順位に合う売却方法を選ぶ

手残り額・売却期間・管理リスクを総合的に比較し、高く売りたいのか早く処分したいのかの優先順位に合った方法を選ぶ

再建築不可物件の売却で相談すべき専門家

再建築不可物件を売却する際は、通常の不動産売却と異なり、接道状況・再建築可否・境界・相続登記・税金など、複数の専門的な確認事項が重なる場合があります。これらをすべて不動産会社だけで解決しようとすると、判断が不正確になったり、手続きが止まったりするケースがあります。

相談内容ごとに適切な専門家は異なります。不動産会社・専門買取業者・自治体・土地家屋調査士・司法書士・税理士それぞれの役割を理解したうえで、自分の状況に合った相談先を選ぶことをおすすめします。また、相談をスムーズに進めるために、事前に接道状況・建物状態・査定額を整理しておくことも大切です。

不動産会社には査定や売却方法を相談する

再建築不可物件の売却を検討する際、まず相談したいのが不動産会社への査定依頼です。売却価格の目安・一般売却の可能性・隣地所有者への売却提案・投資家向けの販売戦略・買取査定との比較など、売却に関する全体的な方向性を整理しやすい相談先のひとつになります。

ただし、再建築不可物件は再建築可能な物件と異なる専門知識が必要なため、すべての不動産会社が適切な対応をできるとは限りません。接道状況や道路種別を理解しているか、隣地所有者への提案ができるか、再建築不可物件の売却実績があるかを確認したうえで依頼先を選ぶことをおすすめします。

先に述べた通り、1社だけで判断せず複数社に査定を依頼し、査定額の根拠・販売戦略・手残り額を比較することが大切です。

不動産会社に
相談する内容
内容
売却査定 現況の売却価格の目安と、その根拠を確認する
一般売却の
可否
一般の個人買主に売り出せる可能性があるか確認する
隣地所有者への
売却可能性
隣地へのアプローチを販売戦略に含められるか確認する
買取査定の
比較
仲介売却と買取どちらが自分の状況に合うか比較する
投資家向け
販売の可否
収益物件として提案できるネットワークがあるか確認する
売却期間と
手残り額
売却にかかる期間の目安と、諸費用を差し引いた手残り額を確認する

専門買取業者には早期売却や現況買取を相談する

一般売却が難しい場合や早く処分したい場合は、再建築不可物件に対応できる専門の買取業者への相談が選択肢のひとつになります。専門買取業者であれば、老朽化した建物・空き家・相続物件など、一般買主が敬遠しやすい状態でも買取を検討してもらえる場合があります。

買取の場合、一般売却(仲介)より売却価格が低くなる傾向がありますが、現況のまま売却できる・売却期間が短くなりやすい・残置物の扱いを相談できる場合があるなどのメリットが考えられます。ただし、業者によって買取価格や条件は大きく異なるため、複数社の査定額と契約条件を比較したうえで判断することをおすすめします。

専門買取業者への
相談が選択肢になりやすいケース
内容
早く現金化
したい
一般売却より短期間での売却が見込みやすい場合がある
一般売却で
買主が見つからない
一般買主が敬遠しやすい物件でも相談できる場合がある
建物が
老朽化している
現況のまま売却できる可能性がある
空き家管理が
負担になっている
管理コストを早期に解消できる場合がある
相続物件を
早く整理したい
相続後の手続きと合わせて相談しやすい場合がある

自治体や建築指導課には再建築可否を確認する

再建築不可物件の売却前に、自治体や建築指導課で再建築可否や道路種別を確認しておくことをおすすめします。見た目では道路に接しているように見える物件でも、建築基準法上の道路に該当しない場合や、接道間口が基準を満たしていない場合があるため、自治体や専門家への確認をおすすめします。

自治体で確認できる主な内容は、前面道路の種別・道路幅員・接道状況・第43条第2項の認定・許可の可能性・セットバックの必要性などです。確認した内容は買主への説明資料にもなるため、売却活動を始める前に整理しておくことが大切です。

なお、建築基準法第43条第2項の認定・許可により再建築が認められる可能性がある場合もありますが、認定・許可を受けられるとは限りません。確認結果を正確に把握したうえで、不動産会社と売却方針を検討することをおすすめします。

自治体・建築指導課で
確認すること
内容
再建築可否 現在の敷地・接道条件で再建築できるかを確認する
道路種別 前面道路が建築基準法第42条に定める道路かどうかを確認する
道路幅員 前面道路の幅員が4m以上あるかを確認する
ただし書き
許可の可能性
建築基準法第43条に基づく許可取得の可能性を確認する
セットバックの
必要性
道路幅員を確保するための敷地後退が必要かを確認する
建築制限 用途地域・建ぺい率・容積率など、敷地にかかる制限を確認する

土地家屋調査士には境界や接道状況を相談する

境界が不明確な再建築不可物件では、土地家屋調査士への相談が必要になる場合があります。境界が曖昧なままだと、買主が土地の範囲を正確に把握できず、購入をためらう要因になったり、契約後にトラブルになったりするリスクがあります。

土地家屋調査士は、境界確認・測量・接道間口の確認・越境物の有無の調査などを専門とします。再建築不可物件の売却では、接道間口が基準を満たしているかどうかの確認も重要になるため、接道状況に不明点がある場合は事前に相談しておくことをおすすめします。

測量や境界確定には費用がかかる場合があるため、売却前に測量が必要かどうかを不動産会社にも相談し、費用対効果を確認したうえで判断することをおすすめします。

土地家屋調査士に
相談する項目
内容
境界確認 隣地との境界が明確かどうかを確認・調査する
測量 土地の正確な面積・形状を測定する
接道間口の
確認
前面道路への接道間口が2m以上あるかを確認する
越境の有無 建物・フェンス・植栽などが隣地へ越境していないかを確認する
境界標の
確認
境界を示す標識が正確な位置にあるかを確認する
測量図の
作成
売却時に買主へ提示できる測量図を作成する

司法書士には相続登記や名義変更を相談する

相続した再建築不可物件や、登記名義が古いままの物件を売却する場合は、司法書士への相談が必要になる場合があります。不動産を売却するためには、原則として現在の所有者名義で登記されている必要があります。相続登記が未了のまま売却手続きを進めようとすると、手続きが止まるケースがあります。

2024年4月1日から、相続登記の申請は義務化されています。相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請が必要です。2024年4月1日より前に発生した相続も対象となります。相続した再建築不可物件を売却する場合は、まず相続登記の状況を確認し、未了であれば司法書士へ相談することをおすすめします。

また、共有物件全体を売却する場合は、原則として共有者全員の同意が必要です。自己の共有持分のみであれば単独で売却できます。共有者の確認も売却前に整理しておくことをおすすめします。
(参考:法務省|相続登記の申請義務化

司法書士に相談する
登記手続き
内容
相続登記 相続した不動産の名義を相続人へ変更する手続き
名義変更 売却前に登記名義を現在の所有者に整える手続き
住所変更
登記
登記上の住所が現住所と異なる場合に行う変更手続き
共有者確認 複数の相続人で共有している場合の売却同意の確認
所有権移転
登記
売買成立後に買主へ所有権を移転する手続き
登記必要
書類の確認
戸籍謄本・遺産分割協議書など必要書類を事前に確認する

税理士には譲渡所得税や相続税を相談する

再建築不可物件を売却して利益が出る場合や、相続した物件を売却する場合は、税理士への相談が必要になる場合があります。売却によって生じた利益には譲渡所得税がかかる可能性があり、相続した物件の場合は相続税との関係も確認することをおすすめします。

また、一定の要件を満たす場合は「空き家に係る譲渡所得の特別控除(空き家特例)」などの特例が使える可能性があります。ただし、特例の適用条件は複雑なため、自己判断で判定することは避け、税理士に確認することをおすすめします。

取得費が不明の場合は税額の計算に影響することがあるため、物件をいくらで取得したかの記録が残っているかどうかも事前に確認しておくことをおすすめします。先に述べた通り、税引き後の手残り額で判断するためにも、売却前に税理士へ相談しておくことをおすすめします。

税理士に
相談する項目
内容
譲渡所得税 売却益に対してかかる税金の計算・確認
取得費の
確認
物件の取得費が不明な場合の税額への影響を確認する
相続税 相続した物件の場合、相続税と譲渡所得税の関係を確認する
空き家特例 空き家に係る譲渡所得の特別控除が適用できる可能性があるか確認する
確定申告 売却後に確定申告が必要かどうかを確認する
税引き後の
手残り額
税金を差し引いた最終的な手残り額を試算する

相談前に接道状況・建物状態・査定額を整理する

各専門家へ相談する前に、接道状況・建物状態・不動産会社の査定額をあらかじめ整理しておくと、相談がスムーズに進みやすくなります。基本情報が整理されているほど、専門家も的確なアドバイスをしやすくなり、再建築可否・売却方法・価格・手残り額を整理しやすくなります。

すべての情報が揃っていなくても相談は可能ですが、少なくとも再建築不可の理由・前面道路の種類・建物の老朽化状況・査定額の目安・売却希望時期を事前に把握しておくことで、相談の精度が上がりやすくなります。不明点は専門家に確認しながら整理する方法もあります。

再建築不可の理由(接道義務未充足・道路種別・敷地形状など)
前面道路の種類(建築基準法上の道路か私道・通路かを確認)
道路幅員(4m以上あるか)と接道間口(2m以上あるか)
建物の老朽化状況(雨漏り・シロアリ・設備不良などの有無)
リフォーム履歴(過去の修繕内容と時期)
境界や越境の有無(測量図・境界確認書の有無)
相続登記の状況(名義が現在の所有者になっているか)
不動産会社の査定額(仲介・買取の両方を取ることをおすすめします)
売却希望時期と優先順位(高く売りたいか・早く処分したいか)
隣地所有者との関係性(購入意思の有無を把握しているか)

再建築不可物件を売却する流れ

再建築不可物件の売却は、通常の不動産売却と異なり、再建築不可になっている理由・接道状況・建物状態・境界の整理・売却方法の比較・専門家確認など、事前に確認すべきことが多くあります。各ステップで何を確認し、誰に相談すべきかを把握しておくことで、売却をスムーズに進めやすくなります。

前述の通り、売却価格だけでなく手残り額で比較しながら進めることが大切です。また、一般売却・隣地売却・専門買取業者への売却など、複数の方法を比較したうえで依頼先を決めることをおすすめします。

STEP1:再建築不可になっている理由を確認する

売却を進める前に、まずなぜ再建築不可になっているのかを確認することから始めることをおすすめします。再建築不可の理由が不明確なままだと、買主への説明が曖昧になり、価格交渉や契約前の不安につながりやすくなります。

再建築不可の主な理由は、建築基準法上の道路に接していない・接道間口が基準を満たしていない・前面道路の幅員が不足しているなどが挙げられます。旗竿地や路地状の細長い敷地、私道や通路の権利関係が不明確な物件でも再建築不可になる場合があります。

理由を整理したうえで、接道条件の改善で再建築可能になる余地があるかどうかも確認しておくことをおすすめします。確認は自治体の建築指導課や不動産会社への相談が選択肢になります。

再建築不可の
主な理由
内容
建築基準法上の
道路に接していない
前面道路が建築基準法第42条に定める道路に該当しない場合がある
接道間口が
不足している
前面道路への接道間口が2m未満の場合、再建築が難しくなる場合がある
前面道路の
幅員が不足している
道路幅員が4m未満の場合、セットバックが必要になる場合がある
旗竿地・路地状
敷地の条件未充足
敷地の形状によって接道条件を満たしにくい場合がある
私道・通路の
権利関係が不明確
通行・掘削の承諾が得られていない場合に問題になるケースがある
建築当時の基準と
現在の基準が異なる
建築時は合法だったが、現在の基準では再建築が認められない場合がある

STEP2:接道状況や道路幅員を確認する

再建築不可の理由を把握したら、次に接道状況や道路幅員を具体的に確認することをおすすめします。接道条件は、再建築可否だけでなく、買主の購入判断・住宅ローン審査・売却価格にも影響する重要な要素のひとつです。

前面道路の種類・道路幅員・接道間口・建築基準法上の道路かどうか・私道負担の有無・通行や掘削の承諾状況などを整理しておくことで、不動産会社や買主への説明がスムーズになる場合があります。また、接道状況を資料としてまとめておくと、売却活動を始めたあとの買主への説明材料にもなります。

接道状況は自己判断せず、自治体の建築指導課や土地家屋調査士、不動産会社への確認をおすすめします。

接道状況の
確認項目
内容 確認先
前面道路の
種類
建築基準法第42条に定める道路か私道・通路かを確認 自治体・建築指導課
道路幅員 4m以上あるか(不足の場合はセットバックの必要性を確認) 自治体・建築指導課
接道間口 2m以上接しているか確認 土地家屋調査士・不動産会社
私道負担の
有無
私道持分・通行権・掘削承諾の有無を確認 登記簿・不動産会社
セットバックの
必要性
道路幅員を確保するために敷地の後退が必要かを確認 自治体・建築指導課

STEP3:建物状態や境界の問題を整理する

売却前に、建物の老朽化状況と境界・越境の有無を整理しておくことをおすすめします。再建築不可物件では既存建物をそのまま使えるかどうかが買主の判断に大きく影響しやすく、境界や越境の問題があると契約前の不安材料になりやすいためです。

雨漏り・シロアリ被害・建物の傾き・給排水設備の不具合など、買主が不安に感じやすい箇所を事前に把握しておくことで、現況売却かリフォーム後売却かの判断がしやすくなります。また、境界が不明確な場合は土地家屋調査士への相談が必要になる場合があります。

修繕やリフォームを行う場合は費用を差し引いた手残り額で比較したうえで判断することをおすすめします。

売却前に整理する
建物・土地の状態
確認の目的
雨漏り 買主の不安が大きいため、有無を把握して説明できるようにする
シロアリ被害 建物の安全性に関わるため確認しておく
建物の傾き 購入判断に大きく影響するため把握しておく
給排水設備の
不具合
生活できる状態かの判断基準になるため確認しておく
リフォーム履歴 過去の修繕内容を整理して買主への説明材料にする
境界確認 隣地との境界が明確かどうかを確認する
越境の有無 建物・フェンス・植栽などが隣地へ越境していないか確認する
測量図の有無 測量図があるか確認し、ない場合は必要かを不動産会社へ相談する

STEP4:不動産会社へ査定を依頼する

再建築不可の理由・接道状況・建物状態の整理ができたら、不動産会社へ査定を依頼することをおすすめします。再建築不可物件は会社によって評価の根拠や販売戦略が大きく変わりやすいため、1社だけで判断せず複数社に査定を依頼し、査定額の根拠も合わせて確認することが大切です。

査定時には売却価格だけでなく、一般売却で進められるか・隣地所有者への売却可能性があるか・買取査定額はいくらか・売却期間の目安はどのくらいかも確認することをおすすめします。また、再建築不可物件の売却実績があるかどうかも、依頼先を選ぶ判断材料になります。

査定時に
確認すること
内容
査定額と
その根拠
なぜその価格なのかを明確に説明してもらえるか確認する
売却実績 再建築不可物件の取り扱い経験があるか確認する
一般売却の
可能性
一般の個人買主に売り出せる見込みがあるか確認する
隣地所有者への
売却可能性
隣地へのアプローチを販売戦略に含められるか確認する
買取対応の
有無
仲介だけでなく買取査定も比較できるか確認する
売却期間の
目安
どのくらいの期間で売れる見込みかを確認する
手残り額の
試算
諸費用を差し引いた最終的な手残り額まで確認する

STEP5:一般売却・隣地売却・買取の可能性を比較する

査定結果をもとに、一般売却・隣地所有者への売却・専門買取業者への売却を比較することをおすすめします。先に述べた通り、高く売りたい場合と早く処分したい場合では適した方法が変わります。1つの売却方法に絞り込まず、それぞれのメリットと手残り額を比較しながら判断することが大切です。

一般売却は立地や建物状態がよく、時間に余裕がある場合に検討しやすい方法です。隣地所有者への売却は、一体利用の価値が生まれやすいため、価格面で有利になる場合があります。専門買取業者への売却は、早く処分したい・一般売却で買主が見つかりにくい場合に選択肢になりやすい方法です。

売却方法 価格の目安 売却期間 選択肢になりやすいケース
一般売却
(仲介)
3つの中で最も高くなりやすい場合がある 長くなりやすい傾向がある 立地・建物状態がよく、時間に余裕がある場合
隣地所有者
への売却
一体利用の価値が加わり高くなる場合がある 相手の意向による 隣地に購入意思があり、一体利用の価値が見込める場合
専門買取業者
への売却
仲介より低くなる傾向がある 短くなりやすい傾向がある 早く処分したい・一般売却が難しい場合
注意

表内の価格・期間はあくまで傾向の目安であり、個別の物件条件・エリア・建物状態・売却先によって大きく変わる場合があります。価格だけでなく諸費用を差し引いた手残り額で比較することをおすすめします。

STEP6:必要に応じて自治体や専門家へ確認する

売却方法の方向性が見えてきたら、必要に応じて自治体や専門家へ確認を進めることをおすすめします。再建築不可物件は確認事項が多いため、自己判断のまま売却活動を進めると、契約後にトラブルになる可能性があります。

再建築可否は自治体の建築指導課へ、境界・越境は土地家屋調査士へ、相続登記・名義変更は司法書士へ、税金は税理士へ、それぞれ相談先が異なります。すべての専門家への確認が必ずしも必要なわけではなく、物件の状況に応じて必要な確認を進めることをおすすめします。

専門家 確認する内容 必要になりやすいケース
自治体・
建築指導課
道路種別・再建築可否・建築基準法第43条第2項の認定・許可 接道状況が不明確な場合
土地家屋
調査士
境界・測量・接道間口・越境 境界が不明確・越境の可能性がある場合
司法書士 相続登記・名義変更・所有権移転登記 相続登記が未了・名義が古い場合
税理士 譲渡所得税・相続税・空き家特例 売却益が出る・相続した物件を売る場合

STEP7:売却方法と依頼先を決める

査定結果・専門家の確認内容・売却方法の比較を踏まえ、どの方法で売るか・どの会社に依頼するかを決めるステップです。前述の通り、高く売りたいのか早く処分したいのかの優先順位によって、適した売却方法と依頼先は変わります。

依頼先を決める際は、査定額の高さだけで判断するのではなく、再建築不可物件の売却実績・販売戦略の内容・買取対応の有無・担当者の説明力なども合わせて確認することをおすすめします。また、契約条件や手残り額まで試算してもらえるかどうかも、依頼先選びの参考になります。

優先すること 選択肢になりやすい売却方法・依頼先
高く売りたい 一般売却(仲介)・隣地所有者への売却・再建築可能化の確認を検討する
早く処分
したい
専門買取業者への売却・現況売却を検討する
建物が
使える状態
中古住宅としての一般売却・投資用売却を検討する
建物の老朽化が
進んでいる
現況買取・修繕費を差し引いた手残り額で判断する
相続物件を
整理したい
相続登記を済ませたうえで、仲介査定と買取査定を比較する

STEP8:売買契約を結ぶ

売却方法と買主が決まったら、売買契約を結ぶステップです。再建築不可物件では、再建築できないこと・接道状況・建物の状態・境界・契約不適合責任の扱いなどを買主に正確に説明したうえで契約を結ぶことをおすすめします。

再建築不可であることを曖昧にしたまま契約を進めると、引き渡し後にトラブルになるリスクがあります。建物の不具合や越境の有無についても、把握している情報を正確に伝えることをおすすめします。契約内容に不明点がある場合は署名前に不動産会社へ確認し、契約条項の法的な判断が必要な場合は弁護士に相談しましょう。

売買契約前に
確認すること
内容
売買価格と
引き渡し日
合意した価格・引き渡し時期が正確に記載されているか確認する
再建築不可で
あることの説明
買主が再建築できないことを理解したうえで契約しているか確認する
接道状況 前面道路の種別・道路幅員・接道間口を買主に説明できているか確認する
建物状態 雨漏り・シロアリ・設備不良など把握している不具合を伝えているか確認する
境界・越境 境界が明確か、越境物がないかを確認する
残置物の扱い 残置物をどうするか(撤去するか・現状引き渡しか)を確認する
契約不適合
責任
売主の責任範囲がどこまでかを契約前に確認する

STEP9:決済と引き渡しを行う

売買契約の締結後、決済日に売買代金を受け取り、所有権移転登記と引き渡しを行うステップです。決済時には、売買代金の受け取り・所有権移転登記・固定資産税の精算・残置物の確認・鍵や関係書類の引き渡しなどが必要になります。

所有権移転登記は司法書士が担当するケースが多く、登記に必要な書類を事前に揃えておくことで当日の手続きがスムーズになりやすくなります。残置物がある場合や解体条件がある場合は、決済前に整理しておくことをおすすめします。

また、売却後に譲渡所得が生じた場合は確定申告が必要になる場合があります。税引き後の手残り額を確認するためにも、売却後の税金の扱いを事前に税理士へ相談しておくことをおすすめします。

決済・引き渡し時に
行うこと
内容
売買代金の
受け取り
合意した売買価格を受け取る
所有権移転
登記
司法書士が担当し、買主へ所有権を移転する手続きを行う
固定資産税の
精算
引き渡し日を基準に売買契約の取り決めに基づき、固定資産税等の負担額を精算する
残置物の
確認
契約で定めた残置物の扱いを決済前に完了させておく
鍵・書類の
引き渡し
鍵・測量図・リフォーム履歴など関係書類を引き渡す
売却後の
税金確認
譲渡所得が生じた場合は確定申告が必要になる場合があるため税理士へ確認する

再建築不可 物件 売却 流れ

再建築不可物件の売却に関するよくある質問

再建築不可物件の売却について、よくある疑問をまとめました。各質問では結論を冒頭に示したうえで、注意点や次の行動につながる内容を整理しています。詳しい解説は各見出しのリンク先でご確認いただけます。

建て替えできない家を売るにはどうすればよいですか?

建て替えできない家でも、売却自体は可能な場合があります。ただし、通常の不動産と同じ方法では買主が見つかりにくいことがあるため、物件の状態に合う売却方法を選ぶことが大切です。

まず、再建築不可になっている理由・接道状況・建物の状態を整理することをおすすめします。そのうえで、一般の個人買主への売却・隣地所有者への売却・専門の買取業者への売却を比較し、優先順位に合う方法を選ぶことをおすすめします。

詳しくは「再建築不可物件を売却する流れ」もあわせてご確認いただけます。

売却相場は通常の物件よりどのくらい下がりますか?

再建築不可物件は通常の物件より価格が下がりやすい傾向がありますが、どの程度下がるかは立地・建物の状態・接道状況・エリアの需要・売却先によって大きく異なるため、一律の相場を断定することは難しい状況です。

建て替えができないこと・買主が限定されやすいこと・住宅ローンを利用しにくいケースがあることなどが、価格に影響する主な要因です。価格の目安を把握するためには、複数の不動産会社に査定を依頼して比較することをおすすめします。売却価格だけでなく、諸費用を差し引いた手残り額で判断することが大切です。

詳しくは「通常物件より売却価格は下がりやすい」もあわせてご確認いただけます。

再建築できない土地や家は売れないのですか?

再建築できない土地や家でも、売却自体は可能な場合があります。売れない物件ではありませんが、再建築可能な物件より買主が限定されやすく、売却に時間がかかる場合があります。

建物をそのまま使いたい個人買主・賃貸需要のあるエリアでは投資家・土地を広げたい隣地所有者・再建築不可物件に対応した専門買取業者など、買主候補はさまざまです。一般売却で難しい場合でも、買主候補の幅を広げることで売却できる可能性があります。

詳しくは「再建築不可物件でも売却は可能」もあわせてご確認いただけます。

専門の買取業者に買い取ってもらえますか?

再建築不可物件に対応している専門の買取業者であれば、相談できる場合があります。ただし、すべての業者がどのような物件でも必ず買い取れるわけではなく、物件の状態・立地・接道状況によって対応できるかどうかが変わります。

買取の場合、一般売却(仲介)より価格が低くなる傾向がありますが、現況のまま売却できる・売却期間が短くなりやすいといった点がメリットになる場合があります。複数社の買取査定を比較し、買取価格だけでなく契約条件・費用負担・手残り額を確認したうえで判断することをおすすめします。

詳しくは「専門買取業者には早期売却や現況買取を相談する」もあわせてご確認いただけます。

リフォームしてから売る方がよいですか?

リフォームしてから売る方がよいとは一概にいえません。再建築不可の制限はリフォーム後も残るため、費用を売却価格に上乗せできないケースがあります。

雨漏りや設備不良など、買主が特に不安に感じやすい箇所への最低限の修繕は、購入判断を後押しする効果が期待できる場合があります。一方、大規模リフォームは費用を回収できないケースも多いため、現況売却の査定額・リフォーム費用・リフォーム後の査定額を比較し、手残り額が増えるかどうかを確認してから判断することをおすすめします。

詳しくは「リフォームしても必ず高く売れるとは限らない」もあわせてご確認いただけます。

建物を解体して更地で売却してもよいですか?

解体して更地にする前に、再建築可否を確認することをおすすめします。再建築不可物件は建物を解体しても新しく建て替えられないケースがあるため、更地にするとかえって買主が見つかりにくくなる可能性があります。

建物が残っていれば、中古住宅や賃貸物件として活用したい買主が候補になる場合があります。解体を検討する場合は、現況売却の査定額・解体費用・解体後の査定額を比較し、手残り額で判断することをおすすめします。更地後の固定資産税負担が変わる場合もあるため、事前に不動産会社や自治体へ確認することをおすすめします。

詳しくは「解体すると売却しにくくなる場合がある」もあわせてご確認いただけます。

接道条件を改善して再建築可能にする方法はありますか?

接道条件を改善できれば再建築可能になる余地がある場合がありますが、必ず実現できるとは限りません。主な方法としては、隣地取得で接道間口を2m以上確保する方法・前面道路が建築基準法第42条第2項道路に該当する場合に、みなし道路境界線まで敷地を後退させる方法・建築基準法第43条第2項の認定・許可を取得する方法などが考えられます。

いずれの方法も、隣地所有者の同意・自治体の許可・費用と期間が必要になる場合があります。再建築可能化を検討する場合は、まず自治体の建築指導課や不動産会社に相談し、実現可能性・費用・期間を確認したうえで判断することをおすすめします。費用をかけても売却価格の上昇分が見合わない場合もあるため、手残り額で比較することが大切です。

詳しくは「再建築可能にできる余地がないか確認する」もあわせてご確認いただけます。

相続した古い家でも売却できますか?

相続した古い再建築不可物件でも、売却自体は可能な場合があります。ただし、売却手続きを進めるにあたって確認すべき事項がいくつかあります。

まず、相続登記が完了しているかを確認することをおすすめします。相続登記が未了のままでは売却手続きが進みにくくなる場合があります。共有者がいる場合は全員の売却同意も必要になるケースがあります。また、建物の老朽化状況・空き家管理コスト・固定資産税の負担を整理することをおすすめします。売却価格だけでなく税引き後の手残り額で判断することも大切です。譲渡所得税や空き家特例の適用可能性については、税理士への相談をおすすめします。

詳しくは「司法書士には相続登記や名義変更を相談する」もあわせてご確認いただけます。

売れないまま放置するとどうなりますか?

再建築不可物件を売れないまま放置し続けると、さまざまなリスクが高まる場合があります。老朽化が進むことで建物の価値がさらに下がり、売却価格に影響しやすくなります。また、固定資産税・管理費・維持費の負担が続き、手残り額が減り続けることにもつながります。

倒壊や外壁の落下など近隣への影響が生じた場合は、所有者の責任が問われる可能性があります。また、空き家の状態が続くと適切に管理されていない空き家は、「管理不全空家等」や「特定空家等」に該当する可能性があります。自治体の指導に従わず勧告を受けると、敷地が固定資産税等の住宅用地特例の対象から除外されます。管理負担が大きくなる前に、早めに不動産会社に相談し、一般売却・隣地売却・買取の可能性を比較することをおすすめします。

詳しくは「通常物件と同じ価格で売れるとは限らない」もあわせてご確認いただけます。

どのような不動産会社に相談すべきですか?

再建築不可物件の売却では、接道状況の理解・隣地所有者への提案・投資家向け販売・買取対応など、再建築不可物件への対応力や実績がある会社への相談が選択肢のひとつになります。

確認しておきたいポイントとしては、再建築不可物件の売却実績があるか・接道条件を説明できるか・一般売却と買取を比較して提案してくれるか・査定額の根拠を明確に説明してくれるかなどが挙げられます。1社だけで判断せず、複数社に相談して査定額・販売戦略・手残り額を比較することをおすすめします。大手か中小かより、再建築不可物件への対応力と実績を確認したうえで選ぶことが大切です。

詳しくは「不動産会社には査定や売却方法を相談する」もあわせてご確認いただけます。

再建築不可物件は物件状況と優先順位に合う売却方法を選ぶ

再建築不可物件でも、売却は可能です。物件の状況と優先順位に合う売却方法を選ぶことが大切です。

高く売りたい場合は、まず隣地所有者への売却可能性・接道状況の整理・再建築可能化の余地を確認することをおすすめします。早く処分したい場合や建物の老朽化が進んでいる場合は、専門買取業者への査定依頼も現実的な選択肢になります。解体やリフォームは安易に進めず、費用を差し引いた手残り額で判断することをおすすめします。

また、売却を進めるにあたっては、不動産会社・専門買取業者・自治体・土地家屋調査士・司法書士・税理士など、状況に応じた専門家への相談を活用することをおすすめします。「売れないから諦める」のではなく、まず再建築不可の理由と接道状況を確認し、複数の不動産会社へ査定を依頼したうえで売却方法を比較することで、現実的な選択肢が広がる場合があります。

再建築不可の理由を確認する(接道義務未充足・道路種別・敷地形状など)
前面道路の種類を確認する(建築基準法上の道路か私道・通路かを確認)
道路幅員(4m以上あるか)と接道間口(2m以上あるか)を確認する
建築基準法上の道路かどうかを自治体・建築指導課へ確認する
建物の老朽化状況を確認する(雨漏り・シロアリ・設備不良などの有無)
境界や越境の有無を確認する(測量図・境界確認書の有無)
相続登記が済んでいるかを確認する
不動産会社の査定額を確認する(仲介・買取の両方を取ることをおすすめします)
専門買取業者の査定額を確認する
隣地所有者への売却可能性を確認する
解体費や修繕費を確認する
税金を差し引いた手残り額を確認する
売却までの管理コストを確認する
比較する項目 内容
売却価格 仲介査定額・買取査定額・隣地売却の見込み額を比較する
売却期間 一般売却・隣地売却・買取それぞれの売却期間の目安を確認する
修繕費 現況売却とリフォーム後売却でどちらの手残り額が多いかを確認する
解体費 解体する場合の費用と、解体後の査定額を比較する
測量費 境界確定や測量が必要な場合の費用を確認する
税金 譲渡所得税・相続税・空き家特例の適用可能性を税理士へ確認する
管理コスト 売却までの期間中にかかる固定資産税・維持費・管理費を確認する
固定資産税 空き家の場合、解体後の固定資産税負担が変わる可能性があるため確認する
最終手残り額 売却価格からすべての費用・税金を差し引いた最終的な手残り額で比較する
売却後の
トラブルリスク
契約不適合責任の範囲・境界・接道状況の説明不足によるリスクを確認する
注意

再建築不可物件の売却は、再建築不可の理由確認→接道状況確認→査定依頼→売却方法比較→手残り額確認→依頼先決定の順で進めることをおすすめします。不明点は不動産会社や各専門家に相談しながら、自分の状況に合った方法で進めることが大切です。